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2021年12月12日日曜日

スイス。肩に装着する視覚障害者向け障害物検知デバイス「biped.ai」。

biped.ai

画像引用元:swisstech


「biped.ai」は、スイス・ローザンヌに拠点を置くスタートアップbipedによって開発されている自律走行車の技術からインスピレーションを受けた、視覚障害者向けのウェアラブルデバイスです。

ベルトで肩に装着するハーネス型のデバイスには3Dカメラと各種センサーが組み込まれており、前方にある障害物をAIを用いて識別し、その位置と距離を立体音響によって伝達します。またBluetooth経由でスマートフォンと接続し、GPSを使ったナビゲーションやチュートリアルを実行することも可能です。重量はおよそ900グラム、最大で6時間駆動可能なバッテリーを備えています。


biped.aiに搭載されている「Copilot(副操縦士)」と名付けられたAIアルゴリズムは、十数種類の物体をセンチメートル単位で識別し、歩行の妨げになりそうな障害物だけをフィルタリングして追跡する機能を持っています。

ユーザーは骨伝導ヘッドホンから聞こえてくる音声の方向から、数秒先に遭遇する可能性のある障害物を予測し衝突を回避することができるというわけです。サンプルを聞くと、効果音の方向と再生間隔で物体の位置と距離を表現していることがわかります。

搭載されているカメラの視野は170度あり、近づいてくる自転車など左右からとっさに出現する障害物にも対処できます。これは視野に障害のあるユーザーにとっても有用かもしれません。

開発者はこのデバイスの特徴の一つとしてフィードバックのスピードを挙げており、類似のデバイスと比べ最大で10倍の応答速度を持っていると語っています。ただ足元の微妙な凹凸は検出することができないため、歩行中は白杖との併用が推奨されています。


biped.aiはローザンヌの眼科病院the Jules Gonin Eye Hospitalの協力を得て開発が進められており、現在は視覚障害者と関係者を対象にプロトタイプのテスターを募っています。また先日には2022年夏に予定されている正式リリースに向け、150,000スイスフランの資金調達も発表されました。


視覚障害者向け障害物検知デバイスは、これまでにも様々なタイプのプロジェクトが登場しています。しかし残念ながら製品化されず頓挫してしまうことも少なくありません。このブログでも多くのプロジェクトを紹介してきましたが、継続しているプロジェクトは少数派でしょう。持続可能な支援技術を実現することの難しさを感じる今日この頃です。

biped.aiは、肩に装着することで得られるメリットやAIアルゴリズムの性能によっては注目を集める可能性を持っている、かもしれません。当事者はもちろん、出資者を失望させないという意味でも、無事にリリースされることを祈るばかりです。


参考:Helping visually impaired people better navigate daily life | swisstech


2021年5月7日金曜日

前方の障害物を教えてくれるスマートシューズ「InnoMake」。

InnoMake(画像引用元


InnoMakeは、オーストリア、ウィーンに拠点を置くスタートアップTec-Innovation GmbHによって開発された、視覚障害者の安全な歩行をサポートするスマートシューズです。

このスマートシューズの爪先には障害物との距離を測定するための超音波センサーが組み込まれており、加えて足の動きを検出する加速度センサー、装着者に警告を通知する振動ユニット、高輝度LEDランプ、そして専用アプリをインストールしたiPhoneと接続するためのBluetooth通信機能が備えられています。

内蔵バッテリーはmicro USBポートを経由して充電し、3時間の充電で最大一週間持続します。動作モードの切り替えや電池残量の確認はシューズに搭載されているボタン、もしくはiPhoneアプリで操作することが可能です。iPhoneを使えばくつの場所を探すなどの機能が利用できますが、単独でも問題なく使用できるよう設計されています。


InnoMakeの超音波センサーは、装着者の目の前 0.5から4メートル以内にある障害物を検出し、選択された動作モードにしたがってシューズの振動、LEDランプの点灯、もしくはペアリングされたiPhoneからサウンドを鳴らすことでユーザーにフィードバックする仕組みとなっています。

ユーザーの好みにに応じてフィードバック方法が選べるのが特徴で、特にLEDランプは暗い場所で視力が極端に低下するロービジョンのユーザーには有効かもしれません。ちょっと目立つかな? iPhoneアプリを使えば障害物を検知した靴の方向から音が聞こえてくるようです。

オンラインショップでの価格は、フルセットで3,200ユーロ。手持ちのシューズに取り付けるタイプもあります。無料のお試しも可能で購入時には医療機器として補助制度なども利用できるようです。


InnoMakeはオーストリアのグラーツ工科大学との共同プロジェクトであり、次のステップとしてシューズに追加する人工知能ベースのカメラセンサーモジュールの開発に取り組んでいます。

この機能を実現するため、研究者は独自のディープラーニングアルゴリズムを開発しました。機械学習によって訓練されたアルゴリズムは、カメラが収集した画像をニューラルネットワークモデルに基づいて解釈し目の前にある障害物の種類や距離を特定することができます。

この技術により新しいモジュールは単純に障害物を検知するだけでなく、前方にどのような障害物があり、どちらの方向へ歩けば安全であるかといった情報をユーザーへ提供することができるようになるとのことです。

また装着者から得られた障害物や地形などの情報をクラウド上のナビゲーションマップへ集積・共有することで、InnoMakeユーザー全体の利便性を改善するという仕組みも考えられているようです。このようなアプローチは結構目新しいですね。このモジュールはまだプロトタイプの段階であり製品化の時期は明らかにはされていません。


視覚障害者の移動を支援するウェアラブルデバイスは様々なタイプのものが実用化されています。その中でもスマートシューズの最大の利点は、その「目立たなさ」にあるでしょう。特別なデバイスを身につけたくない視覚障害者にとっては大きな選択肢となるかもしれません。

視覚障害者向けのスマートシューズとしては、すでにオランダの「KEEXS eMotion」や、インドの「LeChal」などの製品が登場しています。


参考:Aus der Fußperspektive: TU Graz entwickelt Algorithmus für schuhbasiertes Blindenassistenzsystem


2020年9月5日土曜日

「eSight 4」発表。ロービジョン補正スマートグラスの最新版。

eSight 4(画像引用元

2020年8月、トロントに本拠地を置くeSightは、視覚障害者向けスマートグラスの新製品である「eSight 4]を発表した。
2017年に発売され米TIME誌の「The 25 Best Inventions of 2017」にも選出された前モデル「eSight 3」に続く第四世代のスマートグラス製品となる。
この製品は限られた視力を最大限に活用することに特化して開発されており、見えないものが見えるようになるデバイスではない。eSightの対象ユーザーは、視野欠損やボヤけた視界に悩まされているいわゆる「ロービジョン」と呼ばれる、視力は残っているが見えにくい人々だ。

eSight 4はメガネ型デバイスの前面に備えたカメラがとらえた映像をデジタル処理し、内側の高解像度OLEDディスプレイへリアルタイムに表示する。ユーザーの見え方に応じてカスタマイズ可能な補正機能、例えば最大24倍のズームやコントラスト調整、カラー反転などをくしし、見たい者の距離に応じて残された視力・視野に最適化された最良のビジョンを提供する。疾患の種類や進行状況にもよるが、視覚障害者のQOLを大きく改善する可能性を秘めている。
eSight 3からの主な改善点は以下の通り。

  • ディスプレイの改善。明るさが2倍に、解像度が1280×960ピクセルに
  • オートフォーカスと画像安定化システムのレスポンスが向上
  • バッテリーへのアクセス方法が改善
  • 違和感の少ないデザイン、装着性の向上

全体的なレスポンスの向上や本体のバランス改善による装着性、バッテリー交換を容易にしたことで、場所を選ばず、より長時間の利用が期待できると同社は語っている。前モデルのゴーグルのようなデザインからカジュアルな見た目になったことも装着のハードルを下げそうだ。(筆者は外観を確認できないのだが)。
そしてeSight 4最大の特徴がスマートフォンとの連携機能。
スマートフォンとeSight 4はワイヤレスで接続され、専用アプリを用いて写真やビデオを転送できる。eSight 4には256GBのストレージと3つのスピーカーが内蔵されており、ユーザーは転送したメディアを見やすく補正して楽しむことができる。逆にeSight 4で写真やビデオを撮影しスマートフォンへ転送することも可能だ。さらに専用のクラウドサービスによるアップデートにも対応し、簡単に機能追加ができるようになった。
なお映像の調整など基本的な操作は本体のタッチパッドで実行できるのは従来通り。

eSight 4の価格は前モデルと同じ5,950ドル。北米ではすでに販売が開始されており、米国退役軍人省のFSS承認を取得した。ヨーロッパでも安全基準CEマークの認証を取得しており、この秋にも発売される予定となっている。
日本国内では前モデルが「eSightマイグラス」として販売中だが、eSight 4については現時点で情報を見つけることはできなかった。



2020年8月4日火曜日

視覚障害者をソフトタッチで誘導するスマートベスト「Foresight」。

Foresight(画像引用元

目が見えない人々にとって、自由に一人で外出するのは非常に難易度の高いミッションだ。どんなに訓練や経験を積み上げていたとしても、やっぱり迷う時は迷うし、イレギュラーな障害物に激突することもある。視覚からの情報が得られないという事実は安全かつスムーズな移動の大きな障壁となる。
そんな迷える視覚障害者のため、世界中で歩行を支援する様々なイノベーションが生み出されている。視覚障害者の歩行を支援する技術は、大きく分けると道案内を行うナビゲーションと、目の前の危険を通知する障害物検知にわけられるだろう。いずれもカメラやセンサー、GPSなどを用い、移動に必要な情報を視覚以外の手段で補足する技術だ。
ここで紹介する「Foresight」は後者に分類されるウェアラブルなデバイス。白杖と併用し、目の前にあるかつ杖では見つけにくい物体を検出することで衝突を回避したり、逆にオープンスペースを見つけて安全なルートを見つけるときなどに役立つ。

Foresightを開発したのは、米ハーバード大学の学生チームが設立した同名スタートアップ。上半身に着用するベスト型のデバイスとスマートフォンを組み合わせて使用する。特徴はコンピュータビジョン(cv)を応用したオブジェクト認識と、ソフトな触感を採用したフィードバックだ。

Foresightを着用した視覚障害者はスマートフォンを首から下げ、Bluetoothでベストと接続した状態で歩行する。
スマートフォンのカメラがユーザーの前方の様子を撮影し、CVを用いてオブジェクトの形状や動きを検出。オブジェクトの位置と距離を元に触覚を発生させるポイントと強度を計算し即座にベスト側に送信する。
なお解析に使用されるCVはオープンソースのYOLOのカスタムバージョンとのこと。

ベストの内側には複数のソフトアクチュエーターが仕込まれており、CVの解析データに従ってアクチュエーターを動作させる。そこで生み出された圧力によって障害物などの存在を着用者にリアルタイムで伝達するという仕組みだ。
ベストを着用した視覚障害者は、感じた圧力の場所と強さで前方にある壁や開けた道、通行人などを判別することができるという。

既存の障害物検知デバイスの多くは、周囲のオブジェクトの存在を「点」で通知するのに対しForesightは前方の様子を「面」で知らせてくれるため、 直感的に情報を得ることが可能になる。またバイブレーションや警告音と比べ、ソフトな圧力によるフィードバックは不快感も少なく利用者の負担を軽減する効果も期待できる。気になるのは暑さと見た目だろうか? 見た目はともかく、圧力を漏らさず感じるには体にある程度密着させる必要がありそうだ。

Foresightが採用している技術は、必ずしも最先端のものではなく、むしろローテクでシンプルな構成になっていると開発チームは語る。使用している部品は低コストで入手性も高く、故障してもパーツごとに交換が可能とのこと。技術専攻ではなくユーザーの尊厳と実用性のバランスを考慮し、目立たず直感的、かつ手ごろな価格で手に入るデバイスを目指しているという。
現在、Foresightチームはソフトウェアとハードウェアの改善に取り組んでいる。デバイスのリリース日と価格はまだ不明だが、開発者たちは2021年までに開発を完了したいと考えている。

そういえば、Foresightで思い出した。
アプローチはかなり異なるが、国内ではオーデコと呼ばれる、カメラからの映像を解析し「おでこ」で情報を伝達するデバイスが既に実用化されている。カメラで捉えた情報を複数のポイントで伝達するという点で共通する部分も多いように思える。
コンピュータビジョンやセンサー、レーダーの進化により、目の代わりとなるオブジェクト認識はかなり実用的になりつつある。あとはその情報を目の見えない人々にどのような手段で伝達するのがベストなのか。今後の研究開発に期待したいところだ。



2020年1月19日日曜日

[CES 2020] Orcam、「Myeye2」の新機能と2つの新製品を発表。


CES 2020、イスラエルのスタートアップOrcam社のブースでは、すでに日本を含む世界各国で販売されている画像認識AIを用いたウェアラブルデバイス「Myeye2」の新機能と、「Read」「Hear」という2つの新製品が発表された。
このニュースに関してはすでに日本語によるプレスリリースが出されており、テック系メディアでも記事になっているので詳しくはそちらを参照いただくとして(手抜き)、ここでは発表内容をかいつまんで紹介しつつ、個人的な感想などを書いてみよう。

「Orcam Myeye2」の2つの新機能。


Orcam Myey2については、2つの追加機能が発表された。

1.「NLP(ナチュラル・ランゲージ・プロセッシング)を搭載したインタラクティブ・リーディング機能」(リリースより引用)
音声コマンドと自然言語処理を用いて認識したテキストから読み上げたい部分をピックアップする、といったことなどができるようだ。例えばパンフレット全体から日付や価格を読み上げるなど、いちいち先頭から読ませなくても知りたい情報を得られる。これは情報入手の効率化が期待できそう。
この種の文字認識機能の品質はこれまで正確性が主な評価基準だったが、これからは認識した文字や文章をいかにして処理し活用するか、という段階に入りつつあるのかもしれない。他のOCRアプリにも採用されないかなあ。

2.「ユーザーの目の前にある対象物の認識や、移動の際のサポートをするためのオリエンテーション機能」(リリースより引用)
例えば目の前にドアがあることを認識させ、そのドアまでの移動をサポートしてくれるようだ。どのようなオブジェクトを認識できるのか興味深い。オリエンテーションの使い勝手も気になる。例えば「Navilens」のような仕組みと組み合わせても面白そうだ。

それにしてもMyeye2のハードが持つポテンシャルのたかさには驚かされる。アップデートだけで、一体どこまで進化するのだろうか。あの価格は伊達ではないと思った次第。
今回発表された新機能の中で注目したいのは、やはりオブジェクト認識とオリエンテーション機能だろう。どこまで実用的かは体験してみないとわからないが、Myeye2でナビゲーションするという発想は、将来登場するであろう「Myeye3」の姿を妄想させる。
近年ではカメラや深度センサーを用い、画像認識AIをナビゲーションに応用する動きが活発化している。Myeyeが道案内してくれる未来はそう遠井話ではないのかもしれない。

新製品「Orcam Read」。


Orcamが発表した新製品の一つが、ハンディ型のリーディングデバイス「Read」。
読ませたい書類にデバイスを向けるとテキストを認識し、音声で読み上げることができるという。既存のメガネクリップ式デバイス「Orcam Myreader2」のハンディ型、という感じだろうか?
視覚障害向けというよりもディスレクシア支援デバイスとしてアピールされているようだ。このデバイスもMyeye2やMyreader2と同様にオフラインで動作するため、スマホのOCRアプリなどと比較しレスポンスの高速さが期待できそう。
価格は発表されていないが、ウェアラブル型の製品と比べると抑えられるだろう。ハンディ型のOCRデバイスはすでに国内でも流通しているが、Orcam Readが国内販売されればそのライバルになるかもしれない。

新製品「Orcam Hear」。


もう一つの新製品が、Orcam社初の聴覚支援デバイスで、CESイノベーション賞を受賞した「Orcam Hear」だ。メディアではこの製品に最も注目が集まっていたようだ。
これは会話中の相手の唇の動きをカメラで認識し、声を聞きやすく補整する仕組み。周囲に大勢の人がいるような場所でも、話している相手の声をはっきり聞き取れるようになるという。Hearは単体でどうさするのではなく、Bluetoothで補聴器とペアリングして利用する。CESではまだ試作コンセプトの段階で、発売日や価格は未定。
音声の分離を画像認識AIでやってしまおう、という発想はさすがといった感じだ。

CESでは他にも、海外では販売中の顔認識デバイス「Myme」も展示されていたようだ。
日本国内ではMyeye2やMyreader2の価格改定が行われたり、自治体による補助対象への動き図書館への導入などが見られるなど、引き続き注目のOrcam製品。CES 2020の発表を見る限り、新製品を積極的に投入しつつも旧製品のサポートにもしっかり取り組まれていることがうかがえる。視覚障害者やディスレクシアを支援するデバイスは世界各地で様々なタイプの製品が開発されているが、技術力やセキュリティへの配慮などの面でOrcamのデバイスはいまだにトップクラスという印象。もう少し手に入りやすくなるといいのにね。

個人的に、Myeye2の新機能にしろHearにしろ、Orcamの発表は新しい気づきを与えてくれると感じる。すぐに手に入るものではないのかもしれないが、人間の能力を補助し拡張してくれる新しいテクノロジーを妄想するのはそれだけで楽しいものだ。



2020年1月17日金曜日

スマートコンタクトレンズ「Mojo Lens」がロービジョンの生活を改善する?


2020年1月16日、米国カリフォルニアに拠点を置くスタートアップMojo Visionは同社が開発中のスマートコンタクトレンズ「Mojo Lens」のコンセプトを発表した

Mojo Lensは超小型のディスプレイを搭載したハードタイプのコンタクトレンズ。スマートフォンの画面を見たりxRグラスなどを用いずに、現在見ている視界に重ね合わせてあらゆる情報を得られるという、なんとも未来的なデバイスだ。
同社はこの体験を「インビジブル・コンピューティング」と名付けている。

Mojo Lensには、極小・高密度のダイナミックディスプレイ、電力効率の高いイメージセンサー、視線追跡および画像安定化のためのモーションセンサーなどの先進的で独自の技術が盛り込まれている。
中でも2019年5月に発表された「Mojo Vision 14K PPIディスプレイ」は、14,000ppiを超えるピクセルピッチと200Mppiを超えるピクセル密度を持つ、世界トップクラスの技術を持つという。
現時点ではメインとなる処理やネットワーク接続は手首に装着されたデバイスで実行され、電力とともに独自開発されたワイヤレス技術を用いてコンタクトレンズへ送信される。同様にレンズのセンサーから得られた情報もワイヤレスで伝送される仕組みだ。
このデバイスは10年もの間秘密裏に開発が進められていたという。

発表会では実際にレンズを装着することはできなかったようだが、視線追跡機能を搭載したVRヘッドセットを用いたデモンストレーションが行われた。デモでは視野の中に出現する情報や視線の動きを用いたユーザーインターフェイスが説明された。
たとえばスマートフォンからの通知を受けたり、天気やスケジュールの確認、現在地のさまざまな情報などを、現在見ている風景にオーバーレイして表示してくれるという。表示やアプリのコントロールは視線の動きで行う。地図アプリと連携すれば、進むべき方向を矢印で示したりできるようだ。医療現場や製造工場、メンテナンス業務などにおけるスマートグラスの置き換えも想定されている。
まあ、これをどこまで便利に思うのかは人それぞれだとは思うが、画期的なデバイスであることは間違いないだろう。アイデア次第では、スマホやコンピューターの使い方を根本から帰る可能性を秘めている(かもしれない)。

そしてMojo Lensがまず実現させようとしているのが、網膜色素変性症や黄斑変性などの眼病が要因で視力が低下し、日常生活に不便を感じているロービジョンの人々の支援だ。
レンズに搭載されたイメージセンサーで撮影した映像のコントラストやカラーを調整したり、物体の輪郭を強調、拡大縮小処理などを施すことで、そのような人々の「見え方」を改善しようというわけだ。
たとえば夜盲の人が暗い場所で自由に移動できたり、視野が狭い人が残された部分を拡大縮小させて視力をコントロールする、といったことが特別なデバイスを用いずに実現するかもしれない。
このようなデバイスはすでにメガネ型の製品が実用化されているが、価格はともかくお世辞にもスタイリッシュなものとは言い難い。コンタクトレンズによる視覚補整が実現すれば、ニーズは確実にあるだろう。
同社はカリフォルニア州パロアルトにある視覚リハビリテーション施設「Vista Center for the Blind and Visually Impaired」と提携し、視覚障害当事者の協力を得ながらレンズの開発とテストを行なっている。

Mojo Visionがロービジョン支援を優先させるのには理由がある。
このレンズを市場投入するにはFDA(アメリカ食品医薬品局)による承認が不可欠。そこで同社は「FDA breakthrough Program」の認定を受け、FDAと連携することで、このプロセスを加速させようとしているようだ。これは医療・健康に関わる重要な技術開発の促進を目的としたプログラムで、製品審査や臨床試験において優先的なやりとりが行われるという。ロービジョン市場の規模は小さいが、目先の利益よりもまずより早い市場投入を目指しているということのようだ。

Mojo Lensはまだ研究開発段階であり、リリース時期は未定。先述のような状況から考えると、まず米国でロービジョン向けのデバイスとして実用化され、それに続いて一般向けにリリースされるという順番になるだろう。

ある意味、究極のウェアラブルディスプレイといえる「Mojo Lens」。
日の目を見るのはいつになることだろうか。


2020年1月16日木曜日

[CES 2020] 視覚障害者向けスマートグラス「Envision Glasses」発表。


iPhone/Android用画像認識アプリ「Envision AI」で知られるオランダのスタートアップEnvision社は、CES 2020ではEnvision AIの技術を応用した視覚障害者向けのスマートグラスを出展した。
CES会期中はあまり情報が入ってこなかったのだが、2020年1月14日、その新しいデバイスの概要が公式に発表された
その名は「Envision Glasses」。

Envision AIはカメラで撮影したテキストや人物などを画像認識AIで解析しその内容を音声で読み上げてくれるアプリ。アプリ版はすでに多くの視覚障害者に利用されており、早い段階からスマートグラス対応の要望が寄せられていたと言う。
Envisionはその声に応えるべく試行錯誤を続け、満を辞して登場したのが「Envision Glasses」。単体でEnvision AIの画像認識機能が利用できるスマートグラスだ。

ハードウェアは独自設計ではなく、2019年5月に発売された「Google Glass Enterprise Edition(第二世代)」を採用。わずか46グラムという軽量、そして一般的なメガネと違和感の少ないデザインが特徴で、フレームには好みのレンズをいれることができる。
スマートグラスというと、どうしてもゴツい姿を思い浮かべてしまうが、その心配は少なそうだ。もちろん使用中はフレームから延びるケーブル類は一切ない。

フレームの左側には800万画素のカメラが搭載されており、側面のタッチパッドの操作でEnvisionのアクションを選択しアプリ版と同様の画像認識機能(文字の認識、人物の顔や色の識別、風景の説明など)が利用できる。ウェアラブルになることで、いちいちスマートフォンを取り出す必要がなくなるのは、特に外出や作業中には便利そうだ。

またEnvision Glasses独自の機能として「ビデオ通話」が追加されている。カメラで撮影した映像をストリーミングし、遠隔サポートを受ける時などに利用できる。要するに晴眼者と接続し「Be my eyes」や「AIRA」のように、向いている方向の映像を見てもらいながら色々手伝ってもらえる、と言う感じ。これ、なにげに目玉機能な気がする。

Google GlassはAndroid OSを採用しているが、標準の音声読み上げ機能「TalkBack」には対応していない。そこでEnvisionは独自に音声読み上げ機能を開発し実装したとのことだ(この辺り、日本語ローカライズの障壁になりそう?)。
音声は内蔵スピーカーもしくはBluetooth/USB-C接続のイヤホンから出力される。
なおGoogle Glassには液晶ディスプレイが内蔵されているが、Envision Glassesでは使用しない。また音声による操作はできないようだ(対応してほしいなあ)。

ネットワーク接続が必要な機能についてはWi-Fi接続、もしくはBluetoothでスマートフォンと接続することで利用できる。
バッテリーはUSB-Cポート経由で充電し、最大で8時間駆動可能という。物理的な電源ボタンがあるので、使いたい時だけ電源を入れるような運用もできそうだ。

気になる価格は、まだ未定。
現段階の見積もりでは1,000から1,500ドル程度とのこと。Google Glassの価格が999ドルということを考えると、これはかなり良心的というか戦略的な価格設定。一般的なガジェットと比べると高価に聞こえるかもしれないが、3,000ドル、5,000ドルが当たり前の視覚障害者向けスマートデバイスの世界では破格と言える。

発売予定は2020年7月。それに先立ち3月に米国で開催されるCSUNにおいて予約キャンペーンを実施するとのことだ。


2019年12月25日水曜日

視覚障害者の水泳を支援するデバイス「SwimBuddy」は、全てのスイマーに恩恵を与える。


インド国営銀行のマネージャーであるVijaykumar Kasivel氏の趣味は水泳だ。
彼は網膜色素変性症(RP)により9歳の頃から視力が落ち始め、22歳には全盲となった。3年前、彼が旅行先で訪れたコーブリー川で、泳ぐことの楽しさを発見したことをきっかけに、本格的に水泳を学ぶことにした。

だが彼が水泳を学び始めるのと同時に、大きな障壁に出会すことになった。
それは、コースに剃って真っ直ぐ泳ぐことが難しいということだ。メガ見えなければコースロープを確認することはできないし、音を頼りに壁までの距離を推測することも難しい。
彼の場合、常にコーチが付き添うことで外壁に衝突するようなことはなかったが、彼が英国を訪れた時、同じような悩みを抱える多くの視覚障害者と出会ったという。

水泳は、視覚障害者の間でも人気のあるスポーツだ。
パラリンピックに出場するレベルの選手であれば、練習の積み重ねによりコースを外れずに泳ぐことができると言われているが、大抵は晴眼者と共におよいだり、コースロープを手で辿りながら泳ぐことで安全を確保することが多いようだ。
だがこのような方法では「自由に、思い切り泳ぐ」という間隔を覚えるのは難しいのではないだろうか。

そこで彼は視覚障害者が独立し、安全に水泳を楽しむタネの方法を考え始めた。
大きなヒントとなったのは、彼が普段から使用しているSaksham社が開発した「スマート白杖」。これは超音波センサーにより障害物を検出し、振動で危険を知らせてくれる白杖である。
Vijaykumar氏は、これを応用し、水中で障害物を検知するデバイス「SwimBuddy(スイムバディ)」を考案した。
これを装着して泳ぐことにより、外壁や他の泳者に接近したことを振動で知らせるほか、コースを真っ直ぐ泳ぐ助けをしてくれるという。

「Swimbuddy」のアイデアは2019年の「Voice Vision Entrepreneurial Idea Award」を受賞した。
NGO Voice Visionの創設者Sushmeetha Bubna氏は、視覚に障害を持つ・持たないにかかわらず、水泳中は視界が制限される。このデバイスは水泳を楽しむあらゆる人々が、安全に泳ぐために役に立つだろうと述べている。
実際、水泳中の衝突で多くの人々が負傷しており、中には重い障害を残すケースもあるという。このようなデバイスが、障害者を支援するだけでなく水泳中の事故を防ぐ役にたつかもしれない。

Vijaykumar氏氏はSwimBuddyによって、視覚障害者が独立心と自信を持って水泳を楽しみ、技術を追求することを望んでいる。現在彼は、そのための技術的な支援を探しているとのことだ。。

関連リンク:

2019年12月23日月曜日

白杖に抵抗のあるロービジョンに福音?振動で障害物を通知する「LEOベルト」。


視覚障害者が屋外を安全に移動するための補助具としては「白杖や「盲導犬」がよく知られている。だがロービジョン、つまり「見えにくい」人々の中には、これらのような「すぐに視覚障害者とわかる」者を持ちたがらないケースが少なくない。
その理由には世間一般の視覚障害者に対する偏見と、ロービジョンに対する無知がある。

視覚障害者と呼ばれる人々の中で「全盲」は少数派であり、多くは「ロービジョン」と呼ばれる「見えにくい、見える時間が少ない」状態の人々だ。見えにくさは個人によって千差万別だが、視野や視力が残存していても白杖や盲導犬に頼らなければ安全に移動できない人も数多く存在する。視野が狭ければ死角にある障害物に激突してしまうし、昼間は見えていても暗い場所では何も見えなくなってしまう場合もある。

だがこの事実を知らない世間の人々の中には「白杖を持っているのに、見えている」と彼らを攻撃するような輩も、残念ながら見受けられるのも事実。
白杖を持ちたがらないロービジョンがいたとしても、全く不思議ではないのが現状だ。

英国University Hospital Southampton(UHS)の研究者は「Low-vision Enhancement Optoelectronic (LEO)ベルト」と呼ばれるデバイスを用いて、このような移動に困難を抱える人々のための、白杖に変わる新しいソリューションを開発している。

このデバイスは、3つの深度センサーカメラを搭載した「LEOベルト」と、小型のコンピューター、そして胸と両足首に装着する3つの振動ユニットで構成され、それぞれの機器がWi-Fiでワイヤレス接続される。
LEOベルトで撮影された映像はコンピューターに送信され、障害物を探知すると、その位置に応じたユニットを振動させて装着者へ通知する仕組みだ。障害物が近づくにつれ振動する間隔が短くなり、危険が迫っていることを伝えてくれる。
視野が狭かったり、暗い場所で者が見えづらいようなロービジョンでも、振動を感じ取ることで危険を回避することができるとのことだ。

これまでもベルト自体を振動させるタイプのスマートベルトは存在していたが、このデバイスはカメラと振動ユニットを分離させているところが特徴的といえる。カメラをベルトに装着することで安定した撮影を実現するとともに、3つの振動ユニットを用いることで、よりきめ細かいフィードバックを目指しているようだ。確かにベルトの振動は少しわかりにくいような気がするしね。
視覚障害者を支援するデバイスでは、しばしば「振動」によるフィードバックが用いられる。スマホは基本的に手のひらで振動を感じるが、デバイスによっては肩だったり靴底だったり、中には「おでこ」で振動を伝えるものもある。
あらゆる状況で最もわかりやすい振動の配置は、探究の余地がありそうに思える。

少し話が逸れてしまった。

UHSの研究者は網膜色素変性症(RP)の患者と、視野を制限するゴーグルを装着した晴眼者を対象に、LEOベルトを用いて4種類の迷路を突破する実験を行った。その結果、全ての被検者が安全に障害物を回避し迷路をクリアすることができたという。
またLEOベルトを装着しない場合と比較し、障害物に当たるなどのミスが44%軽減された。RP患者は特に、照明が少ない場所での有用性を指摘した。

この研究を実施したUHSの眼科医であるAndrew Lotery教授はこの結果を踏まえ、LEOベルトが次世代の補装具となりうると考えている。このデバイスは衣服の下に装着しても目立つことがなく、白杖を持ちたくないロービジョンでも抵抗なく利用できるだろう、と教授は語る。

このようなデバイスによって、ロービジョンの日常の不便や危険が回避できるようになれば、それはとても素晴らしいことだ。
だが個人的にはロービジョンの人も抵抗なく白杖を持てるような世界になるのがベターではあると思う。見た目で障害者と判断されることが「デメリット」と思われてしまう風潮が、少しでも減ることを切に願うばかりだ。

関連リンク:


2019年7月26日金曜日

視覚障害者の安全な歩行を支援する未来のデバイス「Sound of Vision」。

Sound of Vision(画像引用元

視覚障害者の単独移動において、まず優先されるべきは「安全」である。
現実世界には、看板や電信柱などの障害物はもちろん、段差や壁、工事中の道路やちょっとした窪み、さらには通行人まで、視覚障害者の安全を脅かすものが無数に存在している。場合によっては転落や交通事故など生命にも関わる自体にもなりかねない。

そこで視覚障害者は一般的に「白杖」を用いることで目の前の危険を探索して歩行する。街中で杖の先を左右に振りながら歩いている視覚障害者の姿を見かけたことがあるはずだ。晴眼者でも、暗い部屋の中では手で安全を確かめながら歩くことがあるだろう。白杖はいわば杖を用いて、一歩先を「手探り」しながら移動しているようなものだ。

ただ白杖でキャッチできる危険には限界がある。
そもそも杖が届く距離の範囲内でしか障害物を見つけられないし、せり出した樹木や看板など上半身に迫る物体は認識できない。歩きスマホしている歩行者など移動している障害物(とあえて言う)も白杖で避けられる可能性はそう高くはない。

そのような問題を解決すべく、テクノロジーによって視覚障害者の安全を確保しようとする様々なデバイスが開発されてきた。例えば「パームソナー」は超音波を用いて障害物や通過できる隙間を見つけることができるし、「Wewalk」のようなスマート白杖も、杖で地面を探索しながら上半身に迫り来る危険を知らせてくれる。
これらのデバイスは従来の白杖では見つけられなかった危険を察知する可能性を高めてくれるが、超音波を用いるため、誤認識や識別できないものも多く、あくまでも白杖の補助的な位置付けにとどまっている。
今の所、白杖と歩行訓練が最強だし、これはおそらく今後も代わりないだろう。だが、テクノロジーによる安全性の向上には、まだ進化の余地があるはずだ。

現在ルーマニア、ブカレストのPOLITEHNICA大学の研究者を中心に、アイスランド、ハンガリー、イタリア、ポーランドの大学や研究機関、当事者団体の共同プロジェクトとして開発されているウェアラブルデバイス「Sound of Vision」は、新たなアプローチで視覚障害者の安全を高めようとしている。
これは従来の超音波の代わりにコンピュータービジョンを用いるのが特徴だ。

Sound of Visionには3Dカメラが搭載されており、毎秒20フレームで周囲の環境をリアルタイムにスキャンする。スキャンされた画像はコンピュータービジョン・アルゴリズムにより解析され、周囲の物体を分析、その結果をもとに生成された立体音響と、ベルトに仕込まれた振動ユニットを通じて視覚障害者へフィードバックされる仕組みだ。
音響や振動の強さは、検知された物体との距離に応じて変化するため、物体の位置関係を把握するヒントになるという。現在、扉や階段、通行人といった主要な物体を認識することが可能なようだ。

さらに、Sound of Visionでは周囲に存在する文字情報を読み取り、音声で読み上げることもできるという。ボタンを押せば、標識や看板に書かれている情報をスキャンし、書かれている場所から擬似的に音声が聞こえてくるイメージだ。お店やレストラン、駅の入り口などを見つける時などで役立つだろう。
こうしてみると、このデバイスは単純に障害物を検知すると言うよりも、視覚障害者の空間認知を拡張してくれる可能性を持っているのかもしれない。

このデバイスはまだプロトタイプの段階で、今後2年ほどの期間をかけデバイスの小型化や屋外での物体認識性能の向上などの改良が施されるという。ユーザーの手に届くまでにはもう少し時間がかかりそうだが、開発者たちはこのデバイスをできるだけ入手しやすい価格で提供したいと考えている。またハードウェア、ソフトウェアと合わせ、このデバイスを安全に使いこなすためのトレーニングプログラムの開発にも力を入れているようだ。デバイスから発せられる3D音響と現実世界の地形を脳内で変換できるようになれば、もしかしたら白杖をズリズリ使わなくても、晴眼者と同じようにスムーズに歩行できる未来がやって来るのかもしれない。そんな妄想を掻き立ててくれるデバイスだ。

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2019年4月13日土曜日

ロービジョングラス「IrisVision 3.0」登場。(おまけ付き)

IrisVision(画像引用元

近年、視覚リハビリテーション分野において「スマートグラス」の注目度が上がっている。2018年のサイトワールドでもさまざまな視覚障害者向けスマートグラスが点字されていた。スマートグラスと一言で言ってもユーザーの見えにくさや用途によってタイプは異なるが、現在最も盛んに開発されているのがロービジョン向けの「映像補正」タイプの製品だろう。黄斑変性症、糖尿病性網膜症、網膜色素変性症、緑内障などの眼疾患による視野狭窄や眩しさなどの「見えにくさ」を、カメラで撮影した映像をリアルタイムに補正することで軽減させるのが主な目的だ。
このジャンルとしては「eSight」や「OXSIGHT」といった製品がすでに一般向けに販売されている。だがこれらの多くは、液晶ディスプレイを内蔵した専用設計のヘッドセットを採用しており、どうしても高額になってしまうのが課題となっている。たとえばeSightは最近40%の値下げが行われたがそれでも6,000ドルという価格で手軽に購入できるとは言い難い。

北米を中心に展開している「IrisVision」は、ハードウェアに既製品を採用することで大幅なコストダウン(2,950ドル)を実現するロービジョン向けスマートグラス。Samsungのスマートフォン「Galaxy S7」とVRゴーグル「Galaxy Gear VR」をベースに、研究機関や専門医と共同開発されたアプリケーション、そしてトレーニングプログラムなどのサポートをパッケージし、総合的なロービジョンケア環境を提供している。
ゴーグルにスマートフォンを装着することで、ハンズフリーで利用でき、付属のタッチコントローラーで様々な操作が行える。液晶内蔵タイプのグラスと異なり見栄えはあまりよろしくないが、重量や遮光性などは問題ないようだ。

そしてIrisVisionのキモとなるのが、ユーザーの「見えにくさ」に合わせて最適な映像を紡ぎ出すアプリケーション。独自開発されたアルゴリズムにより、残存視力のポテンシャルを最大限に引き出す豊富な機能が用意されている。開発を担当したのはCitrusBits社。
基本機能はコントラストや明るさの調整、モノクロ反転させて文字を読みやすくする「リーダーモード」、そして特許技術「バブルズーム」は、視野全体のバランスを保ちつつ任意の場所を任意の形状で拡大表示できる機能。そのほかにもテレビ視聴やパソコン利用など利用シーンに応じたさまざまなモードが用意されており、コントローラーを用いて簡単に切り替え可能だ。ユーザーの瞳孔間距離や利用する機能に応じたカスタマイズもサポートされているようだ。

そして先日リリースされた「IrisVision 3.0」では、さらに先進的な機能が追加され、単純に「視力を補正する」だけではないデバイスとしての進化を感じ取ることができる。その一部をご紹介しよう。

・IrisVision assistant
専用の音声アシスタント。IrisVisionのモード切り替えなどの操作を音声で実行できる。
・IrisReader 
OCR機能。映像に含まれるテキストを抽出して読みやすく表示したり、音声で読み上げる。
・Video player
IrisVision内で直接YouTubeを再生できる。音声による動画の検索や拡大表示にも対応。
・Photo gallery
IrisVisionから写真を撮影し、管理・閲覧できる。

新機能はスマートグラス的な進化というよりは、スマートフォンの機能をIrisVisionに取り込んだ、と言った印象が強い。確かにIrisVisionを装着してスマートフォンを操作するなら、いっそのことスマホでできる機能を入れれば良くない?という発想なのかもしれない。機能によって向き不向きはありそうだが、利便性は向上するし他製品との差別化にも繋がるだろう。

液晶内蔵タイプのスマートグラスと比べると、価格と機能のフレキシブルさはメリットと思えるが、やはり見かけがどうしてもきになるところ。一応IrisVisionは屋外での利用も想定されているようだが、外で使うには結構目立つと思うなあ。
とはいえロービジョンケアの選択肢は多いに越したことはない。見えにくさの種類にもよるが、スマートグラスが生活を大幅に向上させるケースは決して少なくはないだろう。
このようなソリューションの存在が広まりユーザーが増えれば、価格も下がるのではないだろうか。このような効果の期待が大きい技術は、できるだけ多くの人々の手に渡るようになってほしいな。

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おまけ:iPhoneでお手軽ロービジョングラスを体験できるアプリ。

他製品と比べてお手頃といえどIrisVisionはまだまだお高い。そもそも日本から購入できるかは不明。そこでちょっとだけIrisVisionぽい雰囲気を味わえるiPhone用アプリをご紹介。iPhoneを装着できるゴーグルを用意すれば、お手軽スマートグラス体験ができる(かも)。これらの他にもiOS標準の拡大鏡でも良い気もするが、どうだろう。
なおほぼ全盲の筆者は実際に試せていないので悪しからずご了承ください。

作者/Prophet Studios 価格/無料
拡大鏡とVRグラスが一体になったアプリ。リモート操作にも対応。

作者/Thomas Warren 価格/無料

もちろんIrisVisionとは無関係。コントラスト調整が主な機能のようだ。

2019年4月7日日曜日

見えない子供の空間認識を育てるブレスレット「ABBI」。

ABBIオーディオブレスレット(画像引用元

「ABBI」は、視覚障害を持つ子供たちが、世界とスムーズに対話するために必要な「空間認識能力」を身につける手助けをしてくれるウェアラブルデバイスだ。
2014年にイタリア技術研究所(IIT)の研究者を中心に開発が始まり、EU各国の教育機関と視覚リハビリテーション施設の協力で実証実験が進められている。

ABBIの中核となるのが、手首や足首に装着し、手足の動きに応じてさまざまなサウンドを再生するオーディオブレスレット。これを被験者とその周囲の人々が身につけることで、他人の存在や位置、動きや仕草を聴覚を用いて感じ取ることができる。それは自分と他者の物理的な相関関係を脳内にイメージする助けになる。
「身体」を「音」に変換することで、視覚を用いずに他者と対話し、「空間」の概念を学習できるというわけだ。

たとえば今周りに誰がどのくらい離れているのかを感じたり、誰かが自分の前を横切って歩いた、目の前に座っている人が自分に手を差し出した、といった行動が音によって判断できる。複数の音色を選択可能なので、特定の人物の動きを追う、ということもできる。
他者の存在を認識し距離感を体得することは、特に産まれつき目が見えない子供達にとって「自分以外の世界」をイメージするために不可欠なスキルだろう。そしてそれに伴い、運動能力やコミュニケーション能力にも良い影響が期待できる。

ABBIシステムにはブレスレットとBluetoothで通信し、位置や移動距離を計測するユニットとシステムの効果を評価するアプリケーションが含まれている。ブレスレットの通信機能を応用し、ビーコンを用いた誘導や家電製品との連携、といった用途も考えられているようだ。

ジェノバの視覚リハビリテーションセンターInstituto David Chiossone Onlusで3カ月に渡り行われた実証実験では、ブレスレットを装着した9歳~18歳の子供達に、大幅な行動パフォーマンスの向上が見られたという。このデバイスは言語を必要としないため、より低年齢の子供でも効果が期待できると研究者は語っている。
この結果を受け、ABBIはリハビリテーション機器としてヨーロッパ市場で製品化が進められている。

Abbiは視覚障害者の教育を目的に開発されたものだが、日常的な補助デバイスとしても使えるような気がする。家族がこれを身につけることで見えない子供に安心感を与えられるだろうし、特にスポーツやパーティーといった多人数でわいわい楽しむ時、こういうアイテムがあればもっと自由に行動できそうだ。さっきまで隣で話してた人が、いつの間にか無言で移動していて会話が空振り、なんて恥ずかしいこともなくなるかもね。

見えない人は家族や友人の居場所や仕草をいつでも把握していたいし、見える人も自分の行動を見えない人に感じて欲しいはず(そうでもない?)。そういう意味で、Abbiは見える人と見えない人のコミュニケーションの幅を広げてくれるツールにもなりうるような気もしたりする。うん、妄想膨らませすぎかな。

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2019年3月11日月曜日

SXSW 2019で「BOSE AR」発表。AIRAとのコラボレーションで視覚障害者を支援。

BOSE Framesを身につけたAiraのディレクターGreg Stilson氏(画像引用元

音響ききメーカー大手・BOSE社が開発した「BOSE Frames」はサングラスと小型スピーカーが一体になったウェアラブルなサウンドデバイスだ。スマートフォンとBluetoothで接続し、音楽や通話を楽しむことができる。耳を塞がないリスニングスタイルも特徴的だ。
すでに米国では2019年1月から199.95ドルで販売されている。

しかしBOSE Framesは単なる「音の鳴るサングラス」ではない。
このデバイス最大の売りは「BOSE AR」と呼ばれる「音響を利用するAR(拡張現実)」プラットホームである。スマートフォンにBOSE ConnectアプリをインストールしてBOSE Framesをアップデートすることで、ヘルスケアやナビゲーション、ゲームといった音響ARを駆使した様々なサービスが利用できる「スマートグラス」に返信する。他のスマートグラスと異なるのは、映像を一切使わないという点だ。

しかし1月の発売時点ではまだBOSE ARは公開されておらず、しばらくは音楽をきいたり、通話や音声アシスタント機能しか使うことができなかった。

だが2019年3月10日、米国オースティンで開催されたSXSW 2019で、いよいよBOSE ARがお披露目された。そこでは数々のBOSE AR対応アプリが公開されたが、その中で筆者的に注目したのが「AIRA」との提携である。
「そうきたか」と感じたと同時に、ある意味納得の発表だ。

AIRAは北米を始め世界各地で視覚障害者を遠隔サポートするサービスを提供している。スマートフォンや専用のスマートグラスから送信された映像を元に、接続されたAIRAのエージェントが視覚障害者を音声でサポートする仕組みだ。個人契約の有料プランのほか、AIRAと提携した空港や商業施設などで無料で利用でき、そのエリアは拡大中である。

そのAIRAがBOSEと業務提携し、BOSE ARを通してサービスを提供することが発表された。AIRAのスマートグラスの代わりにBOSE Framesが使えるように鳴るというわけだ。
BOSE Framesにはカメラが搭載されていないため、スマホをくびから下げるなどどこかへ固定する必要はありそうだが、耳を塞がない構造上、エージェントからの音声を聞きながらでも安全に移動できるだろう。またBOSE Framesに搭載されている9軸指向性IMUセンサーを活用することで、ユーザーの位置や向いている方向を正確に把握できるように鳴るという。
AIRAの無料スポットではスマートフォン単体でサービスを利用しなければならなかったため、BOSE Framesが使えれば操作性は大幅に向上するし、AIRAのスマートグラスは価格やデザイン的に手が出なかったユーザーにも朗報かもしれない。

「BOSE Frames」が発表されたとき「スマートグラス的な製品でありながら映像を使わない」という野心的な特徴に、視覚障害を持つ筆者は「これぞ自分のためのデバイスだ」と思ったものだ。そしてその直感がこうして現実のものとなった事に感慨すら覚えてしまう。まあAIRAはまだ日本では利用できないんだけどね。
ただこのようなサービスが障害者専用の機器ではなく、メジャーな一般向けのデバイスで展開されたという点は色々な意味で注目に値するだろう。BOSE Framesが視覚障害者を支援することが実証されれば、BOSE ARを介して多種多様な支援アプリが登場するかもしれない。
日本上陸は一切未定だが、今後に期待が高まるニュースだ。

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2019年3月5日火曜日

視覚障害者の音楽活動を大きく前進させる「触覚バトン」。

触覚バトン(画像引用元

音楽は視覚に障害を持っていても楽しめる芸術だ。聴くだけでなく、カラオケや楽器演奏、作曲など、音楽を趣味として楽しむ視覚障害者は多い。もちろんプロの演奏家を目指す人々もいる。
だが音楽の世界においても、見えない・見えにくいことで発生する障壁は少なくない。
その一つが「指揮者の動きがわからない」ということ。オーケストラで演奏する場合、指揮者の動きが見えなければ、周囲の様子や脳内でカウントするなどしなければならず、大きな負担にもなり視覚障害者が一般のオーケストラに参加する大きな障壁となっていた。
指揮者が見えない演奏者が晴眼の演奏者に混じって、演奏の出だしのタイミングをどうやって掴めばいいのだろう? 素人目にもそれがとても困難なミッションであることが想像できる。

この現状を変えるべく英国で開発されたのが、指揮者の微妙な所作を演奏者に振動として伝える「触覚バトン(指揮棒)」だ。
ちなみに「指揮棒」は英語で「baton」。日本でよく用いられる「タクト」はドイツ語の「Taktstock」から由来している(まめちしき)。

この触覚バトンは、ロンドン在住のVahakn Matossian氏が設計し、プログラマーであるCharles Matthews氏らの協力によって開発された。彼の父親であるRolf Gehlhaar氏が2017年に製作した「Beat Buzz」と呼ばれる振動デバイスからインスピレーションを受け、より反応速度の高いプロダクトに仕上げられている。
オーケストラでの演奏では、ごくわずかのタイミングのずれも致命的となる。そのため指揮者の動きを遅延なしで伝送することが絶対条件だ。これをクリアするため、音響機器メーカーShure社のパーソナルワイヤレスモニターシステム「PSM900」が用いられた。この技術により演奏者が装着するウェアラブルデバイスに、実用的なレイテンシーで信号を伝送できるようになったという。
振動ウェアラブルデバイスは、視覚に障害を持つ演奏者の両腕もしくは両足首に装着され、受信した信号をもとに指揮者の動きの速度や方向、揺れなどの情報を、立体的に伝える。もちろん複数の演奏者に同時に伝送することも可能だ。
このシステムを用いたデモンストレーション演奏会もすでに開催されており、参加した視覚障害を持つ演奏者からも高い評価を得ているという。

触覚バトンは視覚に障害を持つ優秀な演奏家が、一般のオーケストラで活躍できる可能性を広げてくれるテクノロジーだ。才能を持ちながら目に障害があるということだけで音楽を諦めていた者に希望を与えるし、視覚障害者の文化活動も促進されるだろう。それはひいては音楽会全体の利益にも繋がるはずだ。

現在はまだ試作段階だが、2020年には販売若しくはレンタルという形で市場投入をめ座しているとMatossian氏は語っている。彼のWebでは「Human Instruments」のセクションで様々なプロジェクトを展開している。

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2018年12月13日木曜日

Orcam社の「Myme」は、人間関係をトラッキングする。


視覚障害者を強力にサポートする小型ウェアラブルAIデバイス「Myeye 2.0」で一躍世界の注目を集めたイスラエルのスタートアップOrcam社は、2018年12月12日、新製品「MyMe」のクラウドファンディングサイトKickstarterでの出資キャンペーンを開始した。

「OrCam MyMe」のターゲットは、日々多くの人々とコミュニケーションしているビジネスパーソンだ。会議や取引先とのミーティング、イベントやパーティーでは多くの人物と出会う。名刺やスマートフォンの連絡先を交換したとしても、しばらく会わなければ名前と顔を一致させるには相当の記憶力が必要だろう。「以前お会いしましたね?」と話しかけられ、記憶の糸を延々と手繰り寄せる気まずい時間を誰でも体験したことはあるはずだ。

役1,300万ピクセルの広角カメラを内蔵した親指ほどのこのデバイスは、スマートフォンやスマートウォッチとペアリングして使用する。これをシャツやネクタイなどに装着しておけば、およそ1秒に1枚程度の間隔で画像を解析し、顔認識技術で人物をリアルタイムで判別。認識された顔に名前を登録しておけば、以降その人物と会った時に通知してくれる。認識された人物には様々なタグを付与したり、連絡先との紐つけが可能だ。

Mymeは、ただ顔を認識するデバイスではない。その人と以前いつどこで会っているか、どのくらいの時間を過ごしているかをロギングしたり、グループ化して交友関係を定量化できるのが大きな特徴である。
フィットネストラッカーが健康状態を記録するように、Mymeは人間関係をトラッキングする。フィットネストラッカーが運動不足や睡眠時間をアドバイスするように、Mymeは、多忙であまりゆっくり過ごせていない家族との時間や疎遠になっている友人とのコンタクトをレコメンドしてくれるかもしれない。それを望むかどうかは別として。

Mymeではさらに、顔データにOCR(光学文字認識)で検出した名刺や名札の情報を関連づけたり、メモやSNS情報と結びつけることもできるようだ。「この人誰だっけ?」となかなか顔と名前が一致しない人には便利かもしれないが、面会した瞬間その人のTwitterやFacebookの投稿がポップアップするのは場合によっては気まずい空気になるかもしれない。

検出された顔データはローカルで処理されクラウドへは送信されない、鮮明な画像は残さないなど、プライバシーには配慮しているようだ。ただ、撮影される側としては勝手に顔を撮影され人間関係をトラッキングされるのは、抵抗感があるかもしれない。顔検出技術の応用として興味深い製品であることは間違いないが、賛否は大きく分かれそうだ。

ただ視覚障害者にとっては魅力的なデバイスであることは確か。Myeye 2.0の顔検出機能は認識した顔を登録しておけば名前を読み上げるというシンプルなものだったが、Mymeなら名前以外のさまざまな情報を紐つけることで、コミュニケーションを円滑かつ豊かにすることができそうだ。Orcam Myeyeを開発した同社だけに、アクセシビリティは問題ないはず。ああ、でもスクリーンリーダーで使う時はイヤホンが必須かもしれないなあ。

Orcam Mymemの予定価格は399ドル。現在Kickstarterキャンペーンで、半額の199ドルから出資可能。英語バージョンの出荷は2019年春頃に予定されている。公式ページではプロモーションムービーなども公開中。

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2018年11月22日木曜日

Orcam Myeye 2.0、Bluetoothとボイスコマンドに対応。


先日開催されたサイトワールドでの展示も大盛況だった、イスラエルのスタートアップOrcam社の視覚補助デバイス「MyEye 2.0」がアップデートされ、音声コマンドによる操作やBluetoothイヤホンなどに対応した。一部の新機能はテキスト読み上げ専用版「Myreader 2.0」でも利用可能。

このアップデートで、ジェスチャやタッチバーで行う「自国読み上げ」や音声スピードの調節などをボイスコマンドで実行できるようになる。
またBluetoothデバイスの接続に対応。従来は読み上げ音声は本体スピーカーから再生されていたが、Bluetoothイヤホンを接続すれば、外出先でも周囲を機にすることなく使用できる。遮音性の高いイヤホンを使えば騒音の大きな場所でもMyeye 2.0の音声が効きやすくなるだろう。
さらに、対応言語としてフランス語、スペイン語が追加される。

8月にはバーコード読み取りなど大幅な機能強化が行われたばかりだが、精力的なアップデートはユーザーにとっても朗報だ。サイトワールドで体験した時、スピーカーからの音声が聞き取りにくいと感じていたため、Bluetooth対応でかなり魅力アップ。Bluetoothモジュールが内蔵されていたとは知らなんだ。音声コマンドも、新聞や本を両手で持って読む時にハンズフリーで操作できて便利かもしれない。

myeye 2.0の従来からの主な機能は以下の通り。

・テキストの認識と読み上げ
・顔検出と人物認識。100人まで登録可能。
・バーコード認識。学習モード(150アイテム)。
・色と各国の紙幣のリアルタイム認識。
・日付と自国の読み上げ。
・ジェスチャ、本体タッチセンサーによる操作。
・全ての機能はオフラインで動作。
・Wi-Fi接続によるアップデート。

このアップデートは準備が出来次第、デバイスをWi-Fi接続したタイミングで自動的に提供される。

もう一つ、myeye関連のトピックス。
東京都渋谷区は、myeye 2.0を日常生活用具給付対象に決定したとのこと。条件が整えば、購入費用の一部が補助される。少しでも負担が軽減されるのは、このデバイスが必要な視覚障害者にとって悪いニュースではないだろう。それでもおいそれとは手が出ないお値段ではあるのだが。

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※ブログは一人で書いてるため、誤字脱字はご容赦ください。


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