インド国営銀行のマネージャーであるVijaykumar Kasivel氏の趣味は水泳だ。
彼は網膜色素変性症(RP)により9歳の頃から視力が落ち始め、22歳には全盲となった。3年前、彼が旅行先で訪れたコーブリー川で、泳ぐことの楽しさを発見したことをきっかけに、本格的に水泳を学ぶことにした。
だが彼が水泳を学び始めるのと同時に、大きな障壁に出会すことになった。
それは、コースに剃って真っ直ぐ泳ぐことが難しいということだ。メガ見えなければコースロープを確認することはできないし、音を頼りに壁までの距離を推測することも難しい。
彼の場合、常にコーチが付き添うことで外壁に衝突するようなことはなかったが、彼が英国を訪れた時、同じような悩みを抱える多くの視覚障害者と出会ったという。
水泳は、視覚障害者の間でも人気のあるスポーツだ。
パラリンピックに出場するレベルの選手であれば、練習の積み重ねによりコースを外れずに泳ぐことができると言われているが、大抵は晴眼者と共におよいだり、コースロープを手で辿りながら泳ぐことで安全を確保することが多いようだ。
だがこのような方法では「自由に、思い切り泳ぐ」という間隔を覚えるのは難しいのではないだろうか。
そこで彼は視覚障害者が独立し、安全に水泳を楽しむタネの方法を考え始めた。
大きなヒントとなったのは、彼が普段から使用しているSaksham社が開発した「スマート白杖」。これは超音波センサーにより障害物を検出し、振動で危険を知らせてくれる白杖である。
Vijaykumar氏は、これを応用し、水中で障害物を検知するデバイス「SwimBuddy(スイムバディ)」を考案した。
これを装着して泳ぐことにより、外壁や他の泳者に接近したことを振動で知らせるほか、コースを真っ直ぐ泳ぐ助けをしてくれるという。
「Swimbuddy」のアイデアは2019年の「Voice Vision Entrepreneurial Idea Award」を受賞した。
NGO Voice Visionの創設者Sushmeetha Bubna氏は、視覚に障害を持つ・持たないにかかわらず、水泳中は視界が制限される。このデバイスは水泳を楽しむあらゆる人々が、安全に泳ぐために役に立つだろうと述べている。
実際、水泳中の衝突で多くの人々が負傷しており、中には重い障害を残すケースもあるという。このようなデバイスが、障害者を支援するだけでなく水泳中の事故を防ぐ役にたつかもしれない。
Vijaykumar氏氏はSwimBuddyによって、視覚障害者が独立心と自信を持って水泳を楽しみ、技術を追求することを望んでいる。現在彼は、そのための技術的な支援を探しているとのことだ。。
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