2020年7月22日水曜日

[Mac] Voiceoverユーザーにも便利。テキスト編集を効率化するショートカットキー。


Macで長文のテキストを編集する場合、多くのユーザーはカーソルを移動させたり範囲選択をするのにマウスを使うことが多いのではないでしょうか。カーソルを文末に移動させるなら、画面をスクロールさせて文末をクリックすればそこからテキスト編集を続けられますし、文字列の選択もマウスポインタのドラッグで自由自在。
ですが画面を見ることができないVoiceoverユーザーは、そのような操作がとっても苦手です。基本的に操作はキーボードだけで行いますからね。実際、筆者はもう何年もマウスポインタを操作した記憶がありません。まあ見えないからどうにもならないわけですが。

でもマウスもタッチパッドも使わず、どうやってテキスト編集するの?
いちいち矢印キーを連打してるの?
ご安心あれ、便利なショートカットキーをマスターすれば、キーボードだけで効率的にテキストを編集することができるのです。これらのショートカットキーを覚えておけば、余分なキーストロークを省きストレスも軽減されるでしょう。

ということで、macOSで使える、主なテキスト編集関連のショートカットキーをご紹介しましょう。macOS 10.15.6のテキストエディット上で確認。Voiceoverユーザーはもちろん、画面が見えるユーザーも覚えておくと格段に効率アップするはずです多分。
なおこれらのショートカットキーの一部は、外部キーボードを接続したiPadでも使えます(ipadOS 13.6で確認)。

テキストカーソルの移動に関するショートカットキー


左右矢印 :カーソルを文字単位で移動。※Control FまたはBでも可。
上下矢印 :カーソルを行単位で移動。※Control PまたはNでも可。
Optionを押しながら左右矢印 :カーソルを単語単位で移動。

Command 左矢印 :カーソルを行の先頭に移動。※Control Aでも可。
Command 右矢印 :カーソルを行の末尾に移動。※Control Eでも可。

Command 上矢印 :カーソルを文書の先頭に移動。
Command 下矢印 :カーソルを文書の末尾に移動。
Option 上矢印 :カーソルを段落の先頭に移動。
Option 下矢印 :カーソルを段落の末尾に移動。

テキスト選択に関するショートカットキー


Shiftを押しながら左右矢印 :テキストを文字単位で選択。
Option、Shiftを押しながら左右矢印 :テキストを単語単位で選択。

Command Shift 左矢印 :行の先頭からカーソルまでの文字を選択。
Command Shift 右矢印 :カーソルから行の末尾までの文字を選択。
Command Shift 上矢印 :文書の先頭からカーソルまでの文字を選択。
Command Shift 下矢印 :カーソルから文書の末尾までの文字を選択。
Option Shift 上矢印 :段落の先頭からカーソルまでの文字を選択。
Option Shift 下矢印 :カーソルから段落の末尾までの文字を選択。

※選択されているテキストを音声で確認するには、以下のVoiceoverコマンドを使います。

VO W :選択範囲を読み上げる。
VO Wを2回 :選択範囲を1文字ずつ読み上げる。
VO Wを3回 :選択範囲のフォネティックスペリングを読み上げる。(英数のみ)

テキストの削除に関するショートカットキー


Delete :カーソル左の文字を削除。※Control Dでも可。
Option Delete :カーソル左の単語を削除。

Fn Delete :カーソル右の文字を削除。※Control Hでも可。
Fn Option Delete :カーソル右の単語を削除。

Control K :カーソルから行の末尾までを削除。
Control Y :Control Kで削除した文字をペースト。※ペーストボードには影響しない。

その他のショートカットキー


Control O :改行して1行追加する。
Control T :カーソルの左右文字列を入れ替える。



2020年7月20日月曜日

Twitter上の画像を解析し物体認識やテキスト抽出を行うBot「Image Description Bot」。


Twitterは先日、ツイートに添付した画像に代替テキスト(画像の説明文)を加える機能をデフォルト設定で利用できるように変更した。この機能が一般ユーザーの目に止まりやすくなることで直後はそこそこ話題になっていた雰囲気も感じられなくもなかったのだが、今のところさほど利用されているとは言い難いのが実情のようだ。この機能を定着させるにはまだまだ課題山積といったところだろう。

そんな今日この頃、Twitter画像の代替テキストをめぐる興味深いサービスを発見した。
Image Description Bot(@A11yImage)は、返信するだけでそのツイートの画像に含まれる物体を説明したり、テキストを抽出してくれるBotだ。

使い方は極めてシンプル。
解析したい画像が含まれるツイートに「#describeimage」をつけて返信するだけ。
するとしばらくしてImage Description Botから解析結果が返信される。写真に何が写っているか、簡単な説明が提供されるほか、テキストが含まれるイメージならそのテキストが抽出される。
さらに文字数制限を超えた場合に備え、外部リンクから解析内容を確認することもできる。視覚障害者でなくてもテキスト抽出ツールとして使えそうだ。
また解析リクエストをオープンにしたくない場合は、元ツイートに#describeimageを付けてImage Description Bot宛にダイレクトメッセージで共有する方法も用意されている。

実際にどのような感じなのか見てみよう。
例えば、ドジャースの投手David Price選手のこのツイート。
メッセージが画像に埋め込まれる形でツイートされているようだ。かなり拡散されているようだがスクリーンリーダーでは「画像」としか読み上げてくれないのでとても寂しい。


Image Description Botから返信された解析結果は以下のとおり。

Dear Dodgers Nation, After considerable thought and discussion with my family and the Dodgers, I have decided it is in the best interest of my health and my family's health for me to not play this season. I will miss my teammates and will be cheering for them throughout the season and on to a World Series victory. I'm sorry I won't be playing for you this year, but look forward to representing you next year. Stay safe, be well, and be kind. And Go Dodgers! Love, David Price 

この解析結果は返信に添付されているリンクからも確認することができる。
筆者は実際の画像を確認することはできないためどこまで正確に抽出されているかは判断することはできないのだが、彼からのメッセージは十分に伝わってきた。

長文のツイートを画像形式でアップする風習は相変わらず目立つ。ICTに熟達している視覚障害者であれば、Seeing AIやEnvisionなどの画像解析アプリを駆使したり、スクリーンリーダーJAWSやNVDAのOCR機能を用いて、画像からテキストを抽出することも可能だが、誰でも使えるというわけではない。
Image Description Botは、Twitterの画像をアクセシブルにする手段の一つとして可能性を持ったサービスといえる。解析結果が英語のみ、おそらくテキストの抽出も日本語には対応しなさそうだが、気になるツイートの画像に説明文がつけられていない時に使って見ると、何かしらのヒントは得られるだろう。

支援技術関連記事まとめ(2022年11月)※お知らせあり。

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