Beeping easter egg hunt(画像引用元)
春の訪れを象徴する行事「イースター」(復活祭)はキリスト教文化圏ではクリスマスと並ぶとても重要な行事の一つ。日本ではあまり知られていないのは、クリスマスやハロウィンのように日にちが決まっていない)春分の日を過ぎた最初の満月からすぐの日曜日)ということも影響しているのかもしれない。ちなみに2019年のイースターは4月21日。
子供達にとってイースターのお楽しみといえば、何と言っても「イースターエッグハント」だろう。家や教会、公園などで大人があちこちに隠した「イースターエッグ」を、みんなでわいわい探すゲームだ。見つけたイースターエッグの中にお菓子やおもちゃが入っていたり、イースターエッグと引き換えにお菓子がもらえるなど子供達にとってはテンション爆上がりなイベントである。
だが心身に何かしらの障害を持つ子供にとっては、通常のイースターエッグハントはちょっと難易度が高い場合が多い。車椅子では地面に近いイースターエッグを拾うのは無理だし、目が見えなければ隠されたイースターエッグを探すのに時間がかかってしまう。
でもご安心。そのような子供達のために、アクセシブルなイースターエッグハントが考案されている。例えばLifehackでは身体を自由に動かせない子供達のためのいくつかのアイデアを伝えている。
- イースターエッグに風船を結びつけて浮かせ、手に取りやすくする
- シールなどでイースターエッグを壁や家具に配置し、取りやすくする
- イースターエッグにマグネットを仕込んでマグネットでキャッチ
これらの方法では重さの関係上、中に入れるものに制約はできるものの、できるだけ多くの子供にイースターを単独でも自由に楽しめるよう、さまざまな工夫が考えられていることがわかる。
そしてやっぱり視覚障害当事者としてきになるのが、見えない子供達のために考案された「Beep Easter egg」、すなわち音で探せるイースターエッグだ。
またInternational Association of Bomb Technicians & Investigators(IABTI)がオリジナルのBeep Easter eggを視覚に障害を持つ子供達へ寄贈する活動を行なっていたり、ネットで公開されている作り方ガイドを元にボランティアが製作するケースも多いようだ。
基本的な構造はプラスチックの卵型容器に電池とスピーカー、オン/オフ用スイッチと非常にシンプルな作り。スイッチを入れると定期的に「ピーピー」と音が発信されるので、これを頼りに隠されたイースターエッグ探しが楽しめる。。
Beep Easter eggハントは特別支援学校などのイースターイベントで楽しまれる他、障害のない子供が目隠しをして視覚障害を持つ子供達と一緒に楽しむインクルーシブなイベントも開かれているという。
イースターのような伝統行事の良さは、老若男女が多少なりとも知識や経験を共有できているという点にある。障害者の社会参加を促す意味でも、伝統行事のアクセシビリティが確保されるのはとても意味のあることのように思える。共有されている範囲が広ければ広いほど、共感も得やすくなるはずだ。
そういえば日本の伝統行事でアクセシブルでないものってあるかな。エッグハントみたいなアクティビティ的な行事が咄嗟には思い浮かばないのだけど、お正月の書き初めとか、七夕の短冊を点字で書いたりするのもオツかもね。うん、ちょっと違うか。