2019年3月22日金曜日

Orcam MyEye 2の可能性を広げる?専用の連携アプリが登場。


イスラエルのスタートアップOrCam Technologiesは、同社が開発する視覚障害者向け人工視覚デバイス「MyEye 2」と接続してさまざまな機能が利用できるiPhone用アプリをリリースした

MyEye 2はメガネのテンプル(つる)に装着できる超小型のデバイス。カメラが捉えた映像をAIにより解析し、テキストや人物の顔、紙幣やバーコードなどを認識して音声で読み上げ、視覚障害者の「目の代わり」をしてくれる。すでに日本を含め世界各地で販売されており、視覚障害者の情報取得をサポートしている。
MyEye 2はネットワーク接続を必要とせず、本体側面のタッチセンサーとジェスチャ、音声コマンドで全ての機能がコントロールできるのが特徴だが、一部の設定など本体だけではやや面倒なオペレーションも存在していた。そこでOrcam社はユーザーの意見を取り入れ、このアプリをリリースしたという。

このアプリはBluetoothを用いてiPhoneとMyEye 2を接続し、音声のコントロールや設定変更などが行える。アナウンスされているのは以下の機能。

  • 読み上げのコントロール。一時停止、巻き戻し、早送りなどを行う。
  • 音量コントロール。読み上げの音量を調節する。
  • 設定変更。Wi-Fi接続などの設定を変更する。
  • 電池残量の確認。MyEye 2のバッテリー残量を確認する。
  • ヘルプ機能。MyEye 2の操作説明を参照したり公式サイトへアクセスする。
  • MyEye 2を探す。接続範囲であれば、見失ったMyEye 2をビープ音で探せる。

目玉機能は「探す」機能だろうか。確かにMyEye 2は小型なので、うっかり見失うと見つけるのに難儀しそうだ。
このアプリを利用するにはバージョン8.2.81以上のファームウェアを導入したOrCam MyEye 2とiOS 11以上を搭載したiPhoneが必要。現時点では英語のみのサポートだが、順次他言語やAndroidへの対応も進められるとのことだ。

筆者の妄想としてはMyEye 2で認識したテキストやバーコード情報をiPhoneに転送して保存・共有したり、人物認識機能と連絡先をリンクして「Orcam MyMe」のような使い方ができると便利そう、と思ったりする。スタンドアロン動作はMyEye 2の持ち味ではあるが、スマートフォンとリンクさせることでさらなる活用法が出てくるかもしれない。
筆者にとっては(価格的に)まだ高嶺の花なデバイスだが、視覚支援技術の先端を突っ走るOrcam社の動向からは今後も目が離せないといえよう。

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