近年ではニュースやブログでも、テキストの代わりに動画で情報を発信しているメディアが増えてきている。そしてこれらの動画のほとんどはYouTubeを利用している。一般ユーザーなら再生ボタンをクリックして即座に動画を再生できるのだが、マウスを使わないスクリーンリーダーユーザーは、いちいち再生ボタンを探して操作しなければならず面倒。そこで覚えておくと便利なのが、WebでYouTubeを視聴する時に使えるショートカットキーだ。
YouTube,com上の動画はもちろん、Webに埋め込まれた動画でも、プレイヤーにスクリーンリーダーのカーソルをフォーカスすることでショートカットキーを用いた動画のコントロールが可能になる。
ショートカットキーの詳細はYouTubeのヘルプページで解説されているが、筆者の独断による、これだけは覚えておくと便利なショートカットキーをご紹介。
- K:再生/一時停止
- J:少し巻き戻しする
- l:少し早送りする
- M:ミュートの切り替え
- 上下矢印:音量調節
加えて覚えておくと便利なショートカットキー。
- 数字の0:動画の先頭に移動
- 数字の1から9:動画の10%~90%の位置に移動
- Shift+ピリオド:再生速度を上げる
- Shift+カンマ:再生速度を下げる
ついでに、YouTubeのキャプション機能についてもご紹介。
筆者のように英語が苦手な人間にとって、日本語以外の動画の内容を理解するのは至難の技。英語なら再生速度を落とせば断片的に内容が入ってくることもあるが、そのほかの言語ともなるともうお手上げ。テキストの記事なら簡単に翻訳できるのにね。
そこで活用したいのがYouTubeのキャプション(字幕)機能。キャプションは聴覚のサポートが主な目的だが、スクリーンリーダーと併用することで副音声のようにも使うことができる(現時点でYouTubeは音声の切り替えには非対応)。
キャプションは翻訳することもできるので、外国語を日本語に翻訳して音声で聞くことも可能だ。
近年ではアクセシビリティ向上のため、あらかじめ手動のキャプションが用意されている動画が増えている。手動キャプションが含まれていない動画でもYouTubeの音声認識により自動的にキャプションが加えられている(アップロードされた時期などにより有効になっていないものもあるので注意)。
動画によっては微妙に手順が変わるが「設定」から字幕と翻訳を有効にする基本は同じ。設定する前に動画を一時停止しておこう。
- スクリーンリーダーのカーソルを動かして「設定」と読み上げたらReturnキーをおす。
- 上下矢印キーを押してキャプションの言語を選択しReturnキーをおす。「自動判別」とつけられた言語は音声認識でつけられたキャプションだ。もしここに日本語の主導キャプションが用意されていればそれを選択すればオーケー。
- 上下矢印キーを押して「自動翻訳」を選択してReturnキーをおす。さらに上下矢印キーで「日本語(一番下にある)」を選びReturnキーをおす。
- ESCキーを押して設定メニューを閉じる。
設定ができたら動画を再生してみよう。スクリーンリーダーが有効になっていれば、キャプションが音声で読み上げられる。キャプションの切り替えは「C」キーを用いる。
読み上げの音量はスクリーンリーダー側で調節。また「M」キーでミュートしてもキャプションの読み上げは行われるので、キャプションの聞き取りに集中したい場合はミュートした方がわかりやすい(場合もある)。
手動キャプションが用意されている動画であれば翻訳を使ってもそこそこ内容を理解できるが、自動判別の場合は内容によってはあまり役に立たないこともある。それでも断片的に翻訳されれば、多少は何かの手がかりになるかもしれない。音声認識の品質も日々向上しているようで、新しい動画ほど理解しやすくなっている気がする。
また字幕が含まれる動画をYouTube.comで開き、評価欄の「その他の操作」メニューの「文字起こしを開く」から字幕をテキスト形式で参照することも可能だ。これをまとめてコピーし、翻訳した方が効率的かもしれない。
また試してはいないが、日本語の自動キャプションとこの機能を使えば音声データの文字起こしにも使えるかも。YouTubeもどんどん進化しているなあ。
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