2022年3月15日から19日まで開催された題37回CSUN支援技術カンファレンスで気になったものなどのメモです。
1. Dot Pad by Dot Incorporation
BluetoothもしくはUSB-CでiPhone、iPadと接続し利用する点図/点字ディスプレイ。グラフィックス用として30x10セル、テキスト用として20x1セルの、リアルタイムでリフレッシュ可能な8点セルを備えています。iOSおよびipadOSのアクセシビリティAPIであるAxBrailleMapと連携し、Voiceoverが検出したイメージを点図としてグラフィックス領域へレンダリングします。テキスト情報はグラフィックスとは別にテキスト領域へ出力されます。
The Dot Pad: The Full Screen Tactile Display for the Blind - CSUN Conference 2022 Session Details
Dot Pad ― The first tactile graphics display for the visually impaired. (dotincorp.com)
Dot Pad Developer Center (dotincorp.com)
02. Graphiti Plus by Orbit Research
60×40、合計2,400の触角ピクセルを備えた点図ディスプレイ。リアルタイムにリフレッシュ可能なそれぞれの触角ピクセルの高さは調節可能でグラフィックスの微妙なトーンを触角として表現できます。スタンドアロンの点字メモ機として動作するほか、パソコンやスマートフォンなどと接続し対応するスクリーンリーダーと連携したり、HDMIで入力した映像を触覚グラフィックスへ変換することも可能です。タッチインターフェイスによりグラフィックスの描画などにも対応しているようです。
Graphiti Plus® – Interactive Tactile Graphics and Braille Computer – Orbit Research
03. Orbit Speak by Orbit Research
コンパクトな合成音声ベースの点字メモ機。パーキンススタイルの点字入力キーボードを備え、内蔵アプリケーションを用いたメモの読み書きに加え、パソコンやスマートフォンとの接続機能も持ちます。
Orbit Speak – Speech-based Braille Notetaker – Orbit Research
Orbit Research Introduces the Orbit Speak Notetaker – Orbit Research
04. Polly by American Printing House
Annie(過去記事)で知られるインドThinkerbell Labsと共同開発された点字学習デバイス。標準サイズの6つの点字セルと大きなサイズの2つの点字セル、そしてパーキンススタイルの点字入力キーボード、音声出力などを備え、ゲーム感覚で点字を学ぶことができます。
Polly: Gaming the Way to a Braille Display - CSUN Conference 2022 Session Details
Introducing Polly! | American Printing House (aph.org)
05. electronic braille-ready format(EBRF) by American Printing House
APHとHumanwareが共同で開発中の新しいファイルフォーマット。点図ディスプレイの登場を見据え、主に教育分野において触覚グラフィックスや複数行の点字表示を含んだインタラクティブな視覚障害者向け電子教科書の標準形式を目指しています。
Braille Dots Serving 21st Century Needs - CSUN Conference 2022 Session Details
Research in Braille and Tactile Graphics | National Network for Equitable Library Service (NNELS)
06. Versa Slate by Overflow Biz, Inc.
紙を使わない点字板。20セル×4列の点字セルを備えており、通常の点字板と同じ感覚で点字を打ち、ボタンのプッシュで簡単に消去することができます。点字の読み書き練習や一時的なメモなどでの活用が主な用途として考えられているようです。
07. Braille PAD by4Blind
1,850の触角ピクセルを搭載した、Linuxベースの8インチ触角タブレットです。フラッシュカードに保存された画像やテキストを点図および点字としてレンダリングするほか、内蔵されているカメラで撮影した写真を瞬時に触角グラフィックスへ変換します。
08. insideONE + by Insidevision Inc
Windows 11を搭載した点字タブレット。タッチパネルと32セルの点字ディスプレイを備えています。Windows 11で動作するデバイスとしては他にもElBrailleという点字メモ機もあるようです。
insidevision | Produits Braille
09. Bonocle by Bonocle Inc.
かなり前から話題になっていたBonocleが今春発売されるようです。これは単一の点字セルを備えたスマートフォン向け周辺機器で、バンドルされたアプリケーションと組み合わせて活用するようです。単一点字セルでどのような体験ができるのか興味津々です。
Explore Bonocle: One Braille Cell, Endless Functionalities - CSUN Conference 2022 Session Details
Bonocle – The Braille Entertainment Platform
10. Envision Glass by Envision
Envision Glass(過去記事)が大幅なアップデートを発表しました。OCRによるテキスト認識精度と文脈解釈によるドキュメント読み取りの向上、追加言語のサポート、Cash Readerとの提携による通過認識機能などが追加されています。またサードパーティー製アプリの組み込みが容易になり、例えばナビゲーションなどの用途への活用も検討されているようです。個人的にはnavilensが使えるようになって欲しいですね。
Updated Envision smart glasses add improved OCR, new languages, third-party app support | ZDNet
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