ドイツに拠点を置くスタートアップTAKTILESは、キールの美術館Kunsthalle zu Kielで開催されている特別展「Amazons of Pop!」に合わせ、展示作品の中から選ばれた8作品の触覚レプリカを制作し、同社が開発した「Tactile Color Compass(過去記事)」を用いた多感覚による芸術観賞会を実施しました。
展覧会を訪問した視覚障害者には、触覚作品のレプリカが収められた首掛けバッグが渡され、目の見える訪問者と一緒にレプリカに触れ、コミュニケーションをとりながら作品を鑑賞することができます。
触覚レプリカは指先で判別しやすいよう、両手のひらにおさまるサイズに縮小され、最大5色を表現したテクスチャとして再構成されています。また作品の輪郭や描かれているモチーフを説明する音声アナウンスも備えています。
2月20日2は3DプリントされたTactile Color Compassを使い、レプリカのテクスチャから色を読みとる方法を学ぶワークショップが開催されました。
Tactile Color Compassは手のひらサイズの丸い円盤上に、滑らかな面、粗い面、柔らかい面、硬い面、温かい面、冷たい面、尖った面、丸い面、水平な面、垂直な面といった色から想起されたさまざまなテクスチャを配置し、その手触りの違いで11種類の色を表現します。
参加者は触覚レプリカとカラーコンパスのテクスチャを触り比べながら、手触りだけで絵画作品の鮮やかな色彩をイメージし、触覚による絵画鑑賞の体験をより深めることができたとのことです。
この多感覚展示は見える、見えないにかかわらず多くの訪問者から高い評価を得ており、2022年3月6日まで開催されます。4月にはオーストリア、グラーツを巡回する予定で、さらに2022年秋にはドイツ、フレンスブルクで伝統的絵画の多感覚展示が行われる予定とのことです。
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