昨年末くらいから、海外のニュースメディアでちらほら見かけたロービジョンデバイス「Vision Buddy」について、ちょっと気になったので調べてみました。
これは頭に装着するタイプのゴーグル型のデジタル拡大鏡です。
ゴーグルの内側には液晶ディスプレイが内蔵されており、前面にはメガピクセルのカメラが備え付けられています。直販価格は2,995ドル。
搭載されている機能は以下の3つ。
- デジタル拡大鏡。ゴーグル前面のカメラで捉えた風景を、最大10倍まで拡大してみることができます。
- OCR。ゴーグル前面のカメラで書類を撮影し、OCR(光学式文字認識)によりテキストを抽出、音声で読み上げます(英語のみ)。処理はオフラインで実行されます。
- ビデオストリーミング。付属する専用のトランスミッターユニットにHDMI経由で映像を入力。テレビや映画をワイヤレスでストリーミングし、拡大して視聴することができます。
ワイヤレスで映像のストリーミングができること、ネットやスマートフォンとの接続など面倒なセットアップが不要で簡単に使い始められるというのがVision Buddyの特徴のようです。見え方にもよるとは思いますが、接近して視聴するよりも快適にテレビを楽しめるかもしれません。
ただいくらシンプルさが売りとはいえ、ロービジョン向けデバイスを謳う割には、(マニュアルを読む限り)映像補整機能が「ズームのみ」というのは、やや物足りない気が。
私がロービジョンだった頃を思い出してみると、眩しさが顕著だったためどんなにズームしようが画面に顔を貼り付けようが見えないものは見えませんでした。白黒反転とかコントラスト調整とかグレースケールあたりの映像補整ができないと厳しいというか、ユーザーを限定してしまうのでは?と感じます。
映像をストリーミングするゴーグルであればEPSONのMOVERIOなど、ずっと低価格で入手できるHMDデバイスがありますし。もちろんOCRとか操作の音声アナウンスとか特徴はあるのですが、さらに独自性という意味でも、もう少しロービジョンに特化した機能が欲しいところですし、対象ユーザーも広がるのではないかと思うのでした。
プラグ&プレイで使えるロービジョン向けストリーミンググラスというコンセプトはユニークで面白いだけにもったいないような気がします。しかも(おそらく)独自のホームファクタを設計しているようですし。アップデートで改良して欲しいですね。がんばって!~
参考:VisionBuddy | Vision Buddy - Television Watching for Visually Impaired
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