画像引用元:strawberryfieldliverpool.com
英国リバプールにあるStrawberry Fieldといえば、少年時代のジョン・レノンが遊び、1967年発表の楽曲「Strawberry Fields Forever」ゆかりの地として世界中のbートルズファンにはお馴染みの観光名所です。
かつては孤児院として運営されていたこの施設は現在、学習障害のある若者のためのトレーニングセンターとして活用されており、一般観光客には長い間開放されてきませんでした。そのためStrawberry Fieldを訪問したビートルズファンは閉ざされた赤い門の前で写真を撮ったり、隙間から中の様子を覗き込むことくらいしかできませんでした。
しかし2019年9月、この施設を運営・管理しているSalvation Armyの手によって、このメモリアルな施設の一部が整備され、一般に向けその門が開かれたのです。
参考:ジョン・レノンゆかりの地「ストロベリー・フィールズ」、一般公開 写真12枚 国際ニュース:AFPBB News
公開されたStrawberry Fieldのビジターセンターでは「Strawberry Fields Forever」やジョン・レノンに関連した様々な資料やインタラクティブなツアーが展示され、落ち着いた雰囲気を持つビクトリア朝の庭園やカフェでこの名曲にインスピレーションをあたえたかつての孤児院に想いを馳せることができます。入場チケットやショップからの収益は、現在も併設されている学習障害者施設のために使われるとのこと。
そして先日、この施設のアクセシビリティが大きく向上したという記事がでていました。
それによると、施設全体にわたり徹底したバリアフリーが整備され、完全な車椅子アクセスを確保。加えて、視覚に障害のあるビジターに向け、多言語に対応したオーディオガイドや触れて楽しめる展示、そして経験豊富なスタッフによるガイドツアーが提供されるとのことです(公式サイトの情報では日本語には未対応)。また全ての映像コンテンツには聴覚障害者に向けたキャプションが付けられました。
また「Strawberry Fieldは、より包括的な設備を備えるChanging Places Toiletsの認証を受けた最初のアミューズメント施設の一つでもあります。Salvation Armyは2022年を目標に、認知症や自閉スペクトラムのあるビジターに向けたサービスを追加し、より包括的な施設を目指していくとのことです。
解散から50年あまり。ビートルズファンも高齢化が進んでいるはずですから、このような取り組みは歓迎されるのでは無いでしょうか。
Salvation Armyが孤児院としてこの施設を受け継いでから80年以上。長い歴史を尊重しながら、アクセシビリティはアップデートし続けていくという姿勢は他の文化施設に対しても参考となるようにも思います。
そういえば「Strawberry Fields Forever」の歌詞にはこのような一節があります。
"Living is easy with eyes closed,
misunderstanding all you see."
見えないからこそ感じられるものが、ここにはあるのかもしれませんね。
参考:Strawberry Field leads the way in accessibility to all, with advanced features - The Guide Liverpool
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