世界保健機関(WHO)の報告によると、世界の少なくとも22億人が何らかの眼疾患を持っており、その半数近くが予防可能であるにもかかわらず放置された状態であると言われています。特に所得の低い地域ではそうでない地域と比べ視覚障害のリスクが4倍にも高まると推測されており、このような懸念に対処するためには、低コストなアイケアソリューションの開発と普及が喫緊の課題となっています。
2021年4月7日、SAMSUNGは古いスマートフォンを再利用するGalaxy Upcyclingプログラムの一環として、開発途上国へ低コストな眼検査ソリューションを提供する「eyelikeプラットホーム」をアジアおよびアフリカの4カ国へ拡充する取り組みを発表しました。
サムスンは2017年、、韓国の国際失明予防機関(IAPB)と延世大学保健システム(YUHS)と提携し、使われなくなったGalaxyスマートフォンと組み合わせ、眼疾患の高度な検査を行う医療機器「eyelike handheld fundus camera」を開発しました。
これはスマートフォンのカメラレンズ部分に装着し被検者の目を撮影するデバイス。撮影された画像は人工知能アルゴリズムによって解析され、、糖尿病性網膜症、緑内障、加齢黄斑変性症といった永続的な視覚障害の原因となる眼疾患の可能性を判断し、治療計画書を提案するアプリにキャプチャした患者データを接続します。
これにより高価な検査機器が導入できない地域においても、高度かつ低コストな検査環境が実現するとのことです。
プレスリリースによるとサムスンとパートナーは2018年以来、ベトナムで実証試験を実施。検査設備が整っていない農村部の19,000人以上に対し検査を行い目の健康維持に貢献したといいます。同社は2019年だけでも専門家に90台のeyelikeデバイスを提供しました。今回の発表は、この活動をインド、モロッコ、パプアニューギニアに拡大するものです。
また同社はGalaxy Upcyclingプログラムのヘルスケアへの活用として、子宮頸癌をスクリーニングするスマートフォンベースのポータブルcolposcopesを開発し、女性に向けて低コストかつ質の高い医療へのアクセスを高める取り組みも発表しました。
またヘルスケア分野以外でも、再利用されたGalaxyデバイスをスマート家電として活用する「Galaxy Upcycling at Home」のベータ版が4月21日に発表されています。
これらは医療アクセスが不足している地域へ低コストで革新的なソリューションを提供し世界的な医療格差を是正するとともに、廃棄スマートフォンを再利用することで地球環境への負荷を軽減するという、SAMSUNGのSDGsへの継続的なコミットメントの一部として取り組まれています。
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