Barbie Inspiring Women Helen Keller(画像引用元)
米Mattelは現地時間2021年5月18日、同社のコレクターズドールブランドであるBarbie Signatureの「Inspiring Women Series」の第12段として、盲ろうの活動家であり教育者、作家であるヘレン・ケラー(Helen Keller)をラインナップに加えたと発表しました。
同社が2018年から展開しているInspiring Women Seriesは、ロールモデルとして世界に大きな影響を与えた女性の功績にスポットライトを当て、ドールを通じ、多くの人々にその人物について学ぶきっかけを与えるものとして規格されました。今回加わったヘレン・ケラー以外のラインナップは以下の通りです。
- Amelia Earhart(飛行士)
- Billie Jean King(テニス選手)
- Eleanor Roosevelt(婦人活動家・作家)
- Ella Fitzgerald(ジャズシンガー)
- Florence Nightingale(看護師・統計学者)
- Frida Kahlo(画家)
- Katherine Johnson(数学家)
- Maya Angelou(活動家・詩人・俳優)
- Rosa Parks(公民権運動家)
- Sally Ride(宇宙飛行士)
- Susan B. Anthony(公民権運動家)
Helen Keller Dollの外見は、1900年代初頭、ケラーがラドクリフ大学の学生だった頃をイメージしてデザインされています。デザイナーであるCarlyle Nuera氏はその頃の彼女の写真を参考に、エドワード朝時代の女性のスタイルに関する研究と組み合わせ、落ち着いた配色のストライプ柄スカートと、袖とボディスにフリルレースのディテールが施されたブラウスをデザインしました。ドールフェイスもこの時代に似せて作られ、髪型は低い位置でお団子にし、カールを顔に沿わせたスタイルとなっています。
ドールにはアクセサリーとして表紙に点字があしらわれた本とドールスタンドが付属するほか、視覚障害者でも内容を理解できるよう、パッケージにも点字がつけられています。Mattelはこの製品をより正確にデザインするため、全米盲人連盟(NFB)と提携しました。
Barbie Inspiring Women Helen Keller Dollは、オンラインショップ、Barbie.comおよび米国の小売店などで、29.99ドルで販売中です。
参考:Helen Keller Joins the Barbie® Inspiring Women™ Series! - News - Mattel's Barbie Community
(5/27追記)
一部の障害者活動家から、このバービー人形について批判の声が挙がっているようです。
Disability Activists Slam Mattel's Helen Keller Barbie Doll (dailydot.com)
彼らは左右対照でデザインされている人形のフェイスが、片目が義眼だったケラーのありのままの姿を表現していないと指摘しています。障害者の負のイメージ(と健常者が考える)部分を覆い隠すことが、結果的に差別を助長することとなり、ロールモデルとしてのケラーの存在を軽視すると受け取られかねず、詰まるところこの製品は障害のない人々のためのものに過ぎない、と主張しています。
確かにケラーのバービー人形が、もし非対称の造形を実現していたとしたら、同じ状況に悩む子供たちに力を与えていたのかもしれません。
一方今回の人形はケラーが義眼となる以前の写真をもとにデザインされたものであるため、Mattel側に指摘されたような意識があったのかはわかりません。ただ同じ障害のある子供が手に取ることを想定していれば、もう少し配慮の余地はあったのかもしれませんね。
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