ディスレクシア(失読症)とは、学習障害(LD)の一つで文字を読むことが困難な状態を指す。
正常な視力があり文字をしっかり見ることができるにもかかわらず、何らかの原因で脳がそれを意味のある文字として認識しにくいという。そのはっきりとした原因はまだわかっていないが、一説には英語圏人口の10%ないし20%が程度の差はあれ失読症を持っているとも言われている。
特に学校に火曜子供にとって、ディスレクシアの影響は非常に深刻だ。一部ではデイジー教材や音声読み上げできるタブレット端末などを教育現場へ導入する動きもあるが、まだ一般的ではない。「見えにくい」障害故に、その支援は遅れがちだ。
2017年にフランスで行われた研究によると、マスターアイ(利き目)が明確でない場合にテキストを両眼で見ルト、過度な対称性により左右の映像が重なり文字の形が崩れたりぼやけることがわかった。これが読みにくさの一因であると考えられるという。
そしてCES 2020では、この研究結果を元に開発された、ディスレクシア向けの読書支援デバイスが、いくつか出展されていた。
読書環境を改善するLEDランプ「Lexilight」。
フランスのLexilife社が出展した「Lexilight」は、ディスレクシアの「読みにくさ」を軽減できるLEDランプだ。
このランプからは一定のリズムでパルス光線が照射され、脳が目からの文字情報を混乱しないように処理する助けをしてくれるという。ランプの照射レートはユーザーの状態に合わせてカスタマイズ可能だ。このランプの下で読書することにより文字のチラつきやぼやけが軽減し、読みやすくなるとのこと。
Lexilifeがディスレクシアの300人以上を対象に行った実証実験では、90%以上が読書能力の改善を感じたという。
Lexilightはフランスではすでに販売中。米国でも近々購入可能になるとのこと。
失読症の子供向けスマートグラス「Lexilens」。
フランスのAbeye社が開発している「Lexilens」は、ディスレクシアの子供向けのスマートグラス。軽量で処方レンズと合わせて利用でき、一度の充電で2日間利用可能という。
学校での利用が想定されており、使いやすさ、装着感にこだわっている。
Lexilensには電流によってレンズの色や透明度を変化させる高性能エレクトロクロミックレンズが内蔵されている。ユーザーの読みにくさに応じて、レンズを通過する光を素早く変調させることで、読みにくさを軽減させる仕組み。
このデバイスはCESイノベーション賞を受賞、2020年の第2四半期にリリース予定だ。
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