いきなりだが、いま筆者はとてもやる気がない。
原因はよくわかっている。
macOSをMojaveにアップデートしたためだ。
だって、まさか、OS標準のVoiceoverで日本語変換が使い物にならなくなるとは思いもしなかったのである。そりゃ、今までだって読みこぼしが酷いだの日本語のフォネティック読みしないとか不満はあったさ。毎年発表される新しいmacOSがリリースされるたびに、改善されているかドキドキしながらアップデートして、全然変わっておらず落胆もした。
でもまさか、使えなくなるとは思いもしなかった。
具体的に何が起こったかというと、変換候補が一切読み上げられなくなった。
「かな」キーで再変換してもダメ。どうも変換候補のポップアップをアプリケーションの新しいウィンドウと読み上げているようで、これはGoogle IMEと同じ現象のようだ。
インストールしたマシンがMacBook Pro Retina (Mid 2012)と古かったのが原因かもしれないし、クリーンインストールすればもしかしたらと思わなくもないが、とりあえずフィードバックを送り、次のOS Updateまで我慢して様子を見ることにしている。
ブログの原稿は、Windows 10とNVDAでしばらく書いているが、マシンのスペック的に劣るし、なにしろなれない環境に四苦八苦している。でもNVDAはちゃんとフォネティック読みしてくれるので偉い。
とにかく今回の件で、スクリーンリーダー使いにとって、アップデートは時に大きなダメージとなることを痛感した。
これまでもWindows 無償アップグレードにおいて一部のスクリーンリーダーが動かなくなったり、アプリをアップデートしたら全く使えなくなったという話を聞いてきたが、OSにビルトインされているスクリーンリーダーで不具合を起こすとなると、何を信じてよいやら、さっぱりわからなくなる。
いま考えうる対策としては、
・自動アップデートは使わない。
・大きなアップデートは不具合の情報が集まるまで実行しない。
・検証用に複数の環境を用意する
・いつでもロールバックできるようにする。
くらいだろうか。
ただiOSのように一度アップデートしてしまうと前のバージョンに戻すことができない場合もあるので、一層の慎重さが必要だろう。
筆者は仕事柄、つい癖でアップデートを実行してしまいがちだが、環境が乏しい現在、ちょっと考えざるを得ない心境である。
今まで何とかスクリーンリーダーで使えていたのは、実はただの偶然で、運が良かっただけだったのかもしれない。そう感じてしまうほど、アクセシビリティをめぐる現状は薄氷の上を歩くごとく危うい。
結局これも、かいはつしゃがチェックしていれば回避されるという至極当たり前の問題なのだが、いかにアプリケーション開発においてアクセシビリティが軽視されているかが見て取れる。
スクリーンリーダーでアプリが操作できないという現象は、晴眼者に置き換えれば「画面が表示されない」とか「ボタンがクリックできない」と同義。もしそんな不具合が発生したら、それこそ炎上ものではないか。
ではなぜアクセシビリティに配慮されない製品が蔓延するのか。
まあいろいろ思うところではある。
現状、スクリーンリーダー使いは自己防衛の意味でもアップデートには慎重にならざるを得ない。
アップデートはセキュリティや機能を強化してくれるもの、という常識は筆者には通用しないのである。
・・・と思ったら、こんなこともある。
うかうかアップデートもできない、こんな世の中は。
ポイ(ry
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