2018年8月26日日曜日

視覚障害者への情報伝達手段を整理してみる。



地域さが大きい情報保障


さて筆者は目下ライターとして社会復帰を目指してお勉強中。
(書ける媒体募集してます)

それと並行して、とある地域(居住地でない(での、視覚障害者の情報保障・ITリテラシー向上を目指すべく活動を(ゆっくりですが)開始しました。
スマホ勉強会などのイベントを計画しているのですが、それとともに、いかにして地域の情報を視覚障害者(手帳の有無にかかわらず)へ伝えるかが大きなテーマになっています。
障害者に対する施策は自治体で大きな隔たりがあり、情報保障もその例外ではありません。
筆者が現在住んでいる地域には市営の点字図書館が設置されており、広報はもちろん、地域のミニコミに至るまで音訳され、在住視覚障害者の手元に届きます。他にも代読サービスやパソコン・展示講座などのサービスも充実。
ところが今度お手伝いする地域は、隣市でありながら、そのようなサービスをほとんど受けられない。何を隠そう、現住所の前はそちらに居を構えていたので、その格差を身をもって感じたわけです。
無論、理想としてはどこに住んでいても同様のサービスが受けられるような広域サービスの仕組みが必要と思うのですが、何はともあれ現状できることを模索すべく、微力ながら活動を開始したというわけです。

てなことを踏まえ、今回はきそ調査のメモです。
地域の視覚障害者に情報を伝達する「手段」について、改めて整理します。
視覚障害者の「見えにくさ」は人によりさまざまですが、情報保障を考える場合、全盲の方を基準に考えなければなりません。そうなると、いわゆる「墨字」印刷は除外です。利用している情報端末やITスキルなどを考慮しつつ、どのようなメディアが適していルカを考えて見ました。


1.メディアを郵送する


パソコンなどの情報端末を利用していない、インターネット環境を持たない、またメールの読み上げができない携帯電話を使っている要支援者へ情報を提供するには、郵便を用いるのが一般的と言えます。長く利用されているメディアであるため、高齢者にも受け入れられやすいメリットがあります。反面、点訳・音訳といった作業が加わるため、どうしても情報の新鮮さが若干落ちるのは致し方ないところ。
また、どのように個人情報を集めるのかなど、周知面でハードルの高さが予想されます。
さらに点訳・音訳・郵送など、情報提供側のコストも考慮する必要があります。

1-1.点字
情報を点訳し、郵送する形式。
ただ中途視覚障害者は、多くが点字を読むことができないため、ニーズは少ない傾向にあります。
郵便物やCDケースを判別するため、点字を用いるのは効果的です。

1-2.オーディオCD/デイジーCD
情報を音訳し、オーディオCD、もしくはデイジーCDで配布する形式です。
オーディオCDは音楽CDを再生できる機器があれば利用できるため、本記事で挙げたメディアの中ではもっとも手軽に再生できる形式と言えます。デージーCDは、専用端末「プレクストーク」シリーズか、パソコン・スマートフォンのアプリを用いて再生します。デイジーは目次から簡単に内容を聞けたり、再生スピードの調整ができるのが大きな魅力。
同じ録音データから、オーディオ/デイジーCDを作成できるため、リクエストに応じて製作枚数を決めます。

1-3.SPコード(音声コード)
専用機器やスマートフォンのアプリでバーコードをスキャンすると、テキストを読み上げるシステム。ただ、個人的にはコード自体あまり見かけません。
収録できる文字数(800文字)も、広報などの配布には少ない印象。


2.インターネットで情報提供


すでにパソコンでメールを利用していたり、スマートフォンやタブレット、音声読み上げできる携帯電話を利用している要支援者に対しては、メールなどを用いた情報提供が可能です。受診した情報は、それぞれの端末で音声読み上げ(スクリーンリーダー)を利用して読むことになります。
この方法のメリットは、情報提供側の負担が少ないという点が大きいでしょう。反面、受信者側のITスキルがある程度必要になるため、そのあたりのフォローが必要かもしれません。また郵送と同様、いかに周知させるかという課題は残ります。
将来的にはメッセージの既読ステータスやGPSなどを用いた見守りサービスのような展開も面白いかもしれません。

2-1.テキスト形式メール
一部のガラケーのメール機能やショートメールを用いる場合は、プレーンなテキスト形式でメール送信する必要があります。あまり内容が多いと、読むのが大変かもしれません。

2-2.HTML形式メール
パソコンやスマホ、タブレット宛のメールであれば、見出しタグを付加したHTML形式で送信することで、情報のアクセシビリティが工場します。テキスト形式と同じように順番に読むこともできますが、見出しジャンプ機能を覚えれば、必要な情報を見つけやすくなります。

2-3.Web
メールでは送信できない、ビデオや大きな写真、PDFファイルなどを配布する場合は、メールからWebへ誘導する方法が考えられます。
ただ、一部のガラケーなどでは対応できない可能性があります。


3.その他(放送、電話)


ある程度の設備が必要であるためあまり現実的ではありませんが、コミュニティFMなどで情報を提供したり、自動応答の電話サービスで情報を発信する方法も考えられます。特にラジオ放送は、世界各地で実施例が多く見られますが、近年はWebへの移行が進んでいるようです。
デメリットとしては、ラジオ放送は、放送時間帯に受診しなければならない「時間的な縛り」が避けられない、電話サービスは通話料金が発生するうえ、意識的に電話を掛けなければ情報にたどり着けない(プル型)のため、隔日制にかけるといえます。
反面、周知すれば不特定多数の要支援者からアクセスが期待できます。住所やメールアドレスを積極的に登録しないような、潜在的な要支援者の掘り起こしができるメディアかもしれません。


ひとまず、まとめ


という感じで、ざっくりまとめて見ました。
現状では、多くの地域でオーディオ・デイジーCDでの情報提供が中心となっている印象ですが、情報提供のスピードや人手不足などを考慮すると、今後はインターネットも積極的に利用されるべきではないかと考えます。
とはいえ、やはりCDでの情報伝達はしばらくなくならないのかな?

今回は結論は出さずです。

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