Travel Handsは、外出したい視覚障害者とボランティアのガイドヘルパーをマッチングするスマートフォンベースの移動支援サービスです。近日の正式サービス開始に向け、現在ロンドンでベータ版サービスが提供されています。
正式サービスではTravel Handsに登録した視覚障害者はスマートフォンの位置情報を元に近くにいるボランティアを検索し、誘導を依頼することができます。いわば「ガイドヘルパー版Uber」的なサービスですね。がっつり長時間歩くのはもちろんのこと、駅やバス停から目的地までといった短距離での利用も想定されています。
現在設定されている視覚障害者側の利用料金は、3時間/3ポンドもしくは5ポンド/24時間の従量課金制、もしくは月額15ポンドで無制限のプランも用意されています。
またボランティアは全員、DBS(Disclosure and Barring Service)による犯罪歴の調査と、ガイドヘルパーのベストプラクティスに関するトレーニングを受けます。ボランティアに対するインセンティブとしては、ガイドした時間・距離に応じポイントが付与され、ネットショップや外食チェーンなどで利用できるような仕組みなどが検討されているとのこと。あくまでもガイドを担うのは資格を持ったプロフェッショナルではなく一般のボランティアである点は日本のガイドヘルパー制度とは大きく異なります。
Travel Handsを開発しているのはロンドンに拠点を置くスタートアップVIP World Services。先日行われた実証実験の成功を受け、近日にもスマートフォンアプリをリリースし、ロンドン市内エリアを皮切りに英国の主要都市を対象とした正式サービスを開始する予定です。
現在電話予約によるベータ版サービスを行っており、早期登録者にはガイドヘルパーと視覚障害者を繋ぐハーネス「Ramble Tag」がプレゼントされるとのこと。
従来の一般的なヘルパー制度では事前にガイドを依頼したい日時を予約しなければならず「今日は天気が良いから」的な衝動的なお出かけや、外出中に思いがけず迷ってしまったようなシチュエーションでは利用できません。リアルタイムにマッチングを行うTravel Handsのようなサービスは視覚障害者の外出の自由を大きく向上させる可能性を持っていると言えるでしょう。
ただこのようなサービスは、利用したくても近くにボランティアが見つからなければ意味がありません。特にTravel Handsは移動の「隙間」を埋めることを主な目的としているため、歩きたい時間よりも待ち時間が長いようでは利便性が大きく損なわれるでしょう。いかにしてボランティアを増やし利用者数とのバランスを保つのかが、このサービスの成功の鍵を握っているように思います。
参考:Meet the start-up helping Visually Impaired People keep up active travel - Sport Tech Hub
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