「Novak Card Reader」は、視覚障害者が単独でトランプカードを判別するための小型軽量のデバイスです。イリノイ州ジャスティス出身の非公表の発明家によって考案されたこのアイデアは、InventHelp platformを通じて公開されました。
このデバイスの機能はシンプル。組み込まれたカメラが手持ちのカードを撮影し、画像認識を用いてカードの数字とマークを判別、その結果をBluetoothイヤホンを通じて装着者へ伝達します。見えない、見えにくい人でも誰の助けを借りることなく、音声で手持ちのカードを判別することができるというわけです。
Novak Card Readerは現在特許承認待ちという状況ですが、発明者はメーカーやマーケティング会社へ対するライセンス販売は既に可能であると述べています。
ただよく考えてみると視覚障害者向けには、普通に点字付きカードが販売されています。点字が読めない視覚障害者は多いとは言え、トランプの判別くらいなら少し練習すれば難しくはないでしょう。ではなぜこのようなデバイスが必要なのでしょうか?
どうやらNovak Card Readerは、カジノでの利用を主な目的としているようなのです。
現在ほとんどのカジノでは点字付きのカードは導入されておらず、客によるカードの持ち込みも一切禁止されているとのこと。まあ不正行為と戦ってきた長い歴史を持つカジノですから、カードの扱いに厳密なルールがあるのも理解できます。
そこで視覚障害者でもカジノでカードが楽しめるよう、Novak Card Readerが考案されたということのようです。
ただそんなセキュリティに縛られまくった空間でこのようなデバイスが受け入れられるのか、甚だ疑問です。悪用しようとすればディーラーの瞳に写ったカードを判別できるよう改造することくらい可能でしょう。席に着いてこんな機械を堂々と取り出したら秒で奥の部屋へ連行されそうです。カジノに点字カードを導入するよう交渉する方が早いしシンプルではないのかなと思ってしまうのは身も蓋もないでしょうか。
アイデアは面白いのですが使う立場で考えてみると現実味に乏しい技術、たまに出くわします(まあまんまと興味持っちゃうんですけど)。障害当事者にとって現実的に役立つソリューションとは何かを考えさせられる話題でした。
参考:Inventor Makes it Possible for the Blind to "Read" Playing Cards - GamblingNews
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