米国マクドナルドは2021年9月9日、、支援技術ディベロッパーであるVispero社とと提携し、同社が運営する直営店およびフランチャイズ店舗に設置されているキオスク端末に対し「JAWS Kiosk」テクノロジーを採用したことを発表しました。
なおここで言うキオスクとは駅の売店のことではなく、商業施設やコンビニなどに設置されている、おもにタッチパネルで操作し情報やサービスを提供する情報端末のことを指します。
米国をはじめ海外のマクドナルドでは、注文から支払いまでをセルフで行えるキオスク端末が広く普及しており、設置される店舗はCovid-19感染拡大の影響で急激に増えています。中には有人のレジが一切設置されていない店舗もあるとのこと。
マクドナルドに限らず、人手不足や感染症対策によりサービスが無人化されるのは致し方のない流れではあります。しかし有人サービスから置き換えられた情報端末の多くには、目の見えない・見えにくい人々は全くアクセスすることができません。
サービスの無人化の中でアクセシビリティが無視され障害のある人々が排除されるような状況が加速されつつあるのです。
JAWS Kioskは視覚障害者などに向け、Vispero傘下のTPGi社が開発する、JAWSスクリーンリーダーなど同社が持つ技術を統合したアクセシブルなキオスク・ソリューションです。(動画:Jaws Kiosk - YouTube)
目の見えない・見えにくい顧客はJAWS Kiosk端末に用意されたオーディオジャックにヘッドホンを接続することで音声によるナビゲーションを開始できます。あとはテンキーや矢印キーを用いて画面上の情報を音声で確認しながら、誰の助けも借りることなく端末の操作を完了することができるようになります。またロービジョン向けには、画面の拡大やコントラスト強調などの機能も提供されます。
マクドナルドの新しいキオスク端末が実際にどのようなインターフェイスや機能を持っているのかは現時点で明らかではありませんが、世界屈指の外食チェーンがJAWS Kioskを採用したことで、キオスク端末のアクセシビリティに注目が集まることは間違い無いでしょう。
加速するサービスの無人化に不安を抱く視覚障害者にとってこのニュースはちょっとだけ明るい未来を感じさせるものであるように思いました。
ちなみに日本のマクドナルドは公式アプリがVoiceoverで操作できなかったり公式サイトのアクセシビリティが不足しているなど、視覚障害者に対してはあまり優しくないという印象です。お店では親切にアテンドしてくれることも多いのですが(そうでない時もある)、周辺のサービスについても海外のようにアクセシブルにしていただきたいところですね。
あ、月見パイ食べましたけど美味しかったですよ。
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