Ubisoftは積極的にアクセシビリティ向上に取り組んでいるゲームメーカーの一つ。
同社はこれまでもいくつかのゲーム予告編ムービーに、視覚障害者へ向けた音声解説を加えている。しかしそれはあくまでも通常の予告ムービーとは別に音声解説付きのバージョンを制作したものに過ぎなかった。
だがゲームアクセシビリティスペシャリストであるIan Hamilton氏のツイートによると、2020年9月29日に公開された「Assassin's Creed Valhalla Story」の予告ムービーは、これまでとは少し様子が違っているのだという。
Assassin’s Creed Valhalla: Story Trailer | Ubisoft [NA] - YouTube
このムービーを開き、YouTubeプレーヤーの「設定」を開いてみよう。
そのメニューの中に「音声トラック」という項目があることに気が付くはずだ。
そう、いつの間にかYouTubeは音声切り替えに対応していたらしい。
このムービーでは「英語(解説)」と「英語(オリジナル)」という二種類のトラックから音声を選択することができる。「解説」を選択すると画面に何が映っているかを説明するナレーションが加えられた音声に切り替わる。
テレビやDVDソフトでは当たり前の機能なのだが、ようやくYouTubeで音声切り替えができるようになったのだ。これは嬉しい。
YouTubeにはアクセシビリティ機能として既に自動書き起こしに対応したマルチ字幕が提供されている。しかしこと音声に関してはこれまで一つのトラックしか扱うことができず、複数の音声トラックを含んだコンテンツを公開することはできなかった。
音声切り替えに対応したことで、視覚障害者向けの音声解説はもちろん、多言語音声やオーディオコメンタリーなどを含むコンテンツも提供できるようになると考えられる。まだ現実的ではないが、将来的に自動書き起こし字幕のようなAIを用いた自動音声解説なんてのも実現するかもしれない。
対応するトラック数は? オーサリングツールへの対応は? そもそも今後広く公開されるの? などまだ不明な点は多いが、YouTubeのアクセシビリティを大きく向上させる機能であることは間違いないだろう。
ひとつでも多く、視覚障害者でも楽しめる作品が増えることを望みたい。
参考:Assassin's Creed Valhalla Trailer Debuts New YouTube Accessibility Tools - GameSpot
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