米国のゲーム情報サイトGamesRadar+によると、ソニーインタラクティブエンタテインメントは、ゲームコントローラーに取り付ける触覚フィードバックデバイスに関する新しい特許を申請した。このアイデアが実現すれば、視覚に思い障害を持つプレイヤーが、複雑なゲームを単独で楽しめるようになるかもしれない。
特許の詳細ドキュメントで示された図面によれば、丸みを帯びたエッジを持つ長方形のパッドをコントローラーに接続し、パッドに搭載されたピンの上げ下げと新藤機能を組み合わせることで、プレイヤーに新しい触覚フィードバックを提供するという。
触覚パッドは通常Dual Shockの標準タッチパッドに取り付け、親指で情報を受け取る仕組みだが、任意の位置に取り付け別の指を用いて利用することも可能なようだ。またこのパッドにはタッチ入力センサーや物理ボタンが搭載され、テキストの制御などを行う。
この特許の主な目的は、資格に障害を持つプレイヤーのアクセシビリティ向上とのこと。
画面が見えにくいプレイヤーに対しては、テキスト読み上げなど音声による追加フィードバックを中心としたアクセシビリティ機能の提供が考えられてきたが、画面上に複数の文字要素が重なったり、ステータスなどリアルタイム性の高い情報の伝達には不向きだ。
また視野が極端に狭かったり視力が弱いプレイヤーは画面ズーム機能を用いて細かいテキストを読むことが多いが、画面を拡大してしまうと他の部分に表示されている重要な情報を見逃してしまうこともある。
この特許のような触覚パッドを用いれば、そのような混乱しやすい情報を点字として提供でき、音声や振動と併用することで資格に頼れないプレイヤーに対してより多くの情報を伝えることができる。
またこの特許では、点字だけでなくアイコンやシンボルなどのグラフィックをピンで表現する用途にも言及されている。例えば体力ゲージや武器の残弾数をピンで表示するなど、使い方によっては点字が読めないプレイヤーにも恩恵があるかもしれない。点字を用いた新しいゲームデザインも考えられそうだ。
このようなゲームコントローラーに触覚フィードバックを加える技術については2019年5月、Microsoftも同様の特許を申請している。
現状、点字表示機構をゲーム周辺機器に搭載するにはコストがあまりにも高いため、すぐに製品かされる可能性は低いだろう。だがアクセシビリティ向上の取り組みとして、このようなアイデアが複数のメーカーから出現したことは興味深い。どうせならメーカーの垣根を超えて研究してくれないものか。
ゲームのアクセシビリティに関しては、運動障害や色覚障害、聴覚障害プレイヤーに対する対応は少しずつではあるが進んでいる。だが重度視覚障害者はその流れから取り残されているのが事実だ。現状、一般向けのゲームで資格を用いずにスムーズにプレイできる作品はほとんど存在しない。それは目が見えない者はゲームをしないという偏見がゲーム業界に蔓延している証拠だろう。このような特許をきっかけに、そのようなユーザーにゲームの世界が開かれることを望みたい。
とにかく、この特許のようなハードウェアとともに、音声読み上げなどソフトウェアからのアプローチも進めてほしいものだ。
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