「Wayband」:視覚障害者を触覚でナビゲートするリストバンド。
ニューヨークを拠点とするスタートアップWearWorks社が開発したウェアラブルデバイス「Wayband」は、視覚障害者を振動でナビゲートするスマートリストバンドだ。
Waybandの使い方はとてもシンプル。デバイスとスマートフォンをペアリングしたら、専用アプリを用いて目的地を設定。アプリは目的地までのルートを作成してナビゲーションを開始する。ユーザーが歩行中にルートから外れると、リストバンドが振動して通知してくれる仕組みだ。
特許技術「Haptic Corridor」テクノロジーを搭載したこのデバイスは、類似の製品よりも性格で直感的なエクスペリエンスを提供する、と同社は語っている。2017年にはWaybandを装着した視覚障害を持つランナーが、NYCマラソンを単独で走破したという。
またデザイン性の高さもWaybandの特徴。ブラックのリストバンドにグリーンのストラップをあしらったWaybandは、ドイツでBauhas賞とWear Sustain賞を受賞している。
支援デバイスといえば見た目は二の次、というイメージが強いが、これなら街歩きでも気兼ねなく装着してお出かけできるかもしれない。
Waybandは2020年2月22日、Kickstarterから購入可能になる予定。価格は249ドルだが、早期購入なら180ドルで入手できる。なお日本で使えるかは不明。
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「Chord Assist」:アクセシブルなギター。
「Chord Assist」は、Google Developer ExpertであるJoe Birch氏によって開発された、視覚・聴覚に障害があってもコードを学ぶことができるスマートギターだ。開発にはGoogle Homeの開発者プラットフォーム「Actions on Google」が用いられている。
ギター愛好家である開発者が、障害を持つ人々がギターを手軽に学べる機会が少ないことをシリ、Chord Assistの開発を思いついたという。彼は2017年に「BrailleBox」と呼ばれる点字電子書籍リーダーも開発している。
彼は中古のアコースティックギターを入手し、それをベースにRaspberry Piと音声入力のためのマイクとスピーカーや小型の液晶ディスプレイ、触覚マーカーなどを取り付け、Chord Assistを完成させた。
演奏者はGoogle Assistantを用いてデバイスの機能をコントロールしながら、さまざまな方法でギターのコードを学び、チューニングをおこない、演奏を楽しむことができる。
視覚障害者むけには点字ディスプレイでコードや譜面の情報を触覚で取得でき、聴覚障害者にはボタンとセグメント表示を用いて学習するコードを指定したり、ディスプレイによる情報表、振動によるフィードバックなどで演奏をサポートしてくれる。
障害者がギターを学び始める場合、これまではどうしても健常者の助けを借りる必要があったが、このデバイスはそのハードルを大きく下げてくれるかもしれない。
Chord Assistは商品化される予定はないが、開発者のWebページから必要な部品のリストや回路図などの情報が入手できる。製作費はおよそ300ポンドとのことだ。
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「Galidog」:革新的な盲導犬ハーネス。
誤解している方も少なく無いと思うが、盲導犬は視覚障害者の「案内役」ではない。障害物や階段など、危険な場所を避けたり、ユーザーに注意を促すというのが主な仕事だ。歩行ルートの決定や信号機の判断などはユーザーが行わなければならない。そのため盲導犬と歩いていても、慣れない場所では道に迷ってしまうことも少なくない。
フランス、Roncq(Nordの盲導犬協会が主体となって、2017年から開発が進められている「Galidog」は、盲導犬とユーザーを振動と音声でナビゲートするスマートハーネスだ。ちなみにGalidogという名前は測位衛星「Galileo」から採られているとのこと。
Galidogとスマートフォンをペアリングし、ナビゲーションを開始すれば、進むべき方向をハーネスの振動と骨伝導ヘッドホンへの音声でフィードバックする仕組み。ハーネスに振動を感じたら盲導犬に指示を出せば目的地へ辿り着ける、という塩梅だ。
これを用いれば、みちに迷うことも少なくなるし、慣れていない場所へも気軽に出かけることができるようになるだろう。安全の確保は盲導犬、道案内はGalidogが担当してくれるので、ユーザーの精神的・体力的な負担も大幅に軽減されるはずだ。
Galidogは現在開発中。ハーネスの振動に対応するよう、盲導犬のトレーニングも必要となる。2020年には最初のGalidog盲導犬がデビューする予定とのことだ。
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