2019年7月7日日曜日

[粗訳] ソーシャルメディアのアクセシビリティの貧弱さを、Facebookの障害が思い出させた。


※先日こんなエントリーを書いたらその直後に「Facebook's Image Outage Reminds Us How Bad Social Media Accessibility Really Is」という記事が入ってきましたので、ザックり翻訳しました。

[粗訳] ソーシャルメディアのアクセシビリティの貧弱さを、Facebookの障害が思い出させた。

By Kalev Leetaru

今週、Facebookが画像に関する障害を起こしたことで、現代のビジュアル至上主義のソーシャルウェブにおけるアクセシビリティの問題が明らかにされた。現在のほとんどの主要なソーシャルメディアプラットフォームでは、ユーザーが画像やビデオの代替テキストを加える機能が提供されているが、画像にアクセシブルなテキスト記述を書くために時間を費やすユーザーはほとんどいない。代わりに、ソーシャル・プラットフォーム上の多くの代替テキストは、画像から抽出された一般的なトピックやアクティビティのタグが含まれたデータセットをもとにディープ・ラーニング・アルゴリズムによって自動的に生成されている。現在これらのラベルの品質は非常に貧弱だが、政府のWebコンテンツに厳しいアクセシビリティ基準を長年適用してきた米国政府でさえ、ソーシャル・コンテンツについてはアクセシビリティを求めてい無い。政府や技術コミュニティはAIバイアスに多大な投資をしている一方、アクセシビリティバイアスにはほとんど興味を示さ無い。障害者は、このままWebの未来から取り残されてしまうのだろうか。

今週、FacebookとInstagramのユーザーは、自分の画像が表示されるべき部分に、Facebookのアルゴリズムがその画像をどのように解釈したかを示す恐ろしくひどい説明的な代替テキストを目にした。
悲しいことに、これは視覚に障害を持つ人々が毎日経験している世界だ。

テキストだけが頼りのスクリーンリーダーを使用してWebにアクセスする場合は、ALTタグによって提供される画像の説明テキスト記述(代替テキスト)に依存しなければならない。
残念なことに、FacebookやInstagramのユーザーの中に、自分の画像にこのような説明をわざわざ入力する人はほとんどいないだろう。どちらのサイトでも、障害者のために、スクリーンリーダーが読む各画像のテキスト説明を入力することが可能になっているが、実際に入力するユーザーはほとんどいない。アクセシビリティと橋渡しの分野でキャリアを積んできた政策立案者でさえ、自らの実績の拡散を追い求めるのに忙しいらしく、スクリーンリーダーを利用している有権者のために、自分のソーシャルメディアのストリームをアクセス可能にすることに無頓着だ。実際、政府は彼らにそのような配慮を求めてはいない。

その代わり、最近のソーシャルメディア上の代替テキストの大部分は、画像に含まれている共通のオブジェクトやアクティビティを解析したメタデータタグを生成する、ディープラーニングのアルゴリズムによって自動的に生成されている。認識されるのは、モデルがすでにトレーニングされている物体のみだ。

だがその精度は極めて悪い。商用の世界で使用されている最先端の画像認識技術とは異なり、現時点でソーシャルメディアサイトによって展開されているモデルは、表現の豊かさや正確さよりも、処理速度を優先して最適化されているようだ。

しかし、大多数のWebユーザーは、このエラーを見ることはない。一般的なソーシャルメディアユーザーは、ウェブの代替テキストを見ることなく、現代の高解像度画像の美しく鮮やかな世界にうっとり気分だ。

今週初めに起きた障害で、ジャーナリストや専門家はALTタグの実際の貧弱さに初めて気がつき、その結果かなりのメディア報道につながった。
しかし残念なことに、これらの記事のほとんどは今回のトラブルを嘆き、特に貧弱なALTタグについて冗談を言い、ほとんどのユーザーが代替テキストに頼る必要がないことに胸をなで下ろしている。

だがしかし、スクリーンリーダーに依存している人にとって、これらのタグはウェブの画像を見るための方法である。
彼らにとって、一連のALTタグのひどい品質はジョークではない。ますます進むソーシャルプラットホームのビジュアル化は、彼らの能力を大きく制限している。

これらを総合すると、社会全体がAIバイアスに注目する中、アクセシビリティバイアスにはほとんど注意が払われていない。誰もが感じているアルゴリズム的バイアスの影響とは異なり、アクセシビリティバイアスは平均的なWebユーザーには見えない。最も簡単な修正方法は、ユーザーが投稿する画像の説明を入力することだが、受け入れるユーザーはほとんどいないように見え、そこにインターフェイスの摩擦が発生する。
Webがますます視覚的になる代わりに、社会の一部を置き去りにして、デジタル世界から遠ざけてしまっている。

長い間デジタルアクセシビリティを提唱し、歴史的に公式の政府出版物を異なる物理的な出版物にアクセスすることを義務付けていた米国政府でさえ、ソーシャルメディア時代においてアクセシビリティを重要視しているとはもはや思えない。議会が政策発表を行い、党派と連絡を取るためにアクセスできないソーシャルメディアプラットフォームにますます頼るにつれて、障害を持つ者は、民主的プロセスからますます切り離されつつある 
政府のリーダーシップが欠如している中で、何がアクセシビリティの潮流を変えるかは、まだわからない。可能性の一つとして、アルゴリズムを訓練するために絶えず手作業による画像説明文を必要としている企業のために、ユーザーに画像の代替テキスト入力を促すという方法が考えられる。

結局のところ、ウェブがより視覚的になっていくにつれて、ウェブはより差別的にな理つつある。


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