2019年6月2日日曜日

[粗訳] 日本を本当にアクセシブルにすぐ鍵は「クラウドソーシング」である。


※このエントリーは「An Olympics crowdsourcing project may be the answer to making Japan a more accessible country | The Japan Times」をざっくり翻訳したものです。著者のMark Bookman氏は、東京大学先端科学技術研究センターの客員研究員です。


オリンピックのクラウドソーシングプロジェクトは、日本をよりアクセシブルな国にするための答えかもしれない。

By Mark Bookman

東京は、都市をアクセシブルニすることに関しては時代遅れです。
もう時間は残されていません。実際のところ、来年開催されるオリンピックでは、日本を誰もが利用できる空間に変貌させることに関しては重要視されていません。

人によってアクセシビリティの解釈は異なります。そして取り残されることもあります。車椅子ユーザーの私は、日本に引っ越してきたとき、このことを大いに学びました。

私は来日前にインターネットでアパートを探しました。都内にある24万戸の物件のうち、バリアフリーとなっていたのは900戸。それぞれに誰かがアクセスするための設備を持っていましたが、浴室のドアの狭さや通勤時間の長さなどの理由で私が利用できる適切な組み合わせはありませんでした。結局ホテルに泊まることになったのですが、それでも大変でした。日本のホテルでアクセス可能な客室はわずか0.4%で、選択肢は限られていました。ほとんど使えない部屋に平均の2倍の料金を払うことになりました。

東京を歩き回ることも私にとっては問題でした。私は時代遅れの地図に頼らざるを得ず、しばしばエレベーターの停止などの障害に遭遇してきました。私が駅の係員にサポートを頼もうとしても、スウェーデン製の車椅子は日本のサポート基準を全く満たしていないため、彼らはほとんど助けることはできませんでした。この250キロのパワーチェアを階段の上まで運ぼうと多くの声かけがありました。それは善意ですが壊滅的な結果をもたらしました。

これらの問題は日本固有のものではありません。どこの国にも、一部の人々にしか利用できない施設やサービスがあります。私はアメリカに住み働くことができましたが、日本から来た障害者は同じことができないかもしれません。
実際、こうした問題に対処しているのは私だけではありません。日本では950万人近くが何らかの障害を持っています。世界的には10億人を超えています。また、高齢者やベビーカーを持つ親など、支援が必要な人々はこの数には含まれていません。

建築家、教育者、国会議員など、障害者支援に関わっている日本のアクセスメーカーは、ゼロから始めているわけではありません。彼らは2000年の交通バリアフリー法、2006年のバリアフリー新法、2016年の障害者差別解消法といった、誰もが簡単にアクセスできる環境作りを目指すユニバーサルデザインの発展を促進するための法律や政策に法っています。アクセスメーカーは、日本で新しい製品や設備を構築することでユニバーサルデザインを実現しようとしてきました。そして彼らは製品が有用であることを保証するため、障害者の元へ出向き助言を受けてきました。

残念ながら今、、日本がオリンピックに向けて急ぐ中、この種のコミュニケーションは軽視されています。熱狂は望ましい種類のアクセス可能性について有意義な会話をする機会を奪ってしまいました。アクセス・メーカーは、なぜ、誰のために建築しているのか。その行動が現在および将来の障害者世代にどのような影響を与えるのかを尋ねる機会を失っています。そしてその結果、障害者は今危険にさらされています。

不適切に設置された駅の点字ブロックが原因で、視覚障害者が転落死したり、車椅子ユーザーが道で立ち往生し車にはねられたりしたという報告を検討してください。また、スティグマに基づいた攻撃が「GAME」の準備の一部となっていると考えてください。
障害者が彼らを専門的に支援するように配慮された施設を利用できない場合、支援する人々に大きなプレッシャがかかります。劣悪な環境の中、介護者は障害者が生活するのを助けるために、さらに一生懸命努力しなければなりません。彼らは疲弊し、障害者との関係は緊張します。その結果2016年に相模原で発生したような事件につながる可能性もあるでしょう。

もし障害者に対する暴力が急速に向けられた場合、私たちには2つの選択肢があります。アクセス構築への努力をスローダウンさせるのか、それとも誰も取り残されることがないように私たちのコミュニケーション・チャネルをスピードアップさせるのか。オリンピックの即時性を考えると、スローダウンは現実的な可能性とは思えません。それどころか日本には少子高齢化や労働人口の減少など、他にも多くの動機があります。

ではどのようにしてコミュニケーション・チャネルをスピードアップし、障がい者とアクセス・メーカーとの間に持続可能な対話を生み出すことができるのでしょうか。クラウドソーシングの技術は、探求する価値のある方法であると私は信じています。

クラウドソーシング技術は、ユーザーがリアルタイムにアクセス上の障壁を特定し、彼らの経験を専門家と共有、解決策を共同でブレーンストーミングすることを可能にします。また、導入前後や導入中に製品やサービスを評価するために使用することもできます。これにより、特定の製品やサービスが誰にとってアクセシブルなのか、どうすればより包括的になるかを見極めることができます。

2020年のオリンピックは、クラウドソーシング技術を開発し展開する良い機会です。少しの間日本に来る訪日外国人がクラウドソーシング技術を通じてアクセス体験を報告したとしたら、アクセシビリティについて何が学べるのか、想像してみましょう。そのデータをどのように利用すれば、国境を越えたレベルでアクセシビリティを変化させることができるでしょうか?
数年後には、私のように日本に来て間もない障害者が、日本でアパートを見つけるために何千もの物件を探す必要がなくなるかもしれません。また、日本の障害者も比較的容易に海外旅行ができるようになるかもしれません。


アクセシビリティの解釈は人によって異なります。そして取り残される人もいるかもしれません。クラウドソーシング技術によって、私たちはもう二度と誰も取り残されナい世界を築くことができるのです。

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