なかなか製品として実現することがなさそうなAppleの特許、いや、どこかでひっそりと活用されているのかもしれないけど。今回の特許は「マップ」のスクリーンリーダー対応ということで、少しは実現性あるのかな?
情報がぼんやりしているので初めはピンとこなかったが、ポイントはタッチを用いて周辺空間を探索する、という技術だろうか。確かにVoiceoverを使う視覚障害者にとってマップは基本滝に「点」の情報なので、二次元マップで得られるような「全体を俯瞰」した空間情報がタッチや音声で的確に得られるのなら、かなり画期的なものになりそうではある。点と点を結ぶ空間に、どのような風景が広がっているのか。それがわかるようになれば、視覚障害者のお出かけも、もっと充実することだろう。ちなみに筆者の脳内マップで情報が無い空間は、まるでバブル経済末期のように「空き地」となっていて、ちょっと寂しい……。
※以下は「Apple wants to make its Maps app more accessible for visually impaired users ― Apple World Today」をざっくり翻訳したものです。
Appleは「マップ」を視覚障害者にもアクセシブルにしたい(らしい)
By Dennis Sellers
Appleは、同社の「マップ」を視覚障害者でも便利に使えるようなアクセシブルなアプリにしたいと考えている。ハイテクの巨人は「touch-based exploration of maps for screen reader users.(スクリーンリーダーユーザー向けのタッチ操作ベースの地図探索)」の特許(番号 10,330,490)を申請した。
この特許は、ビジュアル機能を用いない電子端末に、対話型マップを提供することで、視覚障害のあるユーザがマップにアクセスできるようにする。
マップは端末の現在位置、またはユーザによって入力された位置に基づいて地図を探索する。近くにある興味を持った道路や場所、または出発地から到着地までのルートは、音声出力によって識別することができる。そしてユーザーは電子機器の画面にタッチすることで、近所周辺のおおよその空間を探索できるという。
また、ユーザはルートに沿って移動しているときやルートから外れたとき、さらに交差点や興味のある場所に近づいているとき、地形が変化しているときに、アラートを受けることができる。
Appleによると、これにより視覚に障害を持つユーザーでも、不慣れな環境を実際に探索することなく、都市レベルの空間関係を習得することができるようになるとのことだ。
特許出願書類の中でAppleはこのように述べている。
マップアプリによってユーザーは、未知の土地について知り、それに適応することができる。たとえば、道路の相対位置を視覚的に表すマップを使用すれば、出発地から到着地までの移動ルートを決めたり、ユーザにとって関心のある場所を見つけ、そこへ移動し、その場所へたどり着くことができる。
だが、マップは一般的には二次元のビジュアルを用いており、そのため視覚障害のあるユーザが得られる情報は限られている。加えて意識的に探していない情報に関しては、情報へのアクセスはさらに制限される。例えば指定された出発地点から到着地までのルートを案内することはできても、それ以外の関心のあるかもしれない領域内の全体的な空間関係を簡潔に伝えることは難しい。視覚障害者は、未知の領域の道路や場所についての全体的な理解を得ることが困難または不可能なため、新しい環境の中で迷ったり混乱を感じてしまう。
Appleはこれを変えようとしている。
※もちろん、Appleは米国特許商標庁から多くの特許を出願し認められているが、その多くは、日の目を見ない発明である。実際の製品でどの特許が実現するかは決してわからない。
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