米国のSEOマーケティング会社Searchmetricsは、Googleが提供するオープンソースのWeb監査ツール「Google Lighthouse」を用いた最新のGoogle検索ランキングファクタを分析したレポート「Google Lighthouse Ranking Factors 2019」を発表した。
この調査は10,000のキーワードでGoogle.comを検索し、その上位20ページに対し、主にパフォーマンス、SEO、ベストプラクティス、アクセシビリティの4つのカテゴリをテスト。そのスコアをもとにWebの技術的最適化がページランクにどのような影響を与えているかを分析したもの。分析結果は情報元を参照していただくとして(手抜き)、大まかな傾向をまとめると以下のような感じ。
- ページの読み込みスピードが高い(特にモバイル)ほど上位にランクされる傾向にある。
- ランク上位のページは圧縮率が高い次世代の画像形式や高速なHTTP/2Webプロトコルなど最新Web技術を採用する傾向が高い。これはパフォーマンスと相関関係がある。
- ランク上位のページはベストプラクティス、特にセキュリティのスコアが高い。
- 4つのテストカテゴリで最もスコアが高かったのがSEO。
Googleは2018年7月、モバイル検索におけるページの表示スピードが検索ランキングを決定する重要なファクタとなることを発表しており、今回の調査はそれを裏付ける結果となっているようだ。
ところでSearchmetrics社も指摘しているが、この調査で気になったのがアクセシビリティ・スコアの低さ。分析の対象となったサイトのアクセシビリティの平均スコアは100点中66.6だったという。これは今回調査した4つのカテゴリの中でも吐出して低い。もちろんこの結果だけでGoogle検索のランク決定にアクセシビリティが全く影響していないとは言い切れないが(下位サイトはもっと低スコアかもしれないしね)、少なくとも「Google検索ランクにおいてアクセシビリティの優先度は低い」と感じざるを得ない数字だ。
パフォーマンスや最新技術の導入、SEO対策に熱心なサイトもアクセシビリティには無頓着、という事実が透けて見える。うっすら気がついてはいたけれど、こうして数字で見せられると結構残念な気持ちになる。
筆者のようなスクリーンリーダー使いにとって、アクセシビリティが低いサイトはどんなにロードが高速であろうとも、セキュリティが高くとも使いにくい・使えないサイトになってしまう。そんなページが検索の上位に表示されるのはちょっと困っちゃうのである。極端な話、筆者にとってスクリーンリーダーで内容を把握できないページは「404 Not found」と同じだ。
どんなユーザーでも平等にアクセスできる、というのはWeb品質における最低ラインであるべきだと思うんだけど、どうでしょうかね。
米国ではada法に基づくWebアクセシビリティ訴訟が年々増加している。それによりWebアクセシビリティへの関心も高まりつつあるようだ。そしてアクセシビリティの品質がGoogleの検索ランクに大きく影響するようになれば、みんなもっとアクセシビリティ向上に本腰入れてくれるのにな、と思ったりする。
Webアクセシビリティの重要性は包括性とか来訪者の最大化とか色々な側面で語られてはいるけど結局訴訟リスクとか検索ランクへの影響とかみたいな「わかりやすい飴と鞭」がなければ大きく動かないのかもね、といち視覚障害者としてぼんやり考えるのだった。
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