日常生活では大小さまざまなタスクが発生する。タスクと聞くと、打ち合わせの時間や飛行機の時間などのイベントや、食材や日用品の買い物、薬の服用や毎週チェックしているテレビ番組といった日々のルーティーンなどを思い浮かべるだろう。だが、タスクにはさらにもっと瞬間的に発生するタイプのものも、それこそ意識せずに膨大な量をこなしているはずだ。
例えば。
ホットミルクを飲もうと、冷蔵庫から牛乳パックを取り出し、カップにミルクを注ぐ。電子レンジで加熱してホッと一息のホットミルクタイムを過ごしたとする(わざとじゃないよ)。
この瞬間、「牛乳パックを冷蔵庫に戻す」「電子レンジの扉を閉める」「カップを洗う」というタスクが発生する。もちろんミルクを楽しむ過程でこれらのタスクを消化していけばいいのだが、それはなかなかの難題だ。筆者はすぐにでもホットミルク、すなわち温めた牛乳が飲みたいのだ。さむいし。
で、ほぼ全盲の筆者はよく、牛乳パックを放置してしまう。場合によっちゃレンジの扉も開きっぱなし。結果牛乳はだめになり、あいたママのレンジ扉に頭をぶつけるといった悲しい出来事を生んでしまう。
まあ「不注意」と言われれば二の句が継げないが、もし視覚を持っているならこのようなことにはならないはずだ。
だって目の前に牛乳パックが鎮座しているのだ。明らかに頭にぶつかりそうな扉が開きっぱなしなのだ。見ればわかる。見えているのに片付けないのは別の問題だ。
スマートフォンのアプリでよく利用されているジャンルの一つに「リマインダー」というものがある。日々のタスクを忘れないように登録し、必要に応じて通知してもらったりできるやつだ。
これは、忘れそうなタスクを登録しておくことで「記憶=脳」を拡張するものと言える。いわば記憶のアウトソーシングである。
だがいざ視覚が使えなくなると、実は人間は目で見えるものに結構リマインド、つまり記憶をアウトソーシングしていることに気づく。前述の牛乳パックの件でも、冷蔵庫から出したことを忘れても、キッチンのテーブルにそれが置いてあれば、それを戻すというタスクを思い出せる。つまり視覚がリマインダーとして昨日している。なんて便利なんだろう!!
他にもカップ麺にお湯を注いだまま忘れるとか、スマホを玄関に置いたまま出かけてしまうとか、荷物を整理中何らかの理由で中断してそのまま放置、といった失敗も「見れば思い出す」レベルのタスクといえよう(ていうかやらかしてるな自分)。見えていてもこのような失敗をしでかすのは、くどいようだが別の問題だ。
この問題、結局「忘れない」という解決法くらいしかないのが悲しい。いや、もしかしたら自分だけか。今その可能性を感じ戦慄している。
こういうのを解消するテクノロジーが出現すれば便利と思ったりするが、いやちょっと煩わしいかもしれないなあ。しっかりしろよ自分。
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