この秋はいくつかのイベントに参加させていただいたが、その時、自分のテーマの一つだったのが「写真撮影」。要するに取材のリハビリである。
見えていた時の取材スタイルは、デジカメと紙のノート。あまりヘビーな取材はしてなかったのでこれでも十分成立していたのだが、いざ目が見えなくなると、これでは何もできないことに気がついていた。
もっとも困ったのが「写真」である。今はデジカメではなくiPhoneを使って撮影する。撮影時のフレーミングなどは同行者に手伝ってもらいつつなんとかこなせるのだが、いざその写真を素材に記事を執筆する段階になると、写真の判別ができない。撮影時かんや撮影地などのメタデータで判断するにも限界がある。さて困ったぞ。
色々考えた末、写真を目で確認できないのであれば、何を撮影したかをテキストなりボイスなりでメモしながら撮影するよう工夫すればいい、という結論に到達した。
というわけで、実際に色々試した結果をメモしてみよう。
その1:Twitterに投稿するスタイル
まず試したのが、Twitterに写真とメモを投稿していくという方法。
使用したのはiPhone用の公式アプリ。新規ツイートを開いて写真を撮り、説明をコメントに加えてツイートしていけば、撮影した時系列に写真を見返せる。
後日写真を使う時は、パソコンのTwitterクライアントやWeb版Twitterを開き、説明を頼りに写真をダウンロードすればいい。
難点は、撮影の一部始終をフォロワーに晒してしまうということ、そしてダウンロードした画像の解像度がiPhoneのカメラで撮影する時よりも低くなってしまうことだ。
MacではTwitterrificを用いてダウンロードしたが、写真の解像度は「1024 × 768ピクセル」となった。Webでもちょっと物足りないクオリティのような気がする。
この解像度が、iPhoneアプリのせいなのか、Macアプリのせいなのか、使い方がまずかったのかはわからないが、これ以上手間をかけるのはイヤなので、コウイウモノダロウト判断。
この方法はVoiceover操作でも比較的簡単に写真とメモをセットにして管理できるが、写真の画質に不安が残る。タイムラインをお騒がせする割にはメリットは少ないような……。
その2:クラウドノートを使うスタイル
次に考えたのは、写真とテキストを扱えるエディタやノート系アプリを用いる方法。
写真を撮影してノートに貼り付け、それに続けて写真の説明をメモしていけば、後で写真の判別ができる。
この手段が使えるアプリは選択肢が多いが、パソコンに写真を転送する手間を考慮すれば、データを簡単に同期できるクラウドノートがベターであろうと考えた。
クラウドノートにもいくつかあるが、Evernoteは無料プランユーザーなので却下。OneNoteはアプリの使い勝手がイマイチ。Google Keepは使いやすいがWebから写真を引っ張ってこなければならず面倒。筆者はMac使いなので、デスクトップアプリケーションが用意されているiPhone標準の「メモ」を使うことにした。
まず外出前に新しいメモを作成し、タイトルをつけておく。
あとは写真を撮影する時に「挿入」ボタンをタップして写真を撮影し、メモ本文に写真が貼付されたら、その直後に写真の説明を書き込んでいく。
音声入力でざっくりとした内容でも問題ない。キーボードが表示されたら2本指ダブルタップで音声入力を開始、もう一度2本指ダブルタップで入力を修了できるので覚えておくと便利だ。
ただ、慌ててしまい、うっかり画面を不用意にタップしてしまうと、挿入ポイントがずれてしまうことがあり、さらに慌てる。Voiceover操作に慣れていないと難しいかもしれない。
撮影した写真の取り込みは、Macの「メモ」で簡単に行える。写真の解像度もiPhoneのネイティブ(3024 × 4032ピクセル)なので画質的にも問題ない。
この方法の問題は、やはり操作性。練習すればミスせず使えるようになるが、イベント中の時間のない時に確実に写真を貼付しつつ説明を書き加えていくのはなかなかの難易度である。
その3:写真に直接メモするスタイル
これはTwitterで知った情報。
iPhoneの「写真」アプリで、撮影した写真のサムネイルに、Voiceoverの「ラベル」をつける方法だ。
手順は簡単。「写真」アプリを開いて撮影した写真のサムネイルにVoiceoverカーソルを合わせ、「2本指でダブルタップ&ホールド」すれば効果音が鳴りラベル入力フォームが開く。あとは写真の説明を入力して「保存」を実行すればOKだ。
注意したいのは、ここでつけられるラベルは、あくまでも「写真」アプリのサムネイルにつけられるものなので、他のアプリでは読み上げない。また写真をエクスポートしてもラベルの情報は受け継がれない。同じ理由で「カメラ」アプリの「写真トビデオビューワ」でラベルをつけても「写真」アプリではそのラベルは利用できない。そのため写真を撮影しながらラベルで説明を加える、という目的を達成するにはカメラアプリと写真アプリを行き来しなければならず、ちょっと手間がかかると感じた。
だが一通り写真を撮影してから、ゆっくり見えるひとに聞きながらラベルをつける使い方は、覚えておくと絶対便利。旅行などで良い写真が撮れたらラベルをつけておき、後でその写真を「写真」アプリの「共有」ボタンから簡単にSNSやメールなどで利用できる。
現時点ではクラウドノートが一歩リード!?
ここまで試した範囲では、現時点ではクラウドノート、自分の場合は「メモ」を用いる方法がベター、という結論である。写真のクオリティってやっぱり大事。
撮影時間が短い時に、慌てず素早く操作できるかが今後の課題だろう。
もっと簡単に、撮影した写真にテキストなりボイスメモを加えられるカメラアプリがあればいいのだが、配布終了したものしか見つけられなかった。
もっと良いソリューションをご存知であれば、@chimeracraftまでご一報ください。
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