スマートフォンやタブレット端末の普及により、読書は電子書籍で、というユーザーが増え続けている。そして成長を続ける電子書籍マーケットの中でも、新しい読書スタイルとして注目されているのがオーディオブックだ。
米Amazon傘下の「Audible」を筆頭に、オーディオブック市場は広がりを見せつつあるが、古株でありながら今ひとつ精彩を欠いているのがアップル。2018年秋には、iOS12のリリースに合わせ電子書籍アプリのブランドを「iBooks」から「Apple Books」にリニューアルしたものの、あまり話題にならないという状況だ。Apple Booksにオーディオブックのカテゴリが存在していることに気がついていないユーザーも少なくない(と思う)。Apple MusicやAppStoreの盛況ぶりとは対照的に見える。
だがこのところのオーディオブック市場の盛り上がりに反応したのかはわからないが、Apple Booksでのオーディオブックに関するいくつかのニュースが入ってきた。
2018年12月14日、アップルは同社が運営する電子書籍ストア「Apple Books」にて、iTunes Connectを通したオーディオブックの販売を開始すると発表した。これで、オーディオブックコンテンツを持つ会社はAppleのBooksアプリのストアで自社のオーディオブックを販売できるようになる。、
そして12月18日、オーディオブック配信サービス「audiobook.jp」を運営する株式会社オトバンクが、Apple Booksにオーディオブックを提供するニュースが報道されている。これで、Apple Booksにおけるオーディオブックのラインナップのさらなる充実が期待できる。
また海外では12月17日、Apple Booksで、6タイトルの無料オーディオブックを配信するというニュースもあった。
これらの作品は、これまでApple Booksで無料公開されていたパブリック・ドメインの書籍を有名俳優やコメディアンによりナレーション収録したもの。「オズの魔法使い」「秘密の花園」「くまのプーさん」といったクラシックな名作がラインナップされている。ただ残念ながら、日本からはダウンロードできないようだ。
無料オーディオブックは、Apple Booksでオーディオブックを楽しむ最初のきっかけになる。無料ブックでオーディオブックの良さを体験した後、そこに読みたい本がラインナップされていれば、自然とユーザーは増えていくだろう。
Apple Booksには、iPhoneですでにアプリなどを購入しているユーザーなら、その決済情報を用いて簡単に電子書籍やオーディオブックを購入できるというアドバンテージがある。無料で読める作品の提供や、注目作品をラインナップすることで、Apple Booksにアクセスするユーザーが増えれば、オーディオブック全体の活性化にも繋がるに違いない。
関連リンク:
0 件のコメント:
コメントを投稿
注: コメントを投稿できるのは、このブログのメンバーだけです。