前回のエントリーで、人力による視覚障害者支援の技術についてまとめてみた。
期待の人工知能はまだ発展途上で、困った時に全幅の信頼を持って運命を預けられるか、と言われると少々心もとない。いざというとき、やっぱり頼れるのは人間の力である。ということを書いた。たしか。
ただ書いているうちに、人力であるゆえの懸念も見えてくる。
視覚障害者だって、時にはクレジットカードの番号やセキュリティコード、保険証や預金通帳などを確認したい場合も出てくるだろう。
しかし、このような重要な個人情報は、おいそれと他人には見せられない。もっと考えると、他の書類を見てもらおうとしたときに、うっかり個人情報を漏らしてしまうことも考えられる。
なにせ視覚障害者は「それが見せてはいけないもの」であるかを確認すること自体、難しいからだ。
それを悪用するような者はほとんどいないと思うが、プライバシーを突然見せられて困惑しないわけがない。見せる方も見せられる方も不幸である。
この問題はリアルワールドでも十分考えられるが、匿名でつながるアプリでは、特に自分の情報を守る心構えが必要かもしれない。それは支援する側への配慮でもあるはずだ。
この懸念を払拭するには、やはりAIの活用は不可欠だろう。とはいえ、人のめを借りる前に画像認識アプリで簡単なチェックをするくらいしか防衛策は思いつかない訳だが。
そのアプリでさえ、本当にセキュリティ的に安全なの?と疑い始めるとまさに無間地獄。
AIによる認識技術の進化(しかもセキュアな)も重要だが、それ以前にプライバシーに関わる情報は、単独で判別できるように最優先でアクセシビリティを確保されるべきだろう。
どうしても他人のめを頼らざるを得ない視覚障害者だが、プライバシー情報をいかにして守るか、視覚障害者の自立を考える上でも真剣に検討されるべきテーマかもしれない。
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