2020年11月2日月曜日

A11Y Topics #014。iOS14.2の人物検知機能、PS5のアクセシビリティ概要、NYCのバス停にnavilens、など。

  • ※乱文・誤変換ご容赦です。

    ※誤訳・読解力不足多々あると思います。元記事も併せてご覧ください。


    2020年10月の情報まとめアップしました。


    ダウンロードはこちらから。

    ゲーム関連の情報があまりに多いのでほぼ省いてます。需要あるかな。


    iOS14.2とLidar搭載デバイスで視覚障害者向け人物検知機能を提供か。


    TechCrunch日本語版記事)によると、iOS14.2の「拡大鏡」に、周囲の人物を検知して通知する視覚障害者向けの機能が加わることがわかった。これはiPhone 12 ProおよびiPad Pro(2020年モデル)に搭載されているLidarスキャナと広角カメラを組み合わせて実現したものだという。

    この情報は他にもApplevisForbesiMoreCNETなどが報じている。この機能の概要については各記事を読んでいただくとして、報道を読む限りなかなか魅力的のように思う。実際どこまで実用的なのかはわからないが、例えば並んでいる列の後ろに付いたり、電車などの空席を見つけることもできるかもしれない。そこまでは無理かな。とりあえずProユーザーからのレビューを待ちたい。


    Lidarが視覚障害者に有用なのでは、という話はiPad Pro 2020の登場から議論されており「What'sOverThere」という実験的なアプリもリリースされている。そして手軽に持ち歩けるiPhoneにLidarスキャナが搭載されたことで、その実用性が一気に現実味を帯びてきた。今回の機能がiPhone 12Pro発売から間を置かずアナウンスされたことからも、Appleはかなり早い段階からLidarスキャナを視覚支援に応用することを考えていた可能性が高い。これをきっかけにサードパーティー開発者を含めAR技術による障害者支援への動きが活性化されることを期待したい。


    またLidarに関連する話題としてPatently Appleが、ヘッドマウントディスプレイ(Apple Glasses?)に関する新しい特許について報じている

    この特許はヘッドマウントディスプレイに搭載されたLidar、赤外線、超音波センサーとカメラからの映像を組み合わせ、低照度環境でも良好な視界を実現するというアイデア。この技術はロービジョンの人々が周囲をより明瞭に見るためにも応用できるだろう。複数のセンサーを組み合わせることで、夜間などあらゆる状況にも対応できそうだ。

    もちろんこの特許が何かしらの製品に反映される保証はないが、Apple GlassesにLidarが搭載される可能性を示唆しているとも考えられる。。


    障害者がLidarスキャナの恩恵を受けるのであれば、本命はやはりハンズフリーで使えるApple Glassesのようなウェアラブルデバイスではないだろうか。iPhone 12 Proの人物検知機能は、もしかしたらLidarを搭載したApple Glassesへの布石かもしれない。とか妄想したりする。


    今週のゲーム関連トピックス。


    PS5 and DualSense Accessibility Features Finally Detailed by Sony

    米ソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)は現地時間2020年10月29日、同社のブログ似おいてPlayStation 5本体システムのアクセシビリティ機能の概要を発表した。

    PS4に搭載されていたキーマッピング変更などに加え、画面上のテキストを読み上げるスクリーンリーダー、音声によるテキスト入力、クローズドキャプション、カラー調整などが複数の地域と言語で(ここが重要)提供される。またDualSense controllerのhaptic feedbackとadaptive triggersの強度調整もしくは無効化も可能という。これは特に手に障害を持つゲーマーにとっては良い情報だろう。

    対応する地域や言語、設定方法などの詳細はまだ明らかにはなっていないが11月12日の発売から出てくるであろう情報に注目したい。(IGN Japanの記事


    なおCan I Play That?が、PlayStation 5およびXbox Series Xのパッケージ開封とハードウェア外観に関するレビューを掲載している。どちらも「(物理的に)重い」という言葉が印象的。ゲーム機の初期モデルは大きくてうるさい、という伝統は受け継がれているのだろうか。


    Blind / Low Vision Game Review - Watch Dogs: Legion - Game Accessibility Nexus

    Ubisoftによるオープンワールドゲーム「Watch Dogs: Legion」が全世界で発売され、早速アクセシビリティレビューが公開されている。

    この記事によると視覚アクセシビリティオプションとしてはメニューやダイアログの音声読み上げ対応、音声キューの存在や色覚障害モード、パズル突破の難易度調整など充実しているようだ。ナレーションが英語のみという表現が気になるところだがこのツイートを見るとアラビア語に対応とあるので、本体の設定によって読み上げ言語が決定されている可能性もある。なおGame Accessibility Nexusによる聴覚アクセシビリティ中心のレビューはこちら

    Ubisoftはアクセシビリティに力を入れており、11月10日発売予定の「ASSASSINS CREED VALHALLA」のアクセシビリティオプションにも注目が集まっている。


    Microsoft's Xbox Website Allegedly Violates ADA - Tech

    ニューヨーク州南部地区連邦地方裁判所によると、米Microsoftは、同社が運営するXbox関連のWebが視覚障害者が利用できないとして、障害を持つアメリカ人法(ADA)に基づき視覚障害を持つ原告から訴えられた。Microsoftはゲームのアクセシビリティに関しては積極的に取り組んでいることが知られている。だがその思想がまだ隅々までには行き渡っていなかったということだろうか。


    公共交通機関のアクセシビリティに関するトピックス


    MTA Pilots Smartphone App to Help Blind and Low-Vision Bus Riders - Shorefront News

    米国ニューヨーク、メトロポリタン交通局(MTA(とトランジットイノベーションパートナーシップは、公共交通のアクセシビリティ向上を目的として、二次元コードを応用した視覚障害者支援技術であるスペインのnavilensを、一部路線のバス停留所に試験導入する取り組みを発表した。

    バス停の付近まで到着した視覚障害者は、スマートフォンにインストールされたnavilensアプリを用いて停留所に設置されたnavilensのマーカーをスキャンする。カメラがマーカーを見つければ、あとは音声の指示に従って歩けばバス停にたどり着くことができる。navilensはバス停までの誘導だけでなく、バスの時刻表や運行・混雑状況などの情報も提供する。

    7インチ(約18センチ)サイズのカラフルなマーカーは停留所のポールに設置され、最大40フィート(約12メートル)離れた場所から最大160度の角度で検出できるという。鉄道駅と異なりバスの停留所は規模が圧倒的に小さく、GPSなど誤差数メートルの衛星測位サービスでは正確な場所にたどり着くことは難しい。この「最後の数メートル」問題を解決するソリューションとしてnavilensが採用されたというわけだ。

    今回試験導入されるM23 SBSはマンハッタンの中でも8番目に利用の多いバス路線で、いくつかの視覚障害者施設を経由しているため、恩恵を受ける利用者は少なくないだろう。


    A Lyft-Like Pilot Program Was Making NYC's Transit System More Accessible; Budget Cuts May Put the Brakes On It - Bedford + Bowery

    こちらもMTAの新しい公共交通サービスの実証実験のお話。でもこちらはネガティブな話題。

    これまでMTAが障害者に対して提供してきた専用乗合バスサービスの代わりに、2017年からLiftなどのオンデマンドなライドシェアサービスを提供する実証実験を行ってきた。このサービスは利用者に大幅な利便性の向上をもたらし、従来のシステムと比較するとコストも抑えることができたという。

    だがCovid-19感染拡大の影響によりMTAの財政が悪化、予定されていた実証実験の拡大が延期されただけでなく、このサービスそのものの存続が危ぶまれているという。それに輪をかけて従来サービスも目的地を最寄りの駅までとする縮小形態をメインにする案が検討されている。ただでさえバリアフリー設備が不足しているニューヨークの駅は、これまたCovid-19の影響で予定されていたエレベーター設置工事が遅れており、もしサービスが縮小された場合、障害者の移動が困難になる可能性がある。Covid-19の影響がこのような部分にも及んでいる。


    CSR Wire - United Airlines Redesigns Mobile App To Be More Accessible for People With Visual Disabilities

    米ユナイテッド航空は、同社がリリースしているモバイルアプリケーションをスクリーンリーダーに完全対応させたと発表した。このアプリはマイレージの管理やチェックイン、フライト情報の取得、荷物の追跡といった重要な情報が集約されており、視覚障害者は音声を用いてこれらの情報に簡単にアクセスすることができるようになった。


    Uber offers 12,000 free rides to National Association for the Blind in 8 Indian cities

    ライドシェアサービスUberはインド盲人協会と提携し、8つの都市で視覚障害者およびその家族、教師などを対象に無料の乗車サービスを提供することを発表した。これは接触によるCovid-19感染リスクが大きい視覚障害者が人の多い公共交通機関を避けて安全に移動できるように支援することを目的としたもの。このサービスは2020年12月まで提供される予定。


    メディアに関係した今週のトピックス。


    Netflix Reportedly Testing Audio-Only Feature; Will It Compete with Podcasts? | Collider

    Netflixがオーディオのみのストリーミングサービスをテストしていると伝えられている。同社は水面下で常に様々なテストを行っており、これが実現する可能性は不明だが、興味深いサービスではある。

    ビデオをオフにすることでデータ通信量やバッテリーの消費も抑えられるし、通勤中や仕事中にこっそりお気に入りの作品を楽しむこともできるだろう。確かに繰り返し視聴した作品ならオーディオだけでも十分に楽しめるし、トーク番組など映像を見なくても内容が理解できるものもある。それに視覚障害者向けのオーディオ解説を利用すれば初見の映画でも問題なく楽しめるはずだ。Netflixとしても増え続けるサーバへの負荷を多少なりとも和らげるこうかがあるかもしれない。Podcastの隆盛を考えると、ありえない話ではなさそうだがどうだろうか。


    FCC Expands Audio Descriptions for Broadcast TV | TV Technology

    米国連邦通信委員会(FCC)は、2010年に署名された21 世紀の通信と映像アクセシビリティ法(CVAA)に基づき放送局などに対しクローズドキャプションや音声解説といったアクセシビリティコンテンツの提供を義務化してきた。これまでは上位60の事業者を対象にしてきたが、2021年よりこれを上位100まで拡張することが決定された。2023年にはさらに対象を拡大するべきか検討される予定とのこと。


    Freeview Play's Accessible TV Guide now available on supported devices | Trusted Reviews

    Freeviewは英国で展開されているスマートテレビ向けのプラットホームであり、多くのテレビやセットトップボックスに採用されている。RNIBなどの協力を得て開発された新しいアクセシビリティ機能は番組表などの音声読み上げやコントラストの高い画面などが特徴で、クローズドキャプションや手話、音声解説を含む番組を絞り込むなど障害を持つ視聴者のための独自機能を備えている。機器メーカーに関わらず、このような共通したインターフェイスが利用できるのであれば、視覚障害者にとって選択の幅が広がるだろう。


    ‘Be My Eyes’: Lars Klevberg Helming Genre Pic With ‘Crawl’ Team At Paramount – Deadline

    「Be My Eyes」をモチーフにした映画が制作中のようだ。ストーリーは、Be My Eyesでボランティアをしている女性が受け取った盲目の女性からの通話から始まる。雰囲気としてはサスペンスかホラーのようだが、どのような作品になるのだろうか。

    監督はリメイク版「チャイルドプレイ」や「ポラロイド」(いずれも怖い映画)のラース・クレヴバーグ。製作は「ドント・ブリーズ」や「クロール 凶暴領域」(もちろんどっちも怖い)のサム・ライミ。どう転んでも怖い映画にしかならないような。間違っても感動ハートウォーミングな作品にはならないだろう。面白そう。

    ただこの多分怖い映画、Be My Eyesの知名度を高めるこうかはありそうだが、内容によってはボランティア利用を躊躇するようなことにもなりかねないような気がしなくもない。まあそれはないか、おそらくBe My Eyesチームも参加しているのだろうし……。


    その他、今週気になったトピックス。




2020年10月27日火曜日

[iPhone]「Sullivan+」:さまざまなイメージをAIで認識し音声で読み上げるアプリ。


ヘレン・ケラーの家庭教師であるアン・サリヴァン先生にちなんで名付けられた「Sullivan+」はスマートフォンで撮影したイメージを画像認識AIで解析し、ユーザーに音声で教えてくれる、視覚障害者に向けて開発されたアプリです。

開発したのは韓国に本拠地を置くTUAT Inc.。iOS版のほかAndroid版もリリースされており、いずれも無料で利用することができます。


このアプリはスマートフォンのカメラで撮影した文字、顔、風景やオブジェクト、色、明るさなどを解析し音声で読み上げます。一回の操作で3種類の認識を同時に実行する「AIモード」が特徴。またiPhoneに保存されている写真を読み込み解析することもできます。

インターフェイスや解析結果は基本的に日本語化されており、3つのボタンによる操作もシンプル。スマートフォン初心者でも簡単に使い始められる設計になっています。

なお一部の機能を除き利用にはインターネット接続が必要。念のためプライバシーには十分に注意して利用しましょう。


ではこのアプリの使い方をざっくり紹介していきます。

ここではiOS版をVoiceoverオンの状態で使っています。アプリのバージョンは1.3。

Voiceoverがオフの場合、一部の操作方法が異なるので注意が必要です。


インターフェイスと基本的な使い方。


アプリを起動し、インストラクション画面とカメラへのアクセス許可を終えると、メインの画面が表示され、画面の下部に左から「メニュー」「キャプチャ」「機能」という3つのボタンが並んでいることがわかります.


基本的な操作は

  1. 「メニュー」から使いたい認識機能を選ぶ。

  2. 「機能」からオプションを設定。

  3. 「キャプチャ」で選択した認識機能を実行。

という流れになります。


認識結果は「キャプチャ」を実行した直後に音声で読み上げられる他、画面の上部に表示されている認識結果をタップすることでも確認できます。

では各ボタンの使い方を紹介しましょう。


「メニュー」ボタンの使い方。


このボタンからアプリの認識機能を選んだり、設定やヘルプ画面などを利用することができます。なおホーム画面のアイコン長押しでコンテキストメニューを開き、認識機能を選んでアプリを起動することもできます。


  1. 「メニュー」にフォーカスしたら、一本指で上下スワイプします。

  2. 使いたい機能が読み上げられたらダブルタップで決定します。

  3. もしくは「アクティベート」(デフォルト)を実行するとメニューの一覧画面が開き、ここから使いたい機能にアクセスすることもできます。


以下、各機能の簡単な説明です。


  • AIモード 文字認識、顔認識、イメージ描写を同時に行います。

  • 文字認識 テキストを認識して読み上げます。カメラが文字を識別すると音声で通知します。

  • 顔認識 人物の顔を認識して特徴を読み上げます。カメラが顔を識別すると音声で通知します。

  • イメージ描写 画像に何が写っているのかを説明します。

  • 色認識 中央に写っているものの色を識別します。2つのモードがあります。

  • 光の明るさ フロントカメラで捉えた光の強さをリアルタイムに通知します。

  • 拡大鏡 画像を拡大して見ることができます。

  • ノート 保存したノートを閲覧したり、共有できます。

  • PDFリーダー PDFおよびTXTファイルを開き、文字を抽出して読み上げます。

  • コミュニティ Sullivan+の関連情報を参照できます。

  • ヘルプ Sullivan+のヘルプを参照できます。

  • 設定 Sullivan+の設定画面を開きます。

  • テキストスキャン リアルタイムの文字認識。日本語には非対応?


「機能」ボタンの使い方。


このボタンからフラッシュライトの切り替えやフォトライブラリからのイメージ読み込みなど、いくつかのオプション機能が利用できます。メニューから選んでいる認識機能によって表示される項目は若干異なります。


  1. 「機能」にフォーカスしたら、一本指で上下スワイプします。

  2. 使いたい機能が読み上げられたらダブルタップで決定します。

  3. もしくは「アクティベート」(デフォルト)を実行すると機能の一覧画面が開き、ここから使いたい機能にアクセスすることもできます。


以下、各項目の簡単な説明です。


  • ビデオ通話 アドレス帳から選択した電話番号にビデオ通話を発信します。

  • フラッシュ フラッシュライトのオン/オフを切り替えます。

  • ギャラリー iPhoneに保存されている写真を選択しモードに応じて解析します。

  • ノートを保存 文字認識結果をノートに保存します。

  • シェア 文字および顔認識結果を共有します。

  • 自動保存 オンにすると文字認識結果が自動的にノートに保存されます。

  • タグを表示/隠す イメージ描写で解析されたタグの表示を切り替えます。

  • 全体カラー/シングルカラー 色認識でカラー識別のモードを切り替えます。

  • 反転オン/オフ 拡大鏡で画面の色を反転するか切り替えます。


「キャプチャ」ボタンの使い方。


「キャプチャ」をダブルタップすると写真を撮影し「メニュー」から選んだ機能に従って認識処理が実行され、結果を音声で読み上げます。

光検出を除き撮影には背面カメラが用いられます。一部の認識機能でカメラ切り替えが可能なようですが……現在調査中です。


認識結果は画面上部に表示されており、内容をもう一度確認したい場合はその部分をタップすることで確認できます。

また「キャプチャ」ボタンにフォーカスして上下スワイプし確認したい項目が読み上げられたらダブルタップすることでも読み上げることができます。このジェスチャは片手で操作しているときに便利です。


使っている機能によっては、画面上部の結果表示エリアに「ノートに保存」「シェア」と読み上げられるボタンが出現します。このボタンから、認識されたテキストをアプリに保存して「メニュー」の「ノート」から参照・管理したり、他アプリへ送信して利用することができます。この2つのボタンは「機能」から実行することも可能です。

また認識結果にフォーカスし日本指でダブルタップすると、その内容がペーストボードにコピーされます。


アプリの機能をカスタマイズする。


メニューから「設定」「を開くと、アプリをカスタマイズすることができます。

よく使う認識機能を「基本モード」に設定したり、ボタンを上下スワイプして選べる項目を変更、文字認識や顔認識の音声通知のオン/オフ、画面の明るさなどを変更することができるようです。

ようです、と書いたのは筆者の環境(iPhone 7,iOS14.1)では設定を開こうとするとアプリがクラッシュしてしまうためです。最新バージョンではカメラの切り替えも可能とありますがどこから操作するのか不明……。iOS14でいくつか不具合が発生している事は開発側も確認しているようなので修正され次第、加筆する予定です。


2020年10月26日月曜日

A11Y Topics #013。RNIBのアクセシブルな妊娠検査キット、信号機の話題、見出し復活など。

※乱文・誤変換ご容赦です。

※誤訳・読解力不足多々あると思います。元記事も併せてご覧ください。


英国RNIB、アクセシブルな妊娠検査キットの開発で視覚障害者へのプライバシー保護をアピール。

'No Privacy': Why Blind Women Really Need Accessible Pregnancy Tests | HuffPost UK Life


英国の視覚障害者支援組織The Royal National Institute of Blind People (RNIB)は、毎年この時期に展開する「Design For Everyone」キャンペーンの一環として、目の見えない、見えにくい女性が触覚で結果を識別できる妊娠検査キットのプロトタイプを発表した。このキットは高コントラストの色や表面のエンボスによって検査結果を表現し、見えない、見えにくいユーザーも容易に結果を知ることができるよう設計されている。


市販の妊娠検査キットは目視で結果を確認する必要があり、視覚障害者は使うことができない。解決策の一つとしてキットを販売するClearblue社は「Be My Eyes」を通じた視覚障害者へのサポートを提供しているが、専門家とはいえ見知らぬ誰かに検査結果を知られてしまうことに抵抗を感じる当事者は少なくない。なによりこのような重要な個人情報を、本人よりも先に知られるというのはプライバシーに関わる大きな問題だろう。このような製品は本来、誰の助けも借りずに使えなければ意味がない。


これはほんの一例に過ぎない。健康医療に留まらず、金融や公共サービスに至るまで、視覚障害者のプライバシーは依然として軽視され続けている。RNIBはこの象徴的なプロトタイプの制作を通じ、視覚障害者のプライバシーがいかに守られていないか、そして製品やサービスをアクセシブルにすることの重要性をアピールしている。

RNIBでは当事者に向け日常的なプライバシーに関わるアンケートを実施しており、このクエスチョンを見るだけでも、さまざまな課題が残されていることがわかる。


視覚障害者にエコーロケーションスキルを訓練するデバイス「Sezual」。

Meet Sezual, the Kazakh start-up bringing echolocation to the blind and visually impaired - Emerging Europe | Intelligence, Community, News


視覚を用いず音の反射だけで自分の位置や周囲の環境を探知する能力「エコーロケーション」。イルカやコウモリがこの能力を用いることはよく知られている。人間にとっては会得が難しいスキルだが、もし視覚障害者がエコーロケーションを使いこなすことができるのであれば、これは大きな力となるに違いない。

カザフスタンに本拠地を置くスタートアップ「Sezual」は、視覚障害者がエコーロケーションをトレーニングするためのデバイスを開発している。この製品の詳細についてはあまり報道されていないのだがプロモーションビデオを見る限り、このデバイスから発せられたクリック音が周囲に反射し、その音を聞くことでエコーロケーションスキルを学ぶ、という感じのもののようだ。一見するとかなり原始的な仕組みのようにも感じる。でももしかしたら発信するサウンドに何か秘密があるのかもしれない。同社はさらにマラソンなど高速移動や水中にも対応したデバイスも開発中とのことだ。


エコーロケーションを応用した視覚支援技術としては超音波を用いて障害物などを検知するウェアラブルデバイスやスマート白杖などが開発されてきたが、正確性不足やカバー範囲の狭さなどまだ課題が多いのも事実。視覚障害者にエコーロケーションのスキルを習得させようというSezualのアプローチは「デバイスに頼らない自立」を獲得する手段として興味深い。体一つで自由に動くことができるのであれば、それに越したことないからね。もしかしたら将来、視覚リハビリテーションのカリキュラムに「エコーロケーション訓練」が加わる日がくるのかもしれない。


視覚障害者と信号機にまつわるエトセトラ。


米ニューヨークの連邦地裁判事は現地時間2020年10月13日、、ニューヨーク市が視覚障害者のための音響式信号の設置を怠っている状況を、障害を持つアメリカ人法(ADA)など3つの法律に違反していると判断した

この訴訟は2018年に米国盲人評議会によって提出された。原告の主張によるとニューヨーク市内にある95%以上の信号機が視覚障害者にとってアクセスできない状態となっているという。米国でも屈指の交通量を持つ都市だけに、ニューヨーク市の今後の対応に注目が集まっている。


また米国の野鳥保護団体Audubonのサイトで3月に掲載された記事では、視覚障害者向けの音響式信号の音について、普及している鳥の声(ピヨピヨ、カッコー)が自然音と紛らわしいことから置き換えが進んでいることが報じられている。

米国で10年にも及ぶ研究の結果、視覚障害者を誘導するためにより効果的なサウンドへの置き換えが推奨されたとのことだ。環境に溶け込む鳥の声は耳障りが良い反面、自然の鳥と混同されたり、驚くことに信号の音を真似る鳥の存在も確認されたという。技術の進歩とともに、より安全で便利なものに置き換わっていく動きは歓迎すべきだろう。

ちなみに日本では平成15年から警察庁からの指導により鳥声による音響式信号の設置が進められており、その割合は音響式信号全体の98%に達している。ただメロディー方式の方が分かりやすいという当事者の声も根強いようだ。


一方騒音問題などトラブルの可能性を持つ音響式信号機の代わりに、スマートフォンを用いて視覚障害者に信号の情報を伝える仕組みが世界中で検討されている。日本でもすでにいくつかの地域で実証実験が行われており、先日本格的な導入のための予算が計上されたことが報じられている

他にもコンピュータービジョンを用い信号の色を判別する技術の開発や、「Be My Eyes」でボランティアに信号を見てもらう方法も視覚障害者の間で浸透しつつある。今後は音響式信号機に代わってスマートフォンを活用した技術が視覚障害者の安全を担うようになるのかもしれない。もちろん同時に、スマートフォンを持たない当事者を取り残さないための施策も必要となってくるだろう。


iOS14のVoiceover認識で動画のアクセシビリティが向上!?

IOS 14.1 found great use for voiceover recognition! | AppleVis


Applevisをぼんやり眺めていたらちょっと面白いエントリーを発見。

iOS14ではVoiceoverに「Voiceover認識」と呼ばれる新しい機能が加わった。これを有効にするとアプリ内の画像を解析し、何が写っているかを教えてくれたり、画像に含まれるテキストを抽出して読み上げてくれる。大抵はSafariで表示させた画像やSNSに流れてくるイメージの意味を調べるときに役立つ機能だが、このエントリーでは動画のアクセシビリティを向上させるようとが報告されている。


米国の映像作品ではいわゆる「吹き替え」は一般的ではなく、外国語の映像は基本的に「字幕」で楽しむものと考えられている。この状況は視覚障害者にとってアクセシブルではない。

動画に用いられる字幕は大きく分けると、字幕のテキストデータを映像に合成しながら再生する「Soft Sub」と、字幕を画像として動画に埋め込む「Hard Sub」の二種類に分類される。YouTubeなどSoft Subを採用している一部のサービスでは字幕をスクリーンリーダーで読み上げることができるが、問題は後者。キャプチャしてOCRするにも手間がかかりすぎてしまう。

このエントリーによると、Hard Subが含まれている動画をSafari上で再生することにより、Voiceover認識が動作。動画上の字幕を解析しリアルタイムで読み上げられたという。動画に限らずいくつかのゲームも、Voiceover認識を用いてプレイ可能になったようだ。詳しい手順は元記事を参照。

筆者のiPhone 7ではこの新しい機能が動かないため検証はできていないのだが、OSレベルで画像を解析するこの機能、工夫次第で思いもよらぬようとが見つかるかもしれない。


その他、今週気になったトピックス。


  1. 今年海外でローンチした動画配信サービス「HBO max」に音声解説月コンテンツが加わる。:Breaking: Settlement Brings Audio-described Content to HBO max - Blind Bargains

  2. 米国で相次いだギフトカードに関するADA訴訟に判決。点字の不備は合理的配慮に当たらないという判断。:Finish Line Avoids Suit Challenging Lack of Braille Gift Cards

  3. 男性向けフレグランスのWild Stone、視覚障害者がコーディネートした製品を発売。:Grooming brand Wild Stone launches perfume tested by visually impaired people - Newz Hook - Changing Attitudes towards Disability

  4. 音を頼りにゲーム「Sea Of Thieves」をプレイする全盲ゲーマー。:Sightless Sea Of Thieves streamer follows sounds of his crewmates to play | Rock Paper Shotgun

  5. 全盲のストリートファイター5プレイヤー。音だけで実況もこなす。:BlindWarriorSven commentates Street Fighter 5: Champion Edition match with amazing accuracy

  6. パズルゲーム「Lost and Hound」は全盲でもプレイ可能らしい。:Lost and Hound Game - PC and Switch - Parents Guide

  7. ハーバード大が取り組む、天体画像のソニフィケーションについて。:Harvard Visualization Scientist Helps Translate Space Images Into Music | News | The Harvard Crimson

  8. ALS患者向けに開発された、顔の動きで意思を伝達するソフトなセンサー。:Flexible Skin Sensor to Help ALS Patients Communicate | Medgadget

  9. スペイン、白杖に取り付ける障害物検知デバイス「Egara」。:Un dispositivo para que las personas ciegas detecten obstáculos en altura, en la final de los premios Fundación Mapfre a la Innovación Social | Líder en Información Social | Servimedia

  10. 視覚障害啓発Tシャツ。点字にシークレットメッセージが隠されている。:EyeSwear Apparel: Blindness advocacy with a twist!

  11. Microsoft、D&Iに関する初野年次レポートを発表。:A first look at our disability representation stats - Microsoft on the Issues

  12. Microsoft、Seeing AIとSoundscapeをブラジルでローンチ。:Soundscape and Seeing AI: Microsoft launches two accessibility applications in Brazil – re:Jerusalem

  13. Microsoft、さまざまなデバイスで利用できる汎用性のあるアイトラッキング技術を開発。:Microsoft researchers develop assistive eye-tracking AI that works on any device | VentureBeat


やっと見出しタグ復活!


いつも本ブログをお読みいただきありがとうございます。

10月初旬のBloggerリニューアルでVoiceoverを使ったHTML編集のやり方が分からなくなり、しばらく記事に見出しが付けられていない状態でした。本当に心苦しく思っていたのです。

試行錯誤した結果、以下のような手順で見出しが付けられるようになりました。


  1. テキストエディットで編集した記事をGoogle Docsの適当な書類にスタイルごとペースト.

  2. Google Docsで見出しスタイルを設定。(見出しにしたいテキストを選択しCommand + Option + 見出しレベルの数字キーを押す)

  3. スタイルごとBloggerにペースト。


※Google Docsのショートカットキー一覧はこちら

これでうまくいくのはBloggerがGoogleのサービスだからなのかな? Pagesの段落スタイルで見出しを設定してもうまく見出しが反映されませんでした。Microsoft Wordは試していません。

ほんとならGoogle Docsだけで記事がかけると良いのですが、筆者の環境ではパフォーマンスも音声読み上げも快適とは程遠かったのでこんな感じに落ち着きそうです。というわけで長らくご不便をおかけしました。


支援技術関連記事まとめ(2022年11月)※お知らせあり。

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