2021年1月8日金曜日

SAMSUNG、2021年モデルのスマートテレビに新しいアクセシビリティ機能を追加。

SAMSUNGのスマートテレビはアクセシブル?(画像引用元


SAMSUNGは米国時間1月11日から開催されるCES 2021に先駆けオンラインイベントを開催し、同社のディスプレイ事業戦略とともに、量子ドット+ミニLED「Neo QLED」採用製品などスマートテレビの2021年モデルを発表しました。

スマートテレビの性能については他報道にお譲りするとして、ここでは内蔵ソフトウェアに追加された新しいアクセシビリティ機能に注目してみます。


新しいスマートテレビにはアクセシビリティ機能として、映像の邪魔にならない位置にキャプションを移動させる機能や手話ウィンドウを最大200%までズームする機能、そしてロービジョンユーザーの視認性を向上させるインターフェイスのカラー反転機能などが追加されています。

これらの機能はユーザーからのフィードバックを反映し開発されたものとのこと。加えて発表イベントではカラー反転機能を実現するため、スマートテレビに搭載されているチップセットが再設計されたことも明かされました。


また一部の報道では音声フィードバックを備えた学習リモコン複数オーディオ出力が可能になったとの記載があります。もしかして後者は副音声を分離して出力する機能なのでしょうか? 筆者は展示会へ出向くたび家電メーカーの方に対し副音声の分離出力機能をリクエストし続けてきました。これが実現すれば副音声を聞きたくない人と一緒にテレビを見る時でも気兼ねしなくてすみますね。違っていたらすみません。

新しい機能の詳細についてはCES 2021でもう少し明らかになるかもしれません。


SAMSUNGは2013年以来、英国の視覚障害者支援団体であるRNIBと協力しスマートテレビのアクセシビリティ向上に取り組んできました。

現在同社の主なスマートテレビには画面上のテキストやリモコンの情報を音声で読み上げる「Voice guide」やロービジョンむけのテキスト拡大機能、Galaxyスマートフォンと組み合わせたデジタル拡大鏡などの視覚アクセシビリティ機能が組み込まれています。

これらの取り組みが評価され2020年モデルのSAMSUNGスマートテレビは、視覚障害者むけの製品を認定する「RNIB Approved」マークを取得しています。2021年モデルにおける機能追加で、より幅広いユーザーに対する利便性の向上が期待されます。


SAMSUNGはさらに2022年までに「Voice guideを備えたスマートテレビのラインナップ拡充の計画を発表。またテレビに内蔵されたカメラで手話を認識しテレビを操作するといった、AIを用いた新しいアクセシビリティ機能の開発にも取り組んでいるとのことです。

スマートテレビは多くのメーカーから販売されてはいるのですが、残念ながら一部のユーザーにとってアクセスできない製品が大多数であり、まだまだ障害者の選択肢は限られているというのが現状。他のメーカーにも特に低価格帯の製品のアクセシビリティ向上に取り組んでいただきたいものです。


参考:Samsung makes its 2021 TVs more accessible for people with vision or hearing disabilities


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