2020年5月28日木曜日

[速報] Twitter、画像の説明文(代替テキスト)機能をデフォルトで有効に。


2020年5月28日、Twitterはツイートに添付するイメージやGIFに画像説明文( 代替テキスト)を追加する機能をデフォルトで有効にすることを発表した


すでに一部のユーザーではこの変更が適用されており、順次全てのユーザーに拡大されていくと思われる。

この機能自体は2016年から存在していた物だが、有効にするためには設定を変更する必要があるため認知度は低く、残念ながらあまり利用されることがなかった。前回のエントリーでは画像説明文の文字量制限の拡張とGIF画像の代替テキスト追加について書いたが、それに引き続きアクセシビリティ絡みで大きな変更が加えられたことになる。

この変更が適用されたユーザーがツイートにイメージやGIF画像を添付すると、「この画像に説明を追加」ボタンが現れ、これを押すことで画像説明文(代替テキスト)を1,000文字まで入力することができる。(※見えているユーザーの証言によると画像の上に「ALT」アイコンが表示され、そこから説明文を登録できるらしい。未確認。)

iOS版公式アプリで確認したところ「設定とプライバシー」>「アクセシビリティ」にあった画像説明文に関する設定項目が消滅していた。Web版ではまだこの設定項目が残っていたが、設定内容にかかわらず説明を追加するボタンは表示されるようだ。将来的にはこの設定項目は無くなると考えられる。つまりこの機能は高級的に有効になり無効にはできなくなる。

画像説明文が追加されたツイートは、見た目には変化がない。
スクリーンリーダーの読み上げカーソルをその画像に合わせると、その説明文が音声で読み上げられる。画像を目で見ることができないユーザーは、その説明文を聞くことでその内容をイメージできるというわけだ。
長文のテキストを画像化しているツイートもよく見かけるが、その場合も画像に含まれるテキストを説明文に登録することで、見えないユーザーにも情報を伝えることができる。

なおiPhone、iPad、MacならVoiceover、AndroidならTalkback、Windows 10ならナレーターと呼ばれるスクリーンリーダーが組み込まれており、これらを用いれば音声で説明文を確認できる。スピーチ機能でも読み上げられるかも。試してない。

Twitterの画像説明文機能がデフォルトで利用できるようになったことで、画像に加える代替テキストについて関心が高まることが期待できる。これまで代替テキストといえば当事者を除くとWebアクセシビリティへの意識が高いエンジニアやブロガーくらいにしか認知されていない印象だったが、これをきっかけに視覚障害者に対する情報伝達についての意識が一般にも広まることを望みたい。
同時に当事者やWebアクセシビリティ界隈からも代替テキストの意味やアクセシビリティの重要性についてアピールを強めていく必要があるだろう。
今回の変更に気がついたユーザーの反応を見てみても、そのようなプッシュがなければスルーされてしまう危惧を感じる。せっかく画像説明文を登録しても、見た目には何も変わりがないのだから。
視覚障害者がどのようにこの説明文を読むのか? どんな説明文を書けば良いのか? 情報をアクセシブルにすることの意味とは? これらが理解されなければ、この機能が継続的に、かつ正しく使われることは難しいだろう。

それでも、これまで隠されていた物が公開された意味は大きい。すぐにアクセシビリティについて興味を持たれることはないかもしれないが、このボタンが見える場所に出現したことで、小さな足がかりが築かれたような気がしなくもない。
まずは気が付いてもらう。これが大事なのである。

P.S.
この機能を発見したTwitterユーザーの反応が結構興味深い。視覚障害者がTwitterを使っていること自体想像できないという声もあった。しばらくウォッチしつつ、この件についてはまた改めて考えてみたい。

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