2019年5月3日金曜日

[メモ] 視覚障害者向け屋内ナビ「Right-Hear」と世界最大級のナビアプリが提携。


視覚障害者の屋内ナビゲーションシステムを開発するイスラエルのスタートアップRight-Hearは、同じくイスラエルに本拠地を置く交通系アプリmoovitとの提携を発表した
世界最大級のナビゲーションアプリとの連携により、Right-Hearを用いた視覚障害者の単独外出がより便利なものになるかもしれない。

Moovitは世界1,800以上の都市で利用できるナビゲーションアプリで、ユーザーはすでに1億人以上とも言われている。ユーザーのライフスタイルに合わせた移動ルートをアドバイスしてくれる機能が特徴だ。
一方Right-HearはBLEビーコンを用いた屋内ナビゲーションシステムを世界各国で展開しており、専用アプリを用いることで視覚障害者を音声でナビゲーションする。すでに医療機関や公共施設、ショッピングセンターや外食チェーンなどさまざまな施設に導入されており、見えなくても単独で施設内を自由に移動することができる。

今回の提携により、利用者はRight-Hearシステムが提供されている場所をアプリで検索し、Moovitと連携させることでその場所までの移動ルートを作成できるようになるという。
例えばRight-Hearが導入されているショッピングセンターを目的地として指定すれば、そこまでのナビゲーションをMoovitで行い、目的地に到着後、Right-Hearアプリで屋内ナビを利用する、といった具合。
要するに屋内ナビゲーションを得意とするRight-Hearと、屋外&公共交通ナビゲーションを専門とするMoovitを繋げることで、視覚障害者の移動をよりシームレスにする、という試みのようだ。
確かにRight-hearが導入され多としても、そこへたどり着くまでの手段が提供されていなければせっかくの設備も活かしきれないだろう。自宅から施設までの間をMoovitのようなアプリで埋められれば、むしろRight-Hear目当てに外出する視覚障害者が増えるかもしれない。
残念なことにRight-hearもMoovitも日本ではサービスされていないため実際に試すことはできないが、スマホを用いるナビゲーションの未来像の一つとして興味深い。特に視覚障害者にとっては、出発地から目的地までの間に「隙間」が発生してしまうと、たちどころに迷ってしまう。その隙間をいかにして埋めていくかが、このようなナビゲーションシステムにとって大きな課題となるだろう。

なおMoovitは視覚障害者をビデオ通話でサポートするアプリ「Be my eyes」との連携も発表しており、視覚障害を持つユーザーを意識したサービスに積極的に取り組んでいるようだ。Right-Hearとの提携とも関係あるのかもしれない。

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