外出先で活動することが多い人々にとって、スマートフォンのバッテリー問題は深刻だ。モバイルバッテリーなどで対策したつもりでも、肝心のバッテリーが充電されておらず、慌ててコンビニにダッシュした経験もあるだろう。いや、近くにコンビニがあるだけそれはまだ運が良かったと言えるかもしれない。
iPhoneのバッテリーを、できるだけ長持ちさせるTipsにはさまざまなものがあるが、最も簡単で効果が高いのが「低電力モード」を有効にする方法だ。iPhoneのバッテリー残量が20%を切ると、このモードを有効にするよう通知が開くので、この名前だけは知っているというユーザーは少なくなりだろう。
だがこのモードを有効にすると何が起きるのか、戻せなくなるのではないかと心配して低電力モードを使ったことがないユーザーは意外と多い。
低電力モードの仕組みを理解し、このモードをうまく活用できるようになれば、バッテリーの心配はかなり軽減されるはずだ。
低電力モードの使い方
低電力モードを切り替えるには、3つの方法がある。
- 設定>「バッテリー」から切り替える
- コントロールセンターに「低電力モード」を追加して切り替える
- バッテリー残量が20%を切ったタイミングで表示される通知から切り替える
低電力モードがオンになると、ステータスバーのバッテリーアイコンが「黄色」に変化し、残量が%表示されるのでひとめでわかるはずだ。Voiceoverユーザーは、バッテリーアイコンにカーソルをフォーカスすれば「低電力モード」と読み上げる。
設定やコントロールセンターから低電力モードオンにした場合は、手動でこのモードをオフにするまで低電力モードのままになる。通知からオンにした場合は、充電し残量が80%を超えれば自動的にオフになる(手動でオフにすることも可能)。
低電力モードで影響する機能
では低電力モードをオンにすると、iPhoneはどのような状態になるのか。
このモードは基本的に、iPhoneのパフォーマンスを一時的に落とすことで電力消費をセーブする。そのほか、いくつかの機能が制限される。以下が、影響のある機能のリストだ。
- 画面の自動ロックを30秒に固定
- 一部の画面エフェクトをオフ
- 「Hey Siri」をオフ
- メールのフェッチ受信をオフ
- アプリのバックグラウンド更新をオフ
- 自動ダウンロードをオフ
- iCloudのフォトストリーム更新を一時停止
最も影響があると思われるのがメールのフェッチ受信だが、「メール」を開いて手動で受信することは可能。もちろん電話やSNSのやりとりにも影響しない。これらの影響を受けないのであれば、外出中は常に低電力モードを有効にすることで、バッテリー駆動時間の大幅な改善が期待できる。
高度な画像編集処理など能力を求められるアプリを使う場合、動作が重くなる可能性があるが、その時だけ低電力モードを切るようにすれば問題ないだろう。
バッテリー節約術っていろいろあるけど…
巷には、iPhoneのバッテリー節約Tipsが溢れかえっている。中にはかなり眉唾なものもあるが、これらは、大きく3種類に分けられると筆者は考えている。
1.日常のメンテナンスで対処する方法
不要な通知や位置情報サービスを無効にしたり、不要なアプリを削除するなど、iPhoneの状態をできるだけ無駄のない状態にメンテナンスすることでバッテリー消費を抑えるアプローチ。
2.設定の切り替えで対処する方法
TPOに合わせ、Wi-FiやBluetoothをオフにしたり、画面の明るさを調節するなど、日常使っている設定を一時的に変更することでバッテリーの持ちを改善させるアプローチ。
3.ハードウェア的な対処法
モバイルバッテリーを持ち歩く、iPhone内蔵バッテリーを交換するアプローチ。
世間的には「2.」のアプローチをよく見かけるきがするのだが、いざ実践しようとすると、いちいち設定を切り替えるてまを感じるし、帰宅してうっかりWi-Fiをオンにし忘れデータ通信量を無駄にしてしまう、なんてこともよくあるお話。結局いつの間にかそのような工夫も忘れ、外出先でバッテリー切れに難儀するというループに突入しがちだ。いくら効果的なTipsでも、継続して使い続けられなければ意味はない気がしなくもない。
その意味でも「低電力モード」はシンプルで覚えやすく、影響する機能も限定的。なおかつパフォーマンスを落とすという根本的な対策を実行できるので効果もてきめんだ。
今まで使ったことがなかったiPhoneユーザーは、一度この機能の実力を体験してみてはいかがだろうか。
関連リンク:
※この記事はiOS 12.1.1にて執筆しました。
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