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2018年12月23日日曜日
盲導犬・ミーツ・ロボット。安全は確保されるか。
その実現はまだ先と言われている自動運転車の安全性については、すでにあちこちで活発な議論が繰り広げられている。だが一方で、それに先んじて、人々の生活に進出しつつあるロボットやドローンの安全性については、どれだけの検証がなされているのだろうか。
サンフランシスコのスタートアップ、スターシップ・テクノロジーは、かつてのSkypeの共同創業者、Ahti Heinla氏とJanus Friis氏が2014年に設立したロボット開発会社だ。同社は歩道を自動走行して荷物や食料品をデリバリーするロボットを実用化し、世界各国で事業を展開。着実にビジネスを拡大させている。
この配送ロボットは歩行者と同等のスピードで自律移動し、障害物はセンサーでけんち。トラブルが発生した際は搭載されたカメラを通して遠隔操作される。ピザやドリンクを積んで街中を闊歩する配送ロボットの姿は、未来的光景として受け入れられつつあるようだ。今のところ目立った事故は発生していないという。
だが、盲導犬のような障害者を補助する動物にこのロボットがどのような影響を与えるかは未知数だった。散歩中の犬なら飼い主が危険を察知して回避できるが、もし盲導犬がパニックなど何らかのトラブルに遭遇した場合、ユーザーである視覚障害者の身にも危険が迫る可能せがある。
スターシップ社は、英国イングランドにあるタウン、ミルトン・キーンズの盲導犬協会と協力し、街中を移動する配送ロボットが視覚障害者および盲導犬にどのような影響を与えるかの実験を行なった。
実験では、ロボットと盲導犬がすれ違う、正面から向かってくるといったさまざまなパターンで行われた。
参加した全ての盲導犬は近づいてきたロボットに対して冷静に対処し、ほとんどは歩行を停止したという。盲導犬、ロボット共に害を与えるといったトラブルは見られなかった。この結果を踏まえ、盲導犬はロボットを路上の他の障害物と同様に扱うように訓練される。同社は引き続き広範囲な実験を実施していくという。
この例では大きな問題は発生していないようだが、公共スペースに突然現れたロボットやドローンは、明らかに「異物」である。人間は理解できても、動物にどのような影響を与えるかはわからないし、トラブルにとっさに対応できない人々、視覚障害者や車椅子、高齢者やベビーカーなどにとって危険をもたらさないかは、入念に設計・検証されるべきだろう。
我が国でも、2020年に向けて警備や誘導などのロボット導入や、物流分野でのロボット活用が計画されている。そしてその先には、自動運転車の時代が待ち構えている。
新しいテクノロジーが社会へデビューしていく中で、全ての人や環境に対し以下にして安全性を確保していくのか、企業の姿勢が問われる。
関連リンク:
Guide Dogs and Robots Get Along Just Fine, Study Says - Robotics Business Review
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