野球観戦は、視覚障害者の間でも特に人気のあるスポーツだ。
シーズン中はラジオ中継を欠かさず放送しているし、守備と攻撃がはっきりしているルールは、音声だけでも状況を把握しやすい。ラジオ実況を聞きながら、脳内のスタジアムでは白熱したゲームが展開されるのである。
だが多くの野球ファンは、そのような視覚障害を持つ野球ファンのことをどれだけ知っているのだろうか?
米国の盲人連盟(NFB ~ National Federation of the Blind)と、MLB、アメリカンリーグ東地区に所属するボルチモア・オリオールズは、2018年9月18日、視覚障害について理解を深め、NFBの40周年を祝うためのイベントゲーム「Blind night」を開催する。
(対戦相手はトロント・ブルージェイズ)
ゲーム当日、選手は背中の名前と正面の「Orioles」を点字で印刷したユニフォームを着用。米国のプロスポーツでこのような試みは初めてのことだという。試合終了後、ユニフォームは選手のサインを添えてチャリティーオークションに出品される。
6つの点で文字を表現する点字がユニフォームになるのは、想像するだけでインパクトがあるし、エレガントだ。多分凹凸は無いとは思うが。
また15,000枚の点字アルファベットカードが観客に配布される他、盲人の歌手・ピアニストのCarlos Ibay氏が国歌斉唱を担当。NFB代表のMark Riccobono氏が始球式を務める。もちろん彼も視覚障害者であるため、どのようなピッチングを披露するのか注目だ。
これは想像だが、観客は手元の点字アルファベットカードを使って、選手のユニフォームに印刷された点字を解読する楽しみもあるのかもしれない。これは子供にも楽しい仕掛けでは無いだろうか(妄想)。
これらの模様しは、多くのMLBファンに視覚障害について関心を持ってもらうのと同時に、障害の有無にかかわらずスポーツを楽しむ素晴らしさを改めて共感するきっかけになるだろう。
筆者は環境が無いためチェックできないが、CSなどMLB中継を視聴できる環境があれば、もしかしたら日本からこのゲームを楽しめるかもしれない。
国内でもチャリティーイベントは開催されているが、ここまで規模の大きなものは聞いたことはないし、押し付けがましく無いスマートでユニークな演出は、さすが米国といった印象だ。
2020年のパラリンピック開催が迫る中、障害者への理解を深める手段として、こういうのもアリな気がしなくも無いのである。
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