2018年8月20日月曜日

画面の割れたiPhoneも、Voiceoverなら操作できる(かも)


iOSのスクリーンリーダーVoiceoverは、主に視覚障害者や失読症患者のために用意された支援技術だが、そのようなハンディを持たない一般のユーザーにとっても、役に立つケースも少なくない。
そのような支援技術の応用例を紹介する。

画面が割れても、諦めることなかれ

ふと手に持ったスマートフォンが、何かの拍子にするりと地面へダイブ。
誰もが体験したことがある、悪夢のような瞬間だ。

いくら防滴・防塵スマホを選ぼうとも、ゴツいケースでガードしたとしても、避けられないのが落下・衝突などの物理的プレッシャーに起因する「ディスプレイの破損」だ。
いうまでもなくディスプレイはスマートフォンの生命線。破損により正常に画面が表示されなくなるのはもちろん、ひび割れなどでパネルに電流が流れなくなると、タッチ操作を受け付けなくなってしまう。
普段から定期的にバックアップしておけば、端末を修理したり買い換えたりした後にデータをある程度復旧させることができるが、破損は突然やってくる。直前まで作業していたデータや撮影した写真は失われてしまうし、急いでだれかに連絡しなければならないかもしれない。場合によってはパスコードが入力できず、ロック画面から先へ進めない、なんてことにもなりかねない。

もし、悲嘆に暮れるあなたが手にしている満身創痍のスマートフォンが「iPhone」で、
わずかでもタッチパネルに操作可能な部分が残っているのなら、のぞみがある。

iPhoneには、画面が見えなかったり、文字が読めないユーザーのために「Voiceover」という昨日が標準で用意されている。
具体的な操作方法は後述するが、視覚情報なしでiPhoneを操作できるように、Voiceoverのジェスチャは、通常の操作とは大きく異なっており、ディスプレイの一部が反応しない状態でも、残存している部分を使ってiPhone全体の操作が可能になっている。
この昨日を使い、瀕死のiPhoneからデータをサルベージしたり、緊急の連絡を行う方法を紹介仕様。


Voiceoverをオンにするには


通常、Voiceoverをオンにするには、iPhone設定の「一般」>「アクセシビリティ」>「Voiceover」と進み、Voiceoverをオンに切り替えればいいが、ディスプレイの破損状態によってはこの方法は使えない。
だがiPhoneの画面が大きく破損してしまい、通常の操作ができな区なってしまったも、ホームボタンやiTunesを用いてVoiceoverをオンにする方法がある。

ホームボタンのトリプルクリック

この方法を実行するには事前に設定が必要。
iPhone設定を開き、「一般」>「アクセシビリティ」>「ショトカット」と順に開き、「Voiceover」にチェックを入れる。
このとき、Voiceover以外の項目にはチェックを入れないようにしよう。
この設定をしておけば、ホームボタンを3回連続して押すと、Voiceoverがオンになる。Voiceoverをオフにするには、もう一度ホームボタンを3回連続して押せばいい。この機能はロック画面でも使用できる。

Siriを使う

Siriが使える状態になっていない場合は、iPhone設定の「Siriと検索」を開いて初期設定を行う。
その上で「ホームボタンを押してSiriを使用」と「ロック中にSiriを許可」を有効に設定する。

ホームボタンを長押ししてSiriを呼び出し、
「ボイスオーバー オン」と話しかけるとVoiceoverがオンになる。
Voiceoverをオフにするには「ボイスオーバー オフ」と話しかければいい。
もしロック中にSiriを許可するのは心配なら、前項のホームボタンのトリプルクリックを使おう。

パソコンのiTunesに接続する

もし日常的にiPhoneとパソコンのitunesを接続して同期やバックアップを実行しているなら、iTunesからVoiceoverをオンにすることもできる。
ただ、接続するタイミングによっては、iPhone側からパソコンとの接続を改めて許可しなければならず、ディスプレイの破損箇所によってはこの方法は使えないかもしれない。

無事iPhoneとiTunesが接続できたら、iPhoneの概要ページにある「アクセシビリティの設定」ボタンをクリックして、Voiceoverにチェックを入れよう。


Voiceoverの操作方法


さて、なんとかVoiceoverがオンになっただろうか。
Voiceoverの操作は、通常のタッチ操作とは大きく異なり、アクションを実行したい部分を音声で読み上げさせてから、タップ操作などを実行する「2段構え」になっている。
ジェスチャの基本は、

1本指で左右にスワイプ 操作する項目を選択する(項目を読み上げ)
1本指でダブルタップ タップ操作を実行する

また、ホームのページを移動するには、右スワイプして「全XXページ中XXページ目」と読み上げられたら、1本指で上下にスワイプすればOK。
これらのジェスチャは、タップしたい場所とは無関係の位置で操作しても確実に操作することができ、画面表示されなくなった部分も、音声を頼りに操作することが可能だ。
他にもさまざまなジェスチャがあるが、操作できる部分が限られる状況では使えないものもある。とりあえず、この基本ジェスチャを覚えておけば最低限の操作ができるだろう。

ロック画面でパスコードを入力するには、左右スワイプですうじを選び、ダブルタップで入力していく。
ホーム画面が開いたら、「写真」を開いてカメラロールからバックアップしていない写真をクラウドに保存したり、「電話」アプリを開いて、連絡先や着信履歴から発信することもできる。
うっかりバックアップを怠っていたとしても、iCloudバックアップやフォトストリームを有効にしてデータの救出も可能だ。

多少、操作に時間がかかってしまうが、通常の方法では手も足も出ない「画面が割れたiPhone」から貴重なデータを可能な限り救い出せるのは大きな違いだろう。
前述の通り、VoiceoverはiPhoneに標準搭載されている昨日ではあるが、緊急時に素早く機能を有効にするためには事前の設定が必要。個人的には「ホームボタンのトリプルクリック」が通常使用での影響も少ないので、設定しておくことをお勧めしたい。
きっと「設定しといてよかった」と思える日が来る……かもしれない。
何はともあれスマホの落下には、くれぐれもご注意を。

関連リンク

Androidスマホの対処法にも触れられている。


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