2021年5月7日金曜日

前方の障害物を教えてくれるスマートシューズ「InnoMake」。

InnoMake(画像引用元


InnoMakeは、オーストリア、ウィーンに拠点を置くスタートアップTec-Innovation GmbHによって開発された、視覚障害者の安全な歩行をサポートするスマートシューズです。

このスマートシューズの爪先には障害物との距離を測定するための超音波センサーが組み込まれており、加えて足の動きを検出する加速度センサー、装着者に警告を通知する振動ユニット、高輝度LEDランプ、そして専用アプリをインストールしたiPhoneと接続するためのBluetooth通信機能が備えられています。

内蔵バッテリーはmicro USBポートを経由して充電し、3時間の充電で最大一週間持続します。動作モードの切り替えや電池残量の確認はシューズに搭載されているボタン、もしくはiPhoneアプリで操作することが可能です。iPhoneを使えばくつの場所を探すなどの機能が利用できますが、単独でも問題なく使用できるよう設計されています。


InnoMakeの超音波センサーは、装着者の目の前 0.5から4メートル以内にある障害物を検出し、選択された動作モードにしたがってシューズの振動、LEDランプの点灯、もしくはペアリングされたiPhoneからサウンドを鳴らすことでユーザーにフィードバックする仕組みとなっています。

ユーザーの好みにに応じてフィードバック方法が選べるのが特徴で、特にLEDランプは暗い場所で視力が極端に低下するロービジョンのユーザーには有効かもしれません。ちょっと目立つかな? iPhoneアプリを使えば障害物を検知した靴の方向から音が聞こえてくるようです。

オンラインショップでの価格は、フルセットで3,200ユーロ。手持ちのシューズに取り付けるタイプもあります。無料のお試しも可能で購入時には医療機器として補助制度なども利用できるようです。


InnoMakeはオーストリアのグラーツ工科大学との共同プロジェクトであり、次のステップとしてシューズに追加する人工知能ベースのカメラセンサーモジュールの開発に取り組んでいます。

この機能を実現するため、研究者は独自のディープラーニングアルゴリズムを開発しました。機械学習によって訓練されたアルゴリズムは、カメラが収集した画像をニューラルネットワークモデルに基づいて解釈し目の前にある障害物の種類や距離を特定することができます。

この技術により新しいモジュールは単純に障害物を検知するだけでなく、前方にどのような障害物があり、どちらの方向へ歩けば安全であるかといった情報をユーザーへ提供することができるようになるとのことです。

また装着者から得られた障害物や地形などの情報をクラウド上のナビゲーションマップへ集積・共有することで、InnoMakeユーザー全体の利便性を改善するという仕組みも考えられているようです。このようなアプローチは結構目新しいですね。このモジュールはまだプロトタイプの段階であり製品化の時期は明らかにはされていません。


視覚障害者の移動を支援するウェアラブルデバイスは様々なタイプのものが実用化されています。その中でもスマートシューズの最大の利点は、その「目立たなさ」にあるでしょう。特別なデバイスを身につけたくない視覚障害者にとっては大きな選択肢となるかもしれません。

視覚障害者向けのスマートシューズとしては、すでにオランダの「KEEXS eMotion」や、インドの「LeChal」などの製品が登場しています。


参考:Aus der Fußperspektive: TU Graz entwickelt Algorithmus für schuhbasiertes Blindenassistenzsystem


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