2021年5月10日月曜日

[粗訳] メタ分析により、視覚障害と死亡率との関連性が明らかに。

元記事:Vision Impairment is Associated with Mortality (uofmhealth.org)


メタアナリシスにより、視覚障害や失明が死亡率の上昇につながることが明らかになりました。世界的な目の健康格差に対処する必要性が指摘されています。


世界人口の高齢化により、同時に目の高齢化が問題となっています。実際、視力障害や失明を患う人の数は今後30年間で2倍以上にも膨れ上がると予想されています。

Lancet Global Health誌に掲載された17件の研究から得られた48,000人を対象としたメタアナリシスによると、重度の視覚障害がある人は、晴眼者や軽度の視覚障害がある人と比べ、全てのケースにおける死亡のリスクが高いことがわかりました。

この分析によると、軽度の視覚障害のある人は晴眼者と比べ、死亡リスクが29%上昇し、また重度の視覚障害者では、死亡率が89%にまで高まることがわかりました。

重要なことは、視覚障害の原因のうち80%は予防や矯正が可能であるということです。世界的に見ても、視力低下や失明の主な原因となっている白内障やメガネの不足は、いずれも回避可能なものです。


本研究の筆頭著者であるJoshua Ehrlich医学博士は、視覚障害と死亡率との関連性をより深く理解しようと努めました。

この研究は、認知症、うつ病、独立性の喪失への影響など、晩年の視力障害が健康と幸福に与える影響を強調したEhrlich氏の最近の研究(The Lancet Global Health Commission on Global Eye Health)の一部を補完するものです。 。


「視力の喪失は、単に世界の見え方が変わるというだけではなく、日常の経験や人生に大きな影響を与えるものです。そのためこれらの問題に早期に取り組むことが重要です。

今回の分析は、世界中で回避可能な視力低下を矯正、回復、予防することで、健康と幸福だけでなく、長寿を促進するための重要な機会を提供するものです。」


この研究は Wellcome Trust, Commonwealth Scholarship Commission, National Institutes of Health, Research to Prevent Blindness, the Queen Elizabeth Diamond Jubilee Trust, Moorfields Eye Charity, National Institute for Health Research, Moorfields Biomedical Research Centre, Sightsavers, the Fred Hollows Foundation, the Seva Foundation, the British Council for the Prevention of Blindness,Christian Blind Missionから資金の提供を受けています。


文献:“Association between vision impairment and mortality: a systematic review and meta-analysis,” The Lancet Global Health.


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