2020年9月21日月曜日

A11Y Topics #008。LiDArを応用したナビシステム、Appleの触覚時計バンドの特許など。


※一週間で見つけた支援技術、主に視覚リハに関する記事のメモ書き。基本月曜更新。たぶん。

※乱文・誤変換ご容赦です。

※誤訳・読解力不足多々あると思います。元記事も併せてご覧ください。

※bloggerの仕様変更で見出しタグが付けられてません。「○」で検索してジャンプしてください。

※困ったな。


○LiDArを応用した視覚障害者向け屋内ナビゲーションシステム。

GoodMaps announces breakthrough indoor positioning technology to power accessible navigation application - GoodMaps


米国American Printing House(APH)の関連スタートアップであるGoodMapsは、スマートフォンアプリとマッピングツールをバンドルした視覚障害者向けの統合屋内ナビゲーションシステム「GoodMaps Explore」を発表した。このシステムはこれまでAPHが提供していたナビゲーションアプリ「ACCESS EXPLORER」をベースに開発されたもので、すでにiPhone向けアプリがダウンロード可能となっている(日本のAppStoreでは利用不可)。

一般的に屋内ナビゲーションシステムを構築するためにはまずフロア内のマップデータを作成する必要があり、これが非常に手間と時間がかかる作業だった。同社が提供するLiDArスキャナベースのマッピングプラットホーム「GoodMaps Studio」は、この工程を大幅に効率化したという。GoodMaps StudioではLiDArスキャナによりフロア内のさまざまな構造物やオブジェクトを立体的に記録し、屋内のマップデータを構築する。このマップデータとスマートフォンアプリ「GoodMaps Explore」のカメラが捉えた画像をマッチングすることでユーザーの位置を推測し、ナビゲーションを提供する仕組みだ。誤差は最大で1.5メートル程度とのこと。

これまで広く利用されてきたBLEビーコンを用いる方法と比較し、このシステムは測位精度が高く、導入・運用コストも大幅に軽減できると同社は語る。LiDArスキャナを視覚障害者ナビに応用する試みはいくつか見られたが、なるほどこの手があったかといった印象。これならスマホにLiDArが搭載されてなくても使えるもんね。


○Apple、スマートウォッチのバンドにアクティブな凹凸を生成し情報を伝達する特許。

Apple researching Apple Watch bands that can provide information in Braille | Appleinsider


先日のSeries 6やSEの発表で一掃の注目を集めているApple Watch。様々なセンサーが追加されインプット周りは進化し続けているが、情報のアウトプットに関しては相変わらずディスプレイと音声、シンプルな振動のみで大きな変化はない。だがAppleはこの状況を「触覚」で打破しようとしているのかもしれない。

米国特許商標庁は、Appleが2016年に申請した触覚機構を備えた時計のバンドに関する特許を公開した。Patently Appleの記事によるとこの特許は、スマートウォッチのバンドに仕込まれたソフトアクチュエーターを用いてベルトの表面もしくは内側に凹凸を発生させ、触覚によって時刻や通知などの情報を伝達するというもの。

現行のApple Watchでは振動で時刻を知らせるTaptic Timeという機能があるが、バンドにシンボルや点字を表現することで、より詳細な情報を伝達できるという。会議中や映画館といった画面や音で情報を取得しにくい状況での利用が想定されているが、視覚障害者や盲ろう者への情報伝達にも活用することができる技術だろう。

Appleはこの技術を将来的にリリースする(かもしれない)リングやスマート衣服などのウェアラブルデバイスへ導入する可能性も示唆している。


○バルセロナ。視覚障害者のバス利用を支援するシステムを導入。

Los autobuses de Barcelona ofrecen un asistente virtual para personas ciegas


スペイン、バルセロナ交通局(Transports Metropolitans Barcelona TMB)は、視覚障害者のバス利用をサポートするインテリジェントなシステムの導入を発表した。

バルセロナ市内にある役2,600のバス停留所と役1,080台のバス車両にBluetoothビーコンを設置。ユーザーのスマートフォンにインストールされたTMBアプリと相互通信するシステムを導入した。

視覚に障害を持つ乗客はTMBアプリを用いてバスの時刻や運行状況をリアルタイムに確認できる他、乗りたいバスのドライバーにメッセージを送信することもできる。また「Guide to Step option」機能により乗りたいバスが到着したか、停止しているか、ドアが開いているかなどの情報も提供する。これは複数の路線が混在しあらゆる方向へ向かうバスが集中するターミナル停留所で特に便利だろう。これに加えそれぞれの停留所にはnavilensのコードが導入され、視覚障害者が目的の停留所を見つける手助けをしてくれる。

またこれとは別件で、同じくスペインのサラゴサではバス停留所にnavilensを試験導入することも発表されている

鉄道と比較するとバスの利用は複雑で、障害を持っていなくても乗り間違いなど起こしてしまいがちだ。このようなシステムは視覚障害者に限らず、土地勘の乏しい観光客やビジネスパーソンなどにとっても有益だろう。


○盲導犬団体がBe My Eyesと提携。専門的なサポートを提供開始。

Guide Dogs for the Blind joins Be My Eyes!


北米地域で最大の盲導犬団体であり盲導犬の育成やトレーニングなどを行うGuide Dogs for the Blind(GDB)は、マイクロボランティアサービスBe My Eyesと提携し、同アプリの「スペシャライズド・ヘルプ」を通じたサポートを北米在住の視覚障害者に対し提供することを発表した。盲導犬団体がBe My Eyesとのパートナーシップを結ぶのはこれが初めてとのこと。

盲導犬ユーザーは、パートナーの健康チェックやフードのパッケージの識別、ハーネスの問題に至るまで、盲導犬に関わるあらゆるサポートをスマートフォンのビデオ通話を介して受けることができる。専門知識を持つサポートと迅速に接続できることは、盲導犬ユーザーには心強いだろう。


○リードユーザーとしての障害者。イノベーションは障害者のニーズから生まれる。

Why People With Disabilities Are Powerful Drivers of Innovation | Muse by Clio


どれだけマーケティングを尽くしたとしてもマジョリティのニーズからは世界を変革するようなアイデアはなかなか生まれてこない。市場はマジョリティの枠からはみだすことで斬新なアイデアを捻り出そうとするが、本当に画期的なアイデアは「枠の外」にこそ存在している。これまでも世界を変えた多くの発明は、障害を持つ者のニーズから生み出されている

記事では最近の例としてマルチタッチディスプレイや音声アシスタント、歴史的には歩道の縁石カットやタイプライター、蓄音機などが挙げられている。障害者のための技術が結果としてあらゆる人々に恩恵をもたらすという、いわゆる「カーブカット効果」としては他にもエレベーターや映像のキャプションなども含まれる。

障害者をリードユーザーとしてとらえ、ユニークなニーズを救い出すことが世界を変えるイノベーションに繋がるのではないだろうかというお話。


○ゲーム関連トピックス。


その1. Marvel’s Avengers’ accessibility options are severely limited - Polygon

「Marvel’s Avengers」は、リリース前からそのアクセシビリティオプションの充実についてアナウンスされてきた作品だった。参考記事1参考記事2

だがいざ発売されてみると一部の障害を持つゲーマーは、その前宣伝とのギャップに落胆を隠さない。この記事では、ロービジョンのプレイヤーがキャプションのカラー調整やゲームプレイに直接影響のあるHUDの視認性などに関してアクセシビリティの不足を指摘している。それはリリース前の報道からイメージしたものとは大きくかけ離れていたものだったようだ。

「Gears 5」や「The Last of Us Part II」といった優れたアクセシビリティオプションを持つ作品の後では、求められるハードルが高まっているのは事実。だが一方であのレベルのアクセシビリティを実現するためにはまだ時間もノウハウも不足している。アクセシビリティは一夜にして成らずである。

ゲームのアクセシビリティに注目と期待が集まる中、これからはメーカー自身が作品のアクセシビリティを慎重に評価し、ユーザーに対し正確な情報を誠実に提供することが求められてくるだろう。


その2. 次世代コンソールの没入型サウンドに期待。

PS5もXbox Series Xも発売日や価格がアナウンスされ、いよいよ盛り上がってきた次世代コンソール。アクセシビリティに関する情報はほとんど入ってこないが、期待はしておきたいところ。

視覚障害者としては、次世代コンソールの特徴である「没入感」がアクセシビリティへの扉を開く可能性を秘めていると考えている。以前に取り上げたPS5の触覚技術もその一つ。

そしてもう一つが「音」。PS5ではTempest” 3Dオーディオ、XboxではDolby VisionとAtmosをサポートし、音による空間表現が大きく進化しているようだ。これらの技術により「TLOU2」のようなスクリーンレスでプレイできるゲームがもっと登場して欲しいものだ。


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