2020年9月6日日曜日

A11Y Topics #006。OSMベースのルート検索システム、Twitterのアクセシビリティチーム、Google Docsなど。

※乱文・誤変換ご容赦です。
※誤訳・読解力不足多々あると思います。元記事も併せてご覧ください。

OpenStreetMapを活用した視覚障害者専用の歩行ルート検索システムを開発。


イスラエル工科大学の研究者は、OpenStreetMap(OSM)を用いた視覚障害者に特化したルート検索システムの開発を発表した。研究者は当事者や歩行訓練士の協力を得て、視覚障害者が安全に移動するための施設や手がかりを検討しOSMへ登録、このデータを元に最適なルートを算出するアルゴリズムを開発した。
繰り返し実施されたテストによると、このシステムによって生成されたルートは当事者や歩行訓練士が最適と考える経路と同一、もしくはそれに近い結果を示したという。
歩行者の移動ルートを提案するナビゲーションサービスはGoogle Mapsなど数多く存在するが、これらのルート検索で弾き出されるのは基本的に最短距離のルートだ。近年になりスロープやエレベーターなどの施設を優先的にルートに組み込むバリアフリーマップの構築が進められつつあるが、視覚障害者特有の障壁を考慮したものはまだ少ない。
例えば多少遠回りになったとしても、可聴式信号機が設置されている交差点やてんじブロックが敷設されている歩道を選ぶ方が圧倒的に安全に歩行できる。また視覚障害者はそのような地形的な特徴だけでなく、伝え歩きしやすい建築物や障害物の有無、店舗から流れてくる音や飲食店からの匂いに至るまで、独特なランドマークを用いて自ら移動しやすいルートを試行錯誤し構築している。今回のルート検索技術とともにこのようなデータが蓄積されていけば、視覚障害者の移動の障壁は大きく軽減されるだろう。

Twitter、新しい2つのアクセシビリティ専門チームを組織。


2020年6月、Twitterが音声によるツイート機能をリリースした直後、同社はその機能がアクセシブルでないという多くの批判に直面した。クローズドキャプションなど聴覚に障害を持つユーザーのための機能が全く用意されていなかったことが主な要因だ。さらにTwitter社にはアクセシビリティを扱う専門チームが存在していない事実も明らかになり、同社は即座にこれらの問題を改善することを約束した。
そして現地時間9月2日、Twitterは公式ブログを通じて「Accessibility Center of Excellence(ACE)」および「Experience Accessibility Team (EAT)」という新しい2つのアクセシビリティチームを組織したことを発表した。
大まかに言えば前者は企業全体のアクセシビリティ促進に関する業務を、後者は開発した製品や新たに開発する製品のアクセシビリティに関する業務を担う。すでに2021年初頭リリースを目標に、ツイートされたビデオやオーディオにキャプションを加える機能を開発しているという。
専門チームが結成されたことで、今後はユーザーからのフィードバックも反映されやすくなるだろう。今までアクセシビリティチームが無かったという事実は衝撃的だったが、そこからわずか2ヶ月あまりでここまで達成したTwitterのフットワークの軽さにもびっくりだ。

Apple、デバイスの一部分だけに触覚フィードバックを発生させる特許を取得。


米国特許商標庁が2020年9月1日に公表した「Tactile notifications for electronic devices」と題された特許の内容は、Appleがスマートフォンなどのデバイスに、よりきめ細かい触覚フィードバックを実装する可能性を示している。従来の触覚フィードバックはデバイス全体を振動させることでユーザーに通知などの情報を伝達するが、この特許はデバイスの一部分、例えばスクリーンの四隅やトラックパッドのエッジなどを振動させるアイデアを含んでいる。また複数のアクチュエーターなどを用い事なる触覚を表現する事で通知の内容を区別する方法も示されている。
もしこのアイデアが実現すれば、画面を見ることができないVoiceoverユーザーにも大きなメリットがあるだろう。例えばマップの地形や図形、グラフなどのイメージをタッチし、その形状に応じた触覚フィードバックが得られれば、音声だけでは伝わらない情報を理解しやすくなるかもしれない。
スマートデバイスのインターフェイスはどうしても視覚と聴覚に大きく依存している。これに触覚というレイヤーが加わることで、異次元のエクスペリエンスが実現するかもしれない。Appleはこれまでも多くの触覚関連特許を取得しており、その可能性を探っていることだけは間違い無いだろう。

Google Docs、アップデートで視覚アクセシビリティを強化。


源氏時間2020年8月30日、Googleは同社が提供するクラウドオフィススイート「Google Docs」をアップデートし、支援技術を活用する視覚障害者のための新しいショートカットキーの追加と機能の改善を行なった。
公式ブログで明らかにされた変更点は以下の通り。
  • 新しいショートカットキー「Ctrl+Alt+H」、Macでは「CMD+Option+H」を使い、Docs、Sheets、Slidesにおける点字ディスプレイサポートを切り替えられるようになった。
  • ショートカットキーでナビゲートする場合、コメント、見出し、スペルミス、提案などカーソルの移動先が通知されるようになった。
  • 長いドキュメントやリストをナビゲートする際の信頼性が向上した。
  • 画像、スペルミス、文法エラーが直接言語化されるようになった。
  • 表をナビゲートするときやコンテンツを選択するときにセル全体の内容をアナウンスするなど、ナビゲーションと選択の言語化を改善した。
個人的にはGoogle Docs、少なくともMacではスクリーンリーダーでかなり苦戦して挫折した記憶がある。これを機に再チャレンジしてみようと思う。思うだけ。

最近見つけた、視覚障害者向けモビリティデバイスたち。


メキシコのスタートアップが開発している「STRAP」は障害物を検知し振動で通知してくれるウェアラブルデバイス。頭から下半身までの位置にある障害物をカバーし、ハンズフリーで利用できる。スマートフォンとの連携も可能で、緊急時に位置情報を含めたSOS発信機能も持つ。現在プレオーダー受付中で、2021年夏の発売を予定。

ケニアのスタートアップHope Tech +が開発中の「FOURTH EYE」は、超音波を用いた障害物検知デバイス。現在アフリカ各地でユーザーテストを実施している。同社はさらに「THE SIXTH SENSE」と呼ばれる歩行支援デバイスも開発中とのこと。

ドイツのデザインスタジオwerteloberfellが開発したスマート白杖「Sense Five」のプロトタイプ。この白杖は画像認識を用い周囲の情報を解析しユーザーへフィードバックする。白杖のグリップ表面の質感を変化させる仕組みがユニークだ。自動的に点灯するLEDライトも搭載している。

これは新製品では無いが、障害物を検知するリストバンド型デバイス「Sunu Band」が、ソーシャル・ディスタンシングに役立っているという記事。列に並んでいるときや買い物中に周囲との距離を保つことができたといった声が寄せられているという。このデバイスは障害物との距離に応じて振動の強さが変化するが、行列に並ぶ時は一定の振動をキープすることで距離を取りつつ待機できるということのようだ。なるほど。

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