2019年7月28日日曜日

米ウォルマート、薬の情報を音声で提供する「ScriptTalk」。


「お薬は、用法・用量を守って正しくお使いください」
全くもってその通り。誤った服薬は病状を悪化させるだけでなく、場合によっては想像以上の健康被害をもたらす可能性がある。それだけに、視覚障害者にとって薬の管理と服薬のコントロールは重要な問題の一つだし、細心の注意が求められる。
だが多くの場合、病院や薬局で渡される薬の説明は紙に印刷されたものだけ。これでは視覚障害者はお手上げだ。結局、ヘルパーや家族に手伝ってもらい、さまざまな工夫をしなければならない。いざという時、一人で対処できない視覚障害者も少なくないだろう。

米国ウォルマートと同社が展開する会員制スーパーマーケットSam's Clubは、印刷された文字を読むことが困難な顧客を対象に、視覚障害者向けの支援機器を製造・販売するEn-Vision America社と提携し、処方薬の情報を音声で確認できる機を提供している。2012年から一部の店舗で提供を開始しており、これを全米のどの店舗からでもオンデマンドで利用できるようになると言う。

これは「ScriptTalk」と呼ばれる電子タグシステムを用いたサービスで、薬局は処方薬の容器の底面に情報を書き込んだRFIDタグを貼付。顧客は無料で貸し出される、電池駆動の読み取り端末「ScriptTalk Station」を用いることで、電子タグに書き込まれた情報を音声で聞くことができる、という仕組みだ。この情報には薬の名前、服用量や服用タイミング、注意点、薬の補充情報、医師や薬局情報などが含まれる。

ScriptTalk Stationは3つのボタンと音量ツマミと言うシンプルなインターフェイスで、薬のボトルをのせるだけで情報を合成音声で読み上げるため、電子端末の操作に慣れない高齢者でも簡単に操作できるのが特徴だ。インターネット接続も不要でQRコードのように、コードが印刷されている場所を探す必要もない。
これまでも点字ラベルを貼付したり、スマホのアプリを用いて薬の管理を行う方法はあったが、点字が読めなかったり、スマートフォンが使えない視覚障害者も少なくない。専用端末を用いる音声サービスなら、多くの顧客をカバーできるだろう。
このサービスを利用すれば、目が見えなくても自分だけで服薬のコントロールが実現するはずだ。誰の手助けも借りずにできることが増えれば、自立した生活を送る自信にも繋がってくるに違いない。

このサービスは米国全域のウォルマートとSam's Clubの薬局で無料で利用できる。現時点でおよそ1,200の店舗でサービスを提供しており、まだ準備が整っていない店舗でも、利用希望を申し出れば1週間程度で利用できるようになるとのことだ。

電子タグを用いて視覚障害者をサポートする技術としては、「WayAround」や「ものタグ」などが実用化されているが、読み取り端末としてスマートフォンが必要となるため、使えるユーザーを制限してしまうのが難点。
「ScriptTalk」のように、ICTに不慣れなユーザーでも使えるソリューションがあれば、情報の提供だけでなく、ICTや点字のレクチャーなどにも応用できそうと思うのだけど、どうですかね。
電子タグとQRコード、バーコードが読める専用端末、誰か作ってくれないかなあ。いや、きっとどこかもう作ってるはず。ご連絡ください。

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