2019年4月7日日曜日

見えない子供の空間認識を育てるブレスレット「ABBI」。

ABBIオーディオブレスレット(画像引用元

「ABBI」は、視覚障害を持つ子供たちが、世界とスムーズに対話するために必要な「空間認識能力」を身につける手助けをしてくれるウェアラブルデバイスだ。
2014年にイタリア技術研究所(IIT)の研究者を中心に開発が始まり、EU各国の教育機関と視覚リハビリテーション施設の協力で実証実験が進められている。

ABBIの中核となるのが、手首や足首に装着し、手足の動きに応じてさまざまなサウンドを再生するオーディオブレスレット。これを被験者とその周囲の人々が身につけることで、他人の存在や位置、動きや仕草を聴覚を用いて感じ取ることができる。それは自分と他者の物理的な相関関係を脳内にイメージする助けになる。
「身体」を「音」に変換することで、視覚を用いずに他者と対話し、「空間」の概念を学習できるというわけだ。

たとえば今周りに誰がどのくらい離れているのかを感じたり、誰かが自分の前を横切って歩いた、目の前に座っている人が自分に手を差し出した、といった行動が音によって判断できる。複数の音色を選択可能なので、特定の人物の動きを追う、ということもできる。
他者の存在を認識し距離感を体得することは、特に産まれつき目が見えない子供達にとって「自分以外の世界」をイメージするために不可欠なスキルだろう。そしてそれに伴い、運動能力やコミュニケーション能力にも良い影響が期待できる。

ABBIシステムにはブレスレットとBluetoothで通信し、位置や移動距離を計測するユニットとシステムの効果を評価するアプリケーションが含まれている。ブレスレットの通信機能を応用し、ビーコンを用いた誘導や家電製品との連携、といった用途も考えられているようだ。

ジェノバの視覚リハビリテーションセンターInstituto David Chiossone Onlusで3カ月に渡り行われた実証実験では、ブレスレットを装着した9歳~18歳の子供達に、大幅な行動パフォーマンスの向上が見られたという。このデバイスは言語を必要としないため、より低年齢の子供でも効果が期待できると研究者は語っている。
この結果を受け、ABBIはリハビリテーション機器としてヨーロッパ市場で製品化が進められている。

Abbiは視覚障害者の教育を目的に開発されたものだが、日常的な補助デバイスとしても使えるような気がする。家族がこれを身につけることで見えない子供に安心感を与えられるだろうし、特にスポーツやパーティーといった多人数でわいわい楽しむ時、こういうアイテムがあればもっと自由に行動できそうだ。さっきまで隣で話してた人が、いつの間にか無言で移動していて会話が空振り、なんて恥ずかしいこともなくなるかもね。

見えない人は家族や友人の居場所や仕草をいつでも把握していたいし、見える人も自分の行動を見えない人に感じて欲しいはず(そうでもない?)。そういう意味で、Abbiは見える人と見えない人のコミュニケーションの幅を広げてくれるツールにもなりうるような気もしたりする。うん、妄想膨らませすぎかな。

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