2021年4月16日金曜日

視覚障害者を安全に誘導する四足歩行の盲導犬ロボット(+おまけ付き)。

ロボット盲導犬さん(画像引用元


米国カリフォルニア大学バークレー校の研究チームは、盲導犬のように視覚障害者を誘導する四足歩行ロボットのプロトタイプを開発し、5月中国で開催される2021 International Conference on Robotics and Automation(ICRA 2021)へ出展すると発表しました(研究の詳細)。


このロボット盲導犬のベースとなっているのはBoston Dynamicsが開発した「mini cheetah」と呼ばれる四足歩行ロボット。レーザーによる「目」を持ち、周囲の地形を認識し障害物を避けながら指定したルートに沿って目的地まで自律歩行することができます。またコンパクトでありながら高い運動能力を持つことも特徴です。

研究チームは視覚障害者と協調して歩行できるよう、このロボット犬に伸縮可能なリードと深度カメラを加えました。深度カメラはロボットがユーザーとの位置関係を把握するために用いられます。

ナビゲーションを実行するためには、ロボット犬に歩行ルートを記載したマップデータをアップロードしておきます。このデータには詳細な地形データも含まれます。

準備ができたらリードを持って、さあ出発。


Robotic Guide Dog: Leading a Human with Leash-Guided Hybrid Physical Interaction - YouTube


ロボット犬はユーザーとの位置関係やリードの張り具合をモニターし速度を調節しながら障害物を回避しつつ、設定された目的地へ向かいます。実験の結果、ロボット犬は目隠しをした視覚障害者役の被検者三名を、目的地まで安全に誘導することができました。コースの途中にある1メートル未満の通路も、リードを緩めることで問題なく通り抜けられたとのこと。四足歩行ロボットはローラーや車輪を用いた誘導ロボットと比較し、障害物回避能力や小回り性能などの面で優れていると研究チームは語っています。


動画からも分かるように、現時点では騒音の大きさやギクシャクした動作、ユーザーに対するフィードバック不足など課題も残されています。もちろん価格の高さも大きな障壁となるでしょう。

研究チームはこれらの問題点を改善しつつ、GPSを用いたよりフレキシブルなナビゲーションなどこれまでの盲導犬では実現できなかった利便性をこのロボット犬に加えることを考えているようです。


従来の盲導犬は単なる誘導を支援するという役割だけでなく、信頼のあるパートナー、もしくは家族として精神的なケアを果たすという側面も持っています。ロボット犬はこれまでの盲導犬を置き換えるものにはなり得ないことは明らかですが、何らかの事情で盲導犬を迎えることができない視覚障害者にとっては、移動の自由を獲得するための大きな選択肢の一つとなるかもしれません。

でも街中をロボット犬に誘導される姿、想像するとかなりシュールですよね。


参考1:A laser equipped robotic guide dog to lead people who are visually impaired (techxplore.com)

参考2:Robots: Scientists develop four-legged guide dog bot that can lead blind people around obstacles | Daily Mail Online


おまけ:中国発のロボット犬「AlphaDog]。


中国に拠点を置くWeilan社は、5G技術と人工知能、各種センサーを搭載し様々な用途に活用できるロボット犬「AlphaDog]を発表しました。

AlphaDogのデザインはBoston DynamicsのSpotに酷似していることから一部ではパチモノ扱いする報道も見られます。ただAlphaDogは、Boston Dynamicsのロボットと比べすでに中国内一般向けに販売されている点が大きく異なります。価格は16,000元(2,400ドル)。これは一見するとかなりの爆安ですね。

Weilan社の担当者は将来的に、アップデートを通じて視覚障害者の誘導にも利用できるようになると語っています。


参考:Meet AlphaDog: China's Answer to Boston Dynamics' Spot | IE (interestingengineering.com)


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