2020年12月1日火曜日

A11Y Topics #017。スマホ向け点字ガジェット「Cube」、読書支援サービス「YourEyes」など。

※乱文・誤変換ご容赦です。

※誤訳・読解力不足多々あると思います。元記事も併せてご覧ください。


2020年11月の情報まとめアップしました。


ダウンロードはこちらから。


インド工科大学の学生が開発した、スマホに接続する点字デバイス「Cube」。

Invention by students of IIT Madras, Cube – a compact assistive device that fits into a smartphone port to help the blind self-navigate through space, recognize people and objects as well as type, learn & read braille | India Education,Education News India,Education News | India Education Diary


インド工科大学マドラス校の学生チームは、スマートフォンに取り付けて使用するコンパクトな点字デバイス「Cube」を開発した。スマートフォンの背面にフィットするこのデバイスには4セルの点字ディスプレイと点字入力に用いるパーキンススタイルのキー、そしてカメラが備えられている。スマートフォン上の情報を点字として表示したり点字による文字入力のほか、カメラが捉えた周囲の情報をコンピュータビジョンで解析し点字で伝達することも可能という。Cubeは2020年の国際James Dyson awardsで準優勝を獲得した。

ディスプレイが4セルというのは情報量として物足りない気がするが時刻や通知確認用と割り切れば結構便利かもしれない。また点字の学習用とにも使えそうだ。


英国RNIB、絵本リーディングイベント「ReadAlong」開催。

Help us set a new World Record with Red and the Wolf! - RNIB - See differently


英国RNIBが面白いリーディングイベントを開催している。「ReadAlong」と題されたこのオンラインイベントは、「赤ずきんちゃん」をベースにRNIBが製作した絵本「Red and the Wolf]をみんなで読みその様子を写真に撮影、12月10日の午後6時から1時間の間にFacebookの特設ページに一斉投稿するというもの。世界記録を目指すということなのだが、具体的にどのような記録を目指しているのかはよくわからなかった。

ReadAlongのサイトからアクセシブルなフォーマットで販売されている「Red and the Wolf]の主人公は、目の不自由な少女Redちゃん。絵本はRedちゃんがさまざまな障壁を乗り越えながら、おばあちゃんの家へ向かうというストーリー。上記のページからオーディオバージョンの一部を聞くことができる。この作品には絵本の登場人物にも多様性を、というメッセージが込められている。


高校生が考案した、視覚障害者向けゲームガジェットのコンセプト。

Christine is visually-impaired and loves playing video games. So she designed an AI to help her


オーストラリア、Seven Hills High Schoolに通うChristine Douglas氏は、視覚障害者が他のプレイヤーと一緒にオンラインゲームを楽しむためのデバイスを考案した。「Sensory 4 Sight」と名付けられたこのデバイスは振動するヘッドセットと触覚フィードバック機構を備えた手袋を組み合わせ、視覚的な情報なしでゲームをプレイするというガジェットのアイデア。3Dオーディオと振動の方向でゲーム内空間をナビゲートし、手袋から得られる触覚フィードバックでキャラクターの近接情報を伝達する仕組みのようだ。

このアイデアは先日Microsoftが開催したAI for Good Schools Challengeにおいて最優秀賞を獲得。自身も視覚障害者であるChristineは、現在Microsoftアクセシビリティチームとのメンターシップに取り組んでいる。


Apple、MacBookのタッチバーに圧力検知を加える特許を取得。

Apple patents new MacBook's Touch Bar with Force Touch technology - 9to5Mac


AppleによるMacBook Proのタッチバーに圧力検知機能を付与する特許。この仕組みはかつてiPhoneに採用されていた3D Touchと同様のものと考えられている。要するに触れただけでは反応しないような仕掛けが加えられるということらしい。MacBook Proのタッチバーはミスタッチによる誤操作が発生しやすく、圧力検知によりこの問題が解消される可能性がある。

個人的にはタッチパネルの圧力センサー、Voiceoverのナビゲーションに応用できないものかと感じた。要するに軽くタッチして読み上げ、そのまま圧力を加えてアクティベートみたいな感じでナビゲートできれば、ダブルタップよりも効率的に操作できるのではなかろうか。Voiceoverを使わないユーザー、特にロービジョンや高齢者にとってもミスタッチは減るだろうし。そんな妄想をしてしまう話題だ。


ポニーキャニオン、読書支援サービス「YourEyes」発表。

著作権法第37条を使わない視覚障害者等向け読書支援サービス「YourEyes(ユアアイズ)」の衝撃 | HON.jp News Blog


来年2月リリース予定の新しい読書支援サービス「YourEyes」がポニーキャニオンから発表された

視覚障害者の読書手段としては、大きく分けて音訳や対面朗読といった福祉的サービス、電子書籍やオーディオブックなど市販のコンテンツ、そしてスマートフォンアプリやスキャナなどを用い手持ちの書籍をテキスト化し音声読み上げするという3通りの方法がある。ただそれぞれに一長一短があり、まだまだ視覚障害者にとっての読書に対するバリアは高いという印象を持っている。

今回発表されたサービスは、ユーザーが手持ちの書籍をスキャンしテキスト化するという方法に、ボランティアによる校正と高品質TTSエンジンによる正確な読み上げを組み合わせた仕組みを採用している。これがうまく機能すれば従来のスキャンよりも正確に希望する書籍を読めるようになるかもしれない。これまでの音訳に置き換わるようなものではないと思うが、誤認識や読み上げの問題でスキャンによる読書に抵抗のあったユーザーには新たな選択肢となる可能性があるだろう。ただ個人的には数百ページもの書籍を延々とスマホで撮影することを想像するだけで疲れてしまうのだった。ひとまずリリースが楽しみ。

読書バリアフリー的には特に新刊書籍・雑誌については、やっぱり電子書籍のアクセシビリティ向上とかテキストデータ提供の動きがもっと広がるべきなんだと思うんだけど本来であれば。あとTTSエンジンの進化もね。この辺りも同時に進めて欲しいものだ。


その他、気になったトピックスなど。


Can I Play That's 2020 Accessibility Awards - Can I Play That?

ゲームアクセシビリティサイトCan I Play That?が、2020年Accessibility Awardsの投票を受け付けている。17ものカテゴリが設定されており、今年発売された作品からアクセシビリティに優れた作品を表彰する。


How do you play Sea Of Thieves with no sight? You steer the ship | Rock Paper Shotgun

全盲ゲーマーであるSightlessKombat氏はSea Of Thievesをどのようにプレイするのか。視覚を用いずにプレイできるゲームはまだ少なく、遠隔によるコントロール支援などの工夫が必要というのが現状。


PlayStation 5: The Accessibility Review

Xbox Series X: Accessibility Review

Steve Saylor氏によるPlayStation 5とXbox Series Xのアクセシビリティレビュー。加えてXbox Series Xでコントローラーをリマップする方法、およびXbox Adaptive ControllerでCopilotを設定する方法の記事。


Xbox Is Working on Accessibility Options for Gamers with Epilepsy

ゲームのアクセシビリティというと運動機能や視覚・聴覚をサポートするというイメージが強いが、Microsoftはより幅広いビジョンを持っているようだ。彼らはユーザーからの多様なフィードバックに耳を傾け続けており、例えばてんかんを持つゲーマーに対しAIを用いた何かしらの取り組みが行われていることを示唆している。


Technology Researchers Develop Robotic Arm for Blind Veterans | CSUF News

米国で視覚に障害を持つ退役軍人の生活向上を目的としたロボットアームの開発が進められている。このロボットは音声によって制御され、日常生活上の様々なタスクを学習、実行することができるという。


Why Bristol's pedestrian crossings have fallen silent - Bristol Live

英国ブリストルでは音響式の変わりに触覚インジケーターを用いた信号が採用されている。RNIBは触覚だけでは視覚障害者の安全な横断には不十分と懸念を示している。これ、日本でも進められそうなスマートフォンと連携する信号機にも当てはまりそう。真っ直ぐ横断するための仕組みが必要。


ESRC Virtual Festival – Museum without Walls: Access for All… – Slugger O'Toole

英国北アイルランド、ベルファストにある博物館Titanic Belfastでは、3年間に及ぶRNIBとのコラボレーションを通じ、視覚障害者に対し展示物をよりアクセシブルにする試みが行われている。


St. Mary’s Hospital patents eyeglasses guiding blind people < Hospital < 기사본문 - KBR

英国St. Mary病院の眼科教授は、カメラとマイクを備えたスマートグラスを用いて視覚障害者をリモートでサポートするシステムの特許を申請した。スマートグラスは単独で標識なども識別する。


Tactile Colour Compass – Taktilesdesign

ドイツの – Taktilesdesignが開発したTactile Colour Compassは、11の色を異なる触覚素材で表現した視覚障害者向け教材。テクスチャの触感や素材の柔らかさで色の変化を感じとることができる。


Ice Bucket Challenge co-creator Pat Quinn dies at 37 | WJAR

「アイスバケツチャレンジ」の考案者の一人であるPat Quinn氏が死去したことが全米ALS協会から発表された。37歳だった。2013年にALSと診断されたPat氏らが2014年に考案したアイスバケツチャレンジは瞬く間に世界中を席巻。ALSという難病について多くの人々の関心を集め、寄せられた寄附金はALSの研究や患者の生活向上に生かされている。


[閲覧注意かも] Porno inclusif : le 1er film X en audiodescription en France

フランスで初となる、音声解説付き成人向けコンテンツが放映されるという話題。別の記事。Pornhubなど一部でバリアフリーコンテンツに取り組む動きはあるが、まだこの分野は性的指向にかかわらずタブー視されがちという雰囲気が強いように思える。



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