2020年8月2日日曜日

A11Y Topics #001。Facebook、Chrome、Appleなど。


(できるだけ)定期的に、気になった支援技術関連トピックスを速報的にエントリーしていこうと思います。
あまり推敲してないので乱文・誤変換ご容赦です。

Facebook、アクセシビリティを考慮した新UIをリリース。


Facebookはthe Americans with Disabilities Act(障害を持つアメリカ人法)の署名30年となる2020年7月26日、新しいサイトデザインをリリースした。
この変更では細かいアクセシビリティの改善が施されており、スケーラブルなフォントの採用による視認性の向上とサイト構造を改善することで、スクリーンリーダーユーザーが見出しジャンプを用いてコンテンツを見つけやすくなったという。
久々にログインしてみたらこれらの変更に加え、ダークモードへの切り替え設定についてもアナウンスされていた。これはもう少し前から実装されてたのかな?
で、新しいインターフェイスを軽く試してみたのだけど、確かにニュースフィードの構造が分かりやすくなっている、ような気がする。Facebookは写真の自動代替テキストなどアクセシビリティへのいくつかの取り組みを発表しており、今後もキーボードナビゲーションの改善などを考えているようだ。
でもやっぱり個人的にはFacebook苦手だな。

Chrome、バージョン85でタグ付きPDFエクスポートに対応。


Googleは同社が開発するWebブラウザChromeの次期バージョン85で、エクスポートするPDFに見出しや代替テキストなどのタグを含める機能を追加することを発表した。安定版は8月下旬にリリース予定。
これで印刷機能を用いてPDFファイルを出力すると、元のWebページに含まれるタグがPDFファイルに反映されるようになる。この機能はバージョン84では実験的機能として「chrome://flags/」にある「Export Tagged PDF」から有効にできるが、これがデフォルトで有効になるという形だ。
これでPDFのアクセシビリティが少しは向上されると良いのだけど、現在国内で流通している非アクセシブルなPDFの多く派Wordで作成されていることを考えると影響は限定的かもしれない。それ以前にいまだWebもそんなにアクセシブルじゃないしね。スクリーンリーダーユーザーにとって、PDFはまだまだ鬼門であり続けるのだろうな。

舌で操作するコントローラー「[In]Brace」。


ドイツ、ケルン国際デザインスクールのDorothee Clasen氏によって開発中の「[In]Brace」は、舌を使ってさまざまな電子機器を制御できるマウスピース型コントローラ。マウスピースは耳に装着した無線送信機と接続され、磁気センサーでキャッチした舌の動きを伝達する。将来的には無線モジュールをマウスピースに内蔵させる計画だ。
手足の動きが不自由な人々のために、これまでは視線やブレス(呼吸)、まばたきなどを用いるスイッチコントローラが開発されてきた。だがこのようなデバイスは操作を習得するのに訓練が必要だったり、複雑な操作を実行するのが難しかったりした。舌で操作するこのデバイスは比較的簡単に使い始められ、ゲームなど複雑な操作にも対応できるという。
また開発者はこのデバイスが障害を持つ人々だけでなく、作業で両手が塞がっているケースにも役立つと考えている。例えばピアニストが楽譜をめくる操作をしたりスキーヤーがハンズフリーでスマホを操作するといった用途にも応用できそうだ。ハンズフリー操作といえば音声アシスタントが普及しているが、声を出せない場所ではこのようなデバイスは有効かもしれない。ちょっと舌が疲れそうだけどね。

インド発。Covid-19対策を施したスマートジャケット「Covest」。


ソーシャル・ディスタンシングが叫ばれる昨今、インドの研究者は、ウイルス感染を防止するためのサマザマナ仕掛けを施したスマートウェア「Covest」を開発した。
この衣服にはセンサーが搭載されており、2メートル以内に人物を検出するとアラームが鳴り周囲に警告する。混雑した場所でこの機能をオンにすると安全と開発者は語る。
さらにポケット内部には紫外線を照射するデバイスが組み込まれており、ポケットに入れたスマートフォンやマスクを素早く殺菌するという。紫外線はポケットを閉じてから30秒間だけ照射され、内部の生地は光線を通さないため人体に影響はないらしい。さらに衣服の襟部分にはビルトイン式のマスク、おまけに体温計も搭載されているという。なかなか盛り沢山なデバイスだ。
面白いのだがなんとなくアイデア商品的な雰囲気も感じないではない。視覚障害を持つ身としてはセンサーでソーシャルディスタンシングがキープできると便利かなとは思うけど、どれだけ実用的なのかな?

Apple Glassは高品質な立体音響を表現?など。


Appleが新しく取得した特許は、Apple Glassに高精度なバイノーラルオーディオ(立体音響)をもたらす可能性を示唆している。
今年中にも発表の噂もあるApple Glassの目玉はやはり拡張現実(AR)と考えられるが、立体音響はそのリアリティを強化する役目を果たすだろう。そして視覚障害者にとっても、このような技術はオーディオによるナビゲーションの可能性を大きく広げるかもしれない。BOSE ARが頓挫してしまっただけに、期待したいところ。まあ普通にリアルな立体音響が楽しめるだけでも面白そうだけどね。

秋リリース予定のiOS 14、Public Betaユーザーによる報告もどんどん聞こえてきている。現在確認されているアクセシビリティに関する変更点はこの記事にまとめられている。
また個人的に楽しみな「写真にコメントをつける」機能のレビュー記事。視覚障害者でも見える人に手伝ってもらって撮影した写真にコメントを加えておけば、後々単独で写真を整理する時も便利そうだ。iCloudでコメント同期できるのも良い。ちょっとした機能だが、視覚障害者には大きな改良点だろう。

ゲームのアクセシビリティに関するトピックス


「The Last of Us Part II」の影響からか、ゲームのアクセシビリティがにわかに脚光を浴びている。注目作品のアクセシビリティに関するニュースもかなり増えてきており、主な記事をクリッピングしておく。


ここでブラウザでプレイできるゲームをひとつ紹介。
このゲームはAccess Jam 2020のために製作された作品。あえてアクセシブルではないゲームを体験することで、ゲームにおけるアクセシビリティの重要性を強調する、というのがコンセプトのようだ。
アクセスできないゲームでイライラしたプレイヤーには、そのバリアを解消するためのヒントが提示され、よりアクセシブルになったバージョンでゲームをリプレイできる。目が見えない筆者にはこのゲームは全くプレイできなかったが、障害を持たないプレイヤーはどのような感想を持つのだろうか。

2020年前半のアクセシビリティトピックスまとめ記事


Microassistが、ADA 30周年を記念し2020年前半のアクセシビリティに関するニュースダイジェスト記事を公開している。とはいえ多くはCovid-19の影響によるトピックス。記事ではこの経験が世界をより包括的に変革することを希望しつつ締めくくっている。

手前味噌ながらADA法署名30年関連の記事クリッピングはこちら。https://bit.ly/3i24WRz
Covid-19と障害者に関する記事クリッピングはこちら。https://bit.ly/2DmteGI
どちらもDropboxからダウンロードしてお使いください。


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