2020年5月30日土曜日

空中にかざした手のひらに点字の触覚を再現する「Hapti-Read」。


ドイツ・バイロイト大学のViktorija Paneva氏らの研究チームは、超音波を応用した非接触型の触覚ディスプレイを開発した。
これは空中にかざした手のひらに任意のドットによる形状を触覚として感じ取れる技術だ。この装置を用いれば視覚障害者に対し、点字を用いて安全かつ衛生的に情報を伝達することができるようになる。

「Hapti-Read」と名づけられたこのデバイスは超音波を発信する特殊なスピーカーで構成される。デバイスは人の手を自動的に追尾するディープモーションセンサーを備えており、超音波をスピーカーから集中的に照射することで手のひらに触覚を再現する。その感覚は「軽い風が当たっている」感じという。

超音波スピーカーは16×16のグリッドで配置され、それぞれのスピーカーからの周波数を100から200ヘルツの間で調節し音圧の違いによりドットを触覚として表現する。点字に限らず、数字や図形、アイコンなどの触覚も表現可能。また最大で70センチの距離まで触覚を伝達することができるという。、
研究者は11人の視覚障害者を対象に、再現された数字の触覚を読み取る実験を行った。その結果、88%で性格に数字を読み取ることができたという。

公共スペースに設置されている電子端末、例えば券売機や自動販売機、病院の受付きなどのインターフェイスは物理ボタンが廃止されタッチパネルによる操作が中心となっている。そのため視覚に障害を持っていると操作することが極めて難しい。音声による操作に対応した端末もあるが、プライバシー漏洩や聞き取りにくさなどの課題も多い。
またこのような端末に点字ディスプレイを設置するアイデアも考えられているが、導入コストやメンテナンスの問題、さらに近年では衛生面のリスクもあり進んでいない。
Hapti-Readのような非接触技術は、このような問題を解決する一つのヒントになり得るかもしれない。

またHapti-Readは純粋に触覚を伝達する技術だが、他のセンサーやデバイスと組み合わせることでエレベーターのボタンを触れずに操作したり、VRやARゲームに仮想触覚フィードバックを追加するなど、視覚障害者への情報伝達に限らない、様々なシーンへの応用が考えられるだろう。

Covid-19の感染拡大により公共スペースの衛星面の懸念が高まる中、さまざまな非接触技術に注目が集まっている。近い未来、このような「バーチャル触覚」が、私たちの「濃厚接触」に取って代わるようになるのかもしれない。


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