2020年2月5日水曜日

米国。電動車椅子がゲームコントローラーになる「Freedom Wing Adapter」。


2018年にMicrosoftが発売した「Xbox Adaptive Controller(XAC)」は、Xbox OneおよびWindows PCと、障害者向け適用ゲームコントローラー(大きなスイッチやペダルなど)を接続するハブの役目を持つ周辺機器だ。XACの技術仕様は公開されており、汎用部品と3Dプリンター、簡単な電子工作の知識があれば障害の状態に合わせたカスタムコントローラーを簡単かつ安価に作成できる。
また米LogitechはXACに接続して利用できるコントローラーセット「Adaptive Gaming Kit」を販売するなどXACの登場により、主に運動障害を持つ人々のゲームに対する障壁は大きく下がりつつある。

ただ身体の動きが制限されている状態では、専用設計されたコントローラーといえども、その操作を習得するのは簡単なことではない。またゲームをプレイするたびにスイッチ類をテーブルや車椅子に固定するなどセットアップの手間もかかり、大きな負担を余儀なくされている。
だったら普段の操作に慣れている、電動車椅子のジョイスティックでゲームを操作できれば良いのでは?
「Freedom Wing Adapter」は、そんな逆転の発想から生まれたXAC用のアダプタだ。

米国で障害者のゲームプレイ環境を支援する団体AbleGamersと、ATmakersのクリエイターとの提携によって生まれたFreedom Wing Adapterは、電動車椅子の9ピン端子を経由しXACと接続する。これにより電動車椅子を制御するジョイスティックやボタンを使用して、Xboxのゲームを操作することができる。いわば電動くるまいすをXboxのコントローラーに返信させてしまうアダプタなのだ。

AbleGamersが公開したビデオでは、同団体のCOOであるSteve Spohn氏が車椅子のジョイスティックとシフトボタンを器用に操作し、カーアクションゲーム「ロケットリーグ」をプレイする様子が修められている。
日常的に使いこなしている支援装置にアダプタを接続するだけででゲームをプレイできるというのは、障害者への負担を最小限に抑えつつゲームに集中して楽しむ助けをしてくれるだろう。

Freedom Wing Adapterは、AbleGamersを通じて希望者に無料で提供される。また回路図が公開されており、30ドル程度で自作することも可能という。導入コストが抑えられれば、障害者のゲームに対するハードルはさらに下がるはずだ。

障害者の「ゲームで遊びたい」という欲求は、これまでも数多くの支援者の力により「適用コントローラーの自作」という形で実現されてきた。
ユーザーの障害や身体の特性にあったカスタマイズが容易に行えるXACはこのような人々の背中を押しつつ、より高度で低コストな環境を提供しようとしている。今後もこのような創意工夫にあふれた製品が出現してくるに違いない。なおXACは先日日本でも販売が開始されたが、これを執筆している現在は在庫切れとなっているようだ。

願わくば、これがXboxやPC以外の環境へ広がることを期待したい。ことアクセシビリティに関しては、メーカーの垣根を超えた動きがあっても良いのではないだろうか。



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