2020年1月19日日曜日

[CES 2020] タッチパネルに「触覚」を加える2つのテクノロジー。

TanvasTouch(画像引用元

スマートフォンや駅の券売機、ATM、家電製品、レストランのメニューに至るまで、タッチパネル操作式のディスプレイは至る所で日々増殖を続けている。だがこのようなディスプレイは指で触れても物理的なフィードバックが得られず、操作した感覚に乏しい。
せいぜい、効果音が鳴ったり軽く振動する程度だ。

この「操作した感」の缺乏は、タッチパネルの表面がツルツルしていることが原因だ。
ツルツルしてるのだから、仕方がない。
でも、もしタッチパネルに触れた時、押しボタンの感触を感じられたらどうだろう?
ツルツルしてるのに、指先に触感を覚える。
そんな不思議な技術がCES 2020に出展されていた。

触覚ディスプレイは、タッチパネルの表面を変形させることなく様々な仕組み(超音波や静電気など)を用いて指先に擬似的な触覚を出現させる技術だ。これまで、このような技術は主にディスプレイを注視できない自動車設備むけに開発が勧められてきたが、家電製品やキオスク端末、スマートフォンなどへその用途が拡大されつつある。

もしスマートフォンに触覚が加われば、画面を見ることなく音楽再生をコントロールしたりメッセージに応答できるようになる。
またタッチ操作に不慣れな高齢者が、操作するボタンを触覚で確認するといったユーザー補助的な用途も考えられるだろう。

一方、筆者のようにスクリーンリーダーでタッチパネルを操作しているユーザーにとっては、音声だけが頼りだったインターフェイスに「触覚」というチャネルが加わることで、得られる情報量が大幅にふえることが期待できる。

触覚ディスプレイは、そのようなアクセシビリティの改善とともに、エンターテイメントやネットショッピングなどの分野への応用も期待されている最新の技術だ。
これまで視覚、聴覚しか扱わなかった世界に「触覚」をもたらすこのテクノロジーは、電子端末に大きな変革をもたらす可能性を秘めている。

Tanvas、「TanvasTouch」の開発キットを販売開始。


米国Tanvas社は、様々な大きさや形状のディスプレイやトラックパッドなどの表面にプログラマブルな触覚エフェクトを追加する技術「TanvasTouch」を開発しているスタートアップだ。
スワイプで画面上に独特なテクスチャを感じたり、ボタンのクリック感を体験できるなど、これまでとは次元の異なるエクスペリエンスを提供する。すでに一般向けの製品に組み込まれた実績もあるという。

そしてTanvas社はCES 2020にて、同社の触覚技術を誰でも試すことができるオールインワンの開発キットをリリースした。これにより商用製品のタッチディスプレイに触覚エフェクトを導入するにあたり、事前にこの技術を試すことができるようになる。

この開発キットには10.1インチマルチタッチディスプレイと、触覚を定義するためのソフトウェア、ツール、API、そして各種リファレンスとトレーニング、専門スタッフによる5時間の無料サポートが含まれる。
このキット販売により、触覚ディスプレイへのハードルが下がり、様々な端末への導入が進むことが期待されている。


Hap2Uの「Hap2Phone」はスマートフォンに触覚を加える。


タッチパネルに「触覚」体験を加える技術を開発しているもうひとつのスタートアップが「Hap2U」だ。
同社の技術はディスプレイをタッチした指先に、様々なテクスチャの触感を再現する。そして通常タッチパネルに用いられるガラス面だけでなく、プラスチックや金属といった素材にも触覚エフェクトを追加できるのが特徴という。例えば家電製品のプラスチック製ボタンに、触覚フィードバックを追加することもできるようだ。

そして同社がCESで出展した「Hap2Phone」は、スマートフォンに多彩な触覚をもたらすことに特化した製品。
これはディスプレイのガラスカバーの下に厚さ2ミクロンの薄膜圧電溶液を組み込むことで、画面をタッチした指先にボタンやスイッチなどの触覚を再現する。この仕組みを導入しても、スマートフォンの重量や消費電力に与える影響はわずかとのことだ。

Hap2Phoneではボタンやスイッチなどの感触に加え、柔らかさや高低差といった微妙な感覚を表現することもできるという。たとえばネットショッピングで商品の質感を伝えるような用途も考えられているようだ。
この技術が進化し、点字の触感を再現できれば最高なのだが(妄想)。

また具体的な応用例として、ソフトウェアキーボードに触れた時に文字の形を感じ取るといった使い方も示されている。「形」といっても、どのくらい細かい形を感じられるのかは不明だが、同社は画面を見ずにタイピングできるレベルを目指しているようだ。

hap2Uはスマートフォンメーカーへこの技術をOEM供給することを考えている。「触感」がスマホの新しいセールスポイントになる日も近いかもしれない。ゲームなどエンタメコンテンツと組めば、結構うけるような気もする。



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