2019年5月28日火曜日

もう白杖にジャブを喰らわない!?画期的な歩行用白杖「NO-JAB Canes」。


「JABを訳すと「突き刺す」となる。ボクシング用語としてもお馴染みだろう。
そして視覚障害者は日常的に「JAB]に悩まされている。

視覚障害者が携帯する白い杖は「白杖(はくじょう)」と呼ばれる。白杖の役割は様々だが、その中でも重要なのが歩行時に前方を探って安全を確認するという用途。段差や障害物がないか確認したり、点字ブロックや壁などを白杖で辿ることで歩行の安全を確保する。目が見える人も、暗闇で移動するとなると壁や床を手探りしてソロソロと動くはずだ。白杖はその「手」の代わりをしてくれるわけだ。いわば白杖は視覚障害者の相棒、いや「体の一部」といってもいいだろう。

しかし白杖をスムーズに砂漠には、世界はあまりにもイビツだ。
白杖を歩道に滑らせながら調子よく歩いていても、ほんの数ミリの出っ張りや凹みに白杖の石搗き(先端部分)は引っかかり、その衝撃が手首に思わぬダメージを与えてしまう。白杖の持ち方によってはグリップがお腹に痛烈な「JAB」をお見舞いしてくれることもしばしばだ。そりゃないぜ、相棒。

まあ白杖歩行訓練や石搗きをパームチップに交換するなどの工夫で多少は軽減できるものの、この衝撃を完全に回避するのは難しい。視覚障害者の中には手首を痛めてしまい、しばらく白杖歩行ができなくなってしまう者もいる。たまになら良いが、これが頻繁に繰り返されると結構なストレスとなる。

「NO-JAB Canes for the Blind」は、そんな視覚障害者のストレスを解消してくれるかもしれない画期的な商品である。一見すると何の変哲も無い折りたたみ式の白杖だが、このグリップの中にその秘密が隠されている。

NO-JAB Canesのグリップには、特許出願中の衝撃を吸収する反動機構が備えられている。これにより白杖が障害物や段差と衝突するとグリップ内部のアブゾーバーが最大5インチまで収縮。その衝撃を吸収したのちに自動的に元の状態に戻るという。
商品の説明によれば最大で80%の衝撃を吸収できるとのことだ。きになるのはアブゾーバーにより杖先の感覚が鈍らないか?と言う点だが、説明やレビューを読む範囲では問題はなさそうだ。それにしても白杖にジャブを喰らわない、ということで「NO-JAB Canes」。白杖使いなら思わずニヤリとしてしまうネーミングだ。
なお衝撃を吸収する杖は高齢者向けの歩行用杖では存在しているが、白杖でこのような機構を持ったものは筆者が探した範囲では他に見当たらなかった。

NO-JAB Canesのその他の仕様はこんな感じ。

  • 10.5インチの本羊革のパンチングレザー仕上げのグリップ
  • グラスファイバーとカーボンファイバーのハイブリッドシャフト
  • アルミニウム合金製のジョイントを用いた折りたたみ機構
  • 150ポンドの引張強度を持つSGT製センターコード
  • 6インチの反射テープ
  • 重さ11.5オンス(約326グラム)
  • 米国製

とかく視覚障害者向けの最新テクノロジーというと、IOTとかAIとかセンサーとかハイテクなものが流行りだ。白杖も障害物検知とかナビゲーションを搭載したスマートケーンが世界各地で開発されている。だがこのようなフィジカルなテクノロジーもまだまだ侮れないな、と感じた製品だった。

NO-JAB Canes for the Blindは米国Amazon.comで販売中。
60インチモデルの価格は69ドルだ。

※なお、念をおしておくと白杖を持つ視覚障害者は全盲者だけでは無い。視野が極端に狭かったり、光過敏、視界混濁などで見えにくさを感じているロービジョンと呼ばれる人々も携帯し、歩行の安全確保と周囲への注意喚起を行っている。誤解のないよう、そして周知をお願いいただきたい。

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